引退した後も解体を逃れた車両は、展示目的で保存されるもの、施設の一部として活用されるもの等、様々な形態で余生を過ごしています。
ですが、引退後もその会社の発展のために従事している車両と言うのは、あまり例がないかもしれません。今回ご紹介するのは、引退した現在もなお未来のため、そして安全のために活躍している、そんな車両たちです。
埼玉県さいたま市北区、鉄道博物館からも近い小学校の隣に、近代的なデザインをした小綺麗な建物があります。表の看板には「JR東日本研究開発センター」の文字。そう、この施設は、常に最新技術で日本中を、いや世界中を驚かせるJR東日本の研究機関なのです。最先端の鉄道技術を研究するために2001年に設置された同施設では、主に「サービス」「システム」「安全」「防災」「メンテナンス」「環境」の6つの分野で研究を行っています。そしてその成果は、JR東日本の最新鋭の車両や駅、各種設備に反映されています。
そんな同センターの敷地内には、驚くことに立派な“駅”が設置されています。そして更に驚くことに、その駅には実際に車両が設置されているのです。
209系クハ208-7、現役時代は浦和電車区に配置され、ウラ7編成の大船方先頭車として活躍していた車両です。初期車であることから房総地区への転用の対象とされず、一度は長野総合車両センターへ回送された同車。ですが、大宮方の先頭車であったクハ209-7と共に2009年12月に大宮総合車両センターまで再配給が行われ、改造及び塗装の変更が行われました。こうして装いを新たにした同車は、施設内の“駅”こと「Smart Station 実験棟」へと設置され、現在も研究開発に従事しています。
帯色を白に変更され、聞くところによると車内には液晶画面が設置されているとか。今後も世界へ誇る最新技術を世に送り出すべく、その活躍を期待したいところです。
なお、同時に配給されたもう片方の先頭車であるクハ209-7も、この場でご紹介します。
大宮駅から高崎線沿いにしばらく歩くと、見えてくるのは大宮総合車両センターの裏手、旧解体線です。構内の最も外れにあるこの敷地に、青帯のままのクハ209-7の姿があります。
大きく傾いた車体には「訓練車」の文字。前面に貼られた説明書きには「脱線復旧訓練所」と書かれ、脱線復旧訓練を定期的に行うために設置されている…とあります。
使われ方は違えど、鉄道の未来のため、安全のために用いられているこれらの車両たち。普段は現在でも活躍する車両に目が行きがちですが、たまには「縁の下の力持ち」であるこれらの車両を思い出してみるのもいいのかもしれません。
〈物件データ〉
・クハ208-7
設置場所:埼玉県さいたま市北区 JR東日本研究開発センター内
公開時間:なし(画像は側道より撮影、なお目の粗い柵が設置されているため、一眼では撮影不可?)
撮影:2011年10月18日12時半頃
・クハ209-7
設置場所:埼玉県さいたま市北区 大宮総合車両センター内
公開時間:なし(画像は側道より撮影)
撮影:2013年5月25日15時半頃
ですが、引退後もその会社の発展のために従事している車両と言うのは、あまり例がないかもしれません。今回ご紹介するのは、引退した現在もなお未来のため、そして安全のために活躍している、そんな車両たちです。
埼玉県さいたま市北区、鉄道博物館からも近い小学校の隣に、近代的なデザインをした小綺麗な建物があります。表の看板には「JR東日本研究開発センター」の文字。そう、この施設は、常に最新技術で日本中を、いや世界中を驚かせるJR東日本の研究機関なのです。最先端の鉄道技術を研究するために2001年に設置された同施設では、主に「サービス」「システム」「安全」「防災」「メンテナンス」「環境」の6つの分野で研究を行っています。そしてその成果は、JR東日本の最新鋭の車両や駅、各種設備に反映されています。
そんな同センターの敷地内には、驚くことに立派な“駅”が設置されています。そして更に驚くことに、その駅には実際に車両が設置されているのです。
209系クハ208-7、現役時代は浦和電車区に配置され、ウラ7編成の大船方先頭車として活躍していた車両です。初期車であることから房総地区への転用の対象とされず、一度は長野総合車両センターへ回送された同車。ですが、大宮方の先頭車であったクハ209-7と共に2009年12月に大宮総合車両センターまで再配給が行われ、改造及び塗装の変更が行われました。こうして装いを新たにした同車は、施設内の“駅”こと「Smart Station 実験棟」へと設置され、現在も研究開発に従事しています。
帯色を白に変更され、聞くところによると車内には液晶画面が設置されているとか。今後も世界へ誇る最新技術を世に送り出すべく、その活躍を期待したいところです。
なお、同時に配給されたもう片方の先頭車であるクハ209-7も、この場でご紹介します。
大宮駅から高崎線沿いにしばらく歩くと、見えてくるのは大宮総合車両センターの裏手、旧解体線です。構内の最も外れにあるこの敷地に、青帯のままのクハ209-7の姿があります。
大きく傾いた車体には「訓練車」の文字。前面に貼られた説明書きには「脱線復旧訓練所」と書かれ、脱線復旧訓練を定期的に行うために設置されている…とあります。
使われ方は違えど、鉄道の未来のため、安全のために用いられているこれらの車両たち。普段は現在でも活躍する車両に目が行きがちですが、たまには「縁の下の力持ち」であるこれらの車両を思い出してみるのもいいのかもしれません。
〈物件データ〉
・クハ208-7
設置場所:埼玉県さいたま市北区 JR東日本研究開発センター内
公開時間:なし(画像は側道より撮影、なお目の粗い柵が設置されているため、一眼では撮影不可?)
撮影:2011年10月18日12時半頃
・クハ209-7
設置場所:埼玉県さいたま市北区 大宮総合車両センター内
公開時間:なし(画像は側道より撮影)
撮影:2013年5月25日15時半頃