あの車両を訪ねて

全国の保存・放置車両を訪ねています。

日本国有鉄道21-7008、クハ181-1/川崎重工業車両カンパニー兵庫工場

2018-07-26 | 兵庫県


国内有数の鉄道車両製造メーカーである川崎重工業車両カンパニー。同社の製造拠点である兵庫工場の一角に、里帰りを果たした車両達がのんびりと余生を過ごしています。



広大な敷地を誇る兵庫工場ですが、その本館前に設置されているのは、0系21-7008及び181系クハ181-1、どちらも鉄道ファンであれば知らない人はいないであろう名車です。



0系21-7008は、0系2000番台21-2012として1984年末に製造された車両です。0系は時期ごとに細かく製造次が異なりますが、このグループはなんと36次車となっています。
21-2012と製造された後アコモ改造で21-7034へと改番され、更に21-7008へと変化しています。
現役末期はR61編成の博多方先頭車として運用され、2008年12月に引退記念で運転された臨時ひかり号ではR68編成と共に充当されました。その後、製造元である川崎重工業への譲渡が発表され、翌年3月に当所へと設置されました。
設置場所が運河のほとりであるからか、傷みがそこそこ出ている印象でした。その内補修されるとは思いますが。。。



そしてその反対側には、181系クハ181-1が保存されています。
181系は、特急「こだま」用に製造された151系、及び特急「とき」用に製造された161系の仕様を統一した車両、更に新製された車両も含めて形成されるグループです。
この形式は全体的に形態変化が多いので詳細は割愛しますが、このクハ181-1に関して言えば、その前身は151系クハ151-1であり、更に遡れば20系クハ26001と言う事になります。
つまり、1958年11月から運行を開始した初の電車特急「こだま」の最初に運用された編成、しかもそのトップナンバーと言う非常に歴史的価値の高い車両なのです。

車体は徐々に登場時の姿への復元が行われ、現在は車体番号もクハ26001となり、「こだま」として運用されていた頃の姿となっています。初の電車特急の姿を後世に残す、まさに保存されるべくして保存された車両なんですね。

生まれてくる車両達を見守る古豪2両。これからも歴史の生き証人として、末永く保存されて行くことを期待したいですね。

〈物件データ〉
設置場所:兵庫県神戸市兵庫区 川崎重工業車両カンパニー兵庫工場
公開時間:外観は随時

撮影データ:2017年12月23日12時半頃



蒲原鉄道モハ51/安田民俗資料館

2018-07-19 | 新潟県


蒲原鉄道シリーズ最後は、今までの中で最も状態が思わしくない車両かもしれません。



新潟県阿賀野市六野瀬、国道49号線と磐越道が交差する付近に、突如現れる大正モダンな建物群。これこそが、安田民俗資料館です。
敷地内には、開業時から1980年まで使用された一代目村松駅舎(写真)を始めとして、合計3棟の建物が移築されています。



そして旧村松駅舎の隣に設置されているのが、蒲原鉄道モハ51です。
モハ51は、1930年の開業時にデ13として製造された車両です。以前ご紹介した村松城址公園のモハ11と同形式として製造されており、モハ11形への改番も同時に行われました。
転機が訪れたのは1954年。モハ41の製造に際し、主要機器を同車の新製用に回し、モハ13にはモハ1の機器を載せ替えると言うなかなかの荒技(笑)が実施されました。このタイミングで、モハ13はモハ51へと再度改番され、廃車までその番号を維持することになります。
1985年の路線縮小時に、かつて同形式であったモハ11形2両と共に廃車となり、当地に保存されました。



現在安田民俗資料館は休館中となっており、建物や展示品、そしてモハ51自体も痛みがだいぶ進行しています。このまま朽ち果てていくだけなのでしょうか、今後が気になる車両です。

〈物件データ〉
設置場所:新潟県阿賀野市 安田民俗資料館(休館中)
公開時間:無し

撮影データ:2017年9月24日10時半頃




蒲原鉄道モハ41/五泉市総合会館

2018-07-12 | 新潟県


記事の修正に時間がかかってしまい、新規記事の執筆まで手が回らぬまま1ヶ月が経ってしまいました。。。お待たせしてしまい申し訳ありません。
今回は、前々回の記事からの続きで、蒲原鉄道の保存車両をご紹介します。



大ホール等が備わる五泉市総合会館。この駐車場に、今回の目的である蒲原鉄道モハ41が保存されています。



モハ41は、モハ1の機器を流用して製造された車両で、1954年に竣工しました。同一車体のモハ31と共にその大きな輸送力を活かして主力として活躍し、1999年の路線廃止まで在籍しました。
途中、西武所沢工場にて車体延長工事を行い、ドア一つ分延長されました。モハ31はその後解体されましたが、モハ41は現在も綺麗な姿で保存されています。



一日目は曇っていたのと車内公開時間が終わっていたので、翌日改めて訪問。すると陽が当たっており、車内も上手い具合に記録することができました。



赤いモケットは、蒲原鉄道の特徴なのでしょうか。非常に印象に残る色ですね。



3つの駅名しか書かれていない運賃表。末期はこの区間のみの営業だったので、廃止はやむなしだったのでしょう。こんな古典電車たちが走る姿を、一目でいいから見てみたかったものです。。。

〈物件データ〉
設置場所:新潟県五泉市 五泉市総合会館
公開時間:9時半~16時

撮影データ:
1日目 2017年9月23日16時半頃
2日目 2017年9月24日11時頃