前回記事に引き続き、可部線廃止区間に残されている車両をご紹介します。
今回は、加計駅跡付近に保管されているキハ28 2394を見ていきます。
2003年11月末限りで廃止となった可部~三段峡間の拠点駅であったのが、今回ご紹介する加計駅でした。可部から数えて14番目の駅であり、当駅を起終点とする列車も多く設定されていました。
廃止後しばらくはそのままの姿を保っていた加計駅跡でしたが、2006年4月に町の交流施設「太田川交流館 かけはし」が跡地に設置され、構内はほぼ全てが駐車場とされました。
ホーム脇で保存されていたキハ28 2394も、工事の際に側線に設置されていた車庫へ住処を移し、現在へと至っています。
そんなキハ28 2394、保存会の手によってエンジンが稼働し走行する状態で保存されており、年に2回行われる町のお祭りに合わせて体験乗車会が開催されています。今回は、ひょんなことからそのお手伝いをさせて頂いたので、そのレポートも踏まえてお伝えしたいと思います。
まずはエンジンの始動に立ち会い、その後車内の清掃等を行ったスタッフ一行は、第一便の運行時間までの時間で各々車両を観察。私も便乗して各部分を見て回りました。
現役当時のまま残っている車内。車端部のロングシート化等も行われず、急行型としての車内をしっかり保っているのがこのキハ28 2394の特徴です。
運転台はいかにも国鉄型と言った重厚な作りであり、ほとんど全ての機能が現在も生きています。
1日目の体験会実施後は、少しながら撮影会を開催。
夜の帳の中佇むキハ。
翌日は安野駅のキハ58 554を記録し、加計駅跡にて既に作業をされていたメンバーの方々と合流、運転準備を行いました。ついでに車体の清掃も行い、綺麗になるだけしておきました。
少しだけ撮影会なんかも。
こうして見ると現役さながらですね。
怒涛の二日間はすぐに過ぎ、私の初ボランティア活動は終了しました。
鉄道車両を稼動状態で維持すると言うのが、どれだけ大変なことかを身を持って学んだ今回、とても良い経験になりました。
今後も安野駅跡のキハ58 554と共に、末永く保存して頂きたいところです。また機会があればお手伝いしたいですね。
〈物件データ〉
設置場所:広島県安芸太田町 太田川交流館かけはし付近
公開時間:外観は随時、展示運転は毎年6月、11月の吉水園公開と同時開催
撮影データ:2018年11月10日、11日(全日に亘るため時間は掲載しません)