国内有数の鉄道車両製造メーカーである川崎重工業車両カンパニー。同社の製造拠点である兵庫工場の一角に、里帰りを果たした車両達がのんびりと余生を過ごしています。
広大な敷地を誇る兵庫工場ですが、その本館前に設置されているのは、0系21-7008及び181系クハ181-1、どちらも鉄道ファンであれば知らない人はいないであろう名車です。
0系21-7008は、0系2000番台21-2012として1984年末に製造された車両です。0系は時期ごとに細かく製造次が異なりますが、このグループはなんと36次車となっています。
21-2012と製造された後アコモ改造で21-7034へと改番され、更に21-7008へと変化しています。
現役末期はR61編成の博多方先頭車として運用され、2008年12月に引退記念で運転された臨時ひかり号ではR68編成と共に充当されました。その後、製造元である川崎重工業への譲渡が発表され、翌年3月に当所へと設置されました。
設置場所が運河のほとりであるからか、傷みがそこそこ出ている印象でした。その内補修されるとは思いますが。。。
そしてその反対側には、181系クハ181-1が保存されています。
181系は、特急「こだま」用に製造された151系、及び特急「とき」用に製造された161系の仕様を統一した車両、更に新製された車両も含めて形成されるグループです。
この形式は全体的に形態変化が多いので詳細は割愛しますが、このクハ181-1に関して言えば、その前身は151系クハ151-1であり、更に遡れば20系クハ26001と言う事になります。
つまり、1958年11月から運行を開始した初の電車特急「こだま」の最初に運用された編成、しかもそのトップナンバーと言う非常に歴史的価値の高い車両なのです。
車体は徐々に登場時の姿への復元が行われ、現在は車体番号もクハ26001となり、「こだま」として運用されていた頃の姿となっています。初の電車特急の姿を後世に残す、まさに保存されるべくして保存された車両なんですね。
生まれてくる車両達を見守る古豪2両。これからも歴史の生き証人として、末永く保存されて行くことを期待したいですね。
〈物件データ〉
設置場所:兵庫県神戸市兵庫区 川崎重工業車両カンパニー兵庫工場
公開時間:外観は随時
撮影データ:2017年12月23日12時半頃