あの車両を訪ねて

全国の保存・放置車両を訪ねています。

クモニ83006、クハ103-525/ポッポの丘

2020-08-01 | 千葉県


かなり久々に、撮影したてほやほやの画像を投稿してみます。

千葉県いすみ市、いすみ鉄道上総中川駅近くの小高い丘にある鉄道保存施設、「ポッポの丘」。首都圏でありながら自然豊かな土地に、25両もの保存車両が保存・展示されており、保存車両ファンの皆さんは知らないことは無いでしょう。

こちらの施設に今年4月、突如として2両の国鉄型電車が輸送されました。

新型コロナウイルス感染症対策の為に休園していた同施設にとって待望の完全再開となった本日、それらの車両も盛大にお披露目となりました。



今回新たにやってきたのは、クモニ83形006号、及びクハ103形525号です。いずれも電気機関車の製造で知られている東芝府中事業所にて試験車両として活用されていたもので、今年4月14日の夜に陸送で同所を出発し、その夜の内にポッポの丘へとやってきました。

7月よりプレオープンとして営業していたポッポの丘でしたが、本日より通常営業を再開することに。そしてその目玉として、クハ103-525に様々なHMを掲げる撮影会が開催されました。



園内は営業を休止している間にリニューアルを行い、一部車両の配置が変更されました。このため、キハ38 1、クモニ83006、クハ103-525と、国鉄型車両の並びが実現しました。



今回は10時~15時の間に随時HM、運番表示、行き先表示、そして編成札を交換し、かつて103系が活躍した様々な線区での姿を再現。特に、武蔵野線で6連と8連が混在していた頃に前面に掲出されていた「8Cars」のステッカーを模したプレートが登場した際は、撮影していたファンから歓声が上がりました。



午後になって各車の前面まで日が回り込んだ会場は、暑い日差しの中ながら大盛況。クハ103-525は、車両需給の関係で中央・総武線各駅停車を一時期だけ走っていた線名表示板付きの姿が再現されました。飯田橋行きの表示が新鮮に思えます。

時間の関係で全てを見れた訳ではありませんでしたが、これだけでも十分な内容でした。今後クハ103-525は補修される中で塗装も変更されることがアナウンスされていますので、これが最初で最後の撮影会となった様です。

新たな仲間も加わり、益々見ごたえのある内容となった「ポッポの丘」。近くを走るいすみ鉄道と合わせて、ゆっくり訪問してみてはいかがでしょうか。

〈物件データ〉
設置場所:千葉県いすみ市 ポッポの丘内
公開時間:10時~16時(車内はまだ公開されないそうです)

撮影データ:2020年8月1日10時~14時頃(順光は午後)




鹿島臨海鉄道キハ1000形キハ1001/佐原つり堀センター

2017-07-11 | 千葉県


千葉県は佐倉市、利根川の土手沿いに、遠くからでも非常に目立つ鮮烈な赤色を施された車両が鎮座しています。



佐原駅から車で10分程の所にある「佐原つり堀センター」。この敷地の一角に保存されているのが、鹿島臨海鉄道キハ1000形キハ1001です。



今となっては貴重なバス窓が綺麗に残る。

キハ1001は、その外見からもお分かりの通り元国鉄のキハ10形を譲受して改造したものです。これは、1978年に始まった成田空港の航空機燃料輸送の見返りとして旅客営業が行われるために導入された車両で、キハ1001、1002の2両が入線しました。しかしながら、1983年に旅客営業は廃止され、これら2両も翌年には廃車となりました。廃車後、キハ1001のみが当地に搬入され、現在までその姿を残しています。



以前は休憩所として利用されていたそうですが、現在は物置として利用されているとのこと。応対して頂いたお店の方によると、前週に塗装を塗り直したそうで、この時はまだ途中であるとのことでした(帯がまだガタガタなのはそのため)。
こんなのもうあっても仕方ないわよねえ、と仰るので一応貴重なものであることは説明させて頂いたのですが、あまりピンと来ていない様でした(苦笑)。搬入時のこぼれ話など色々なお話を聞かせて頂いたので、訪問される方はお店の方へのご挨拶をお忘れなき様。。。

〈物件データ〉
設置場所:千葉県佐倉市 佐倉つり堀センター内
公開時間:不明(つり堀の営業時間に沿いますが営業時間が不明…17時には店じまいの準備をされていました)

撮影データ:2017年6月4日17時半頃


東京都交通局6000形6145、6146/佐倉草ぶえの丘

2017-03-07 | 千葉県


千葉県は印旛沼のほとりにある佐倉市、京成佐倉駅からバスで20分程の所に位置する「佐倉草ぶえの丘」。バーベキューを楽しむ若者やミニSL目当てに来るファミリーなどが集まるこの施設の片隅に、忘れ去られたかの様に2両の“地下鉄電車”が保存されています。



東京交通局6000形6145、6146。同形式に造詣の深い方はこの車番だけを見ると「ん?」となるかもしれません。それもそのはず、この2両はどちらも保存車としては非常に珍しい「中間車」なのです。
ここで保存されている2両は、いずれも1999年に非冷房のまま廃車となった6141Fの中間車でした。先頭車は秩父鉄道へ部品取りとして譲渡され、こちらには中間車がやってきた訳です。



保存、とは言いますが、実際には休憩所として活用されている様です。安全のため、床下機器は台車などを除き撤去されています。



驚くべきは車内。なんと、廃車当時の広告や路線図がほぼそのまま残されているのです。その様子はまるでタイムカプセルのよう。



時が止まったままの車内に取り残された路線図は、引退当時、つまり三田~目黒間が開業する以前の仕様の物でした。もう20年以上前のシロモノですが、状態はかなり良い方なのではないかと。



表側はそこそこ綺麗に保たれていましたが、裏側に回るとかなり痛みが進んでいる状態でした。ここだけ見たら朽ちる寸前の廃電車の様ですね。

※車内は普段は公開されていない様で、今回は職員の方のご好意により見学させて頂くことが出来ました。訪問の際は施設の方にご挨拶をお忘れなきよう。

〈物件データ〉
設置場所:千葉県佐倉市 佐倉草ぶえの丘内
公開時間:9時~16時半/18時(施設の開園時間に準ずる、季節により変動)

撮影データ:2016年3月16日15時頃







銚子電気鉄道デハ1000形デハ1001/昭和の杜博物館

2017-02-16 | 千葉県
更新がだいぶ疎かになってしまいました…いつまで経ってもブログが長続きしなくて申し訳ないです(・・;)
ちょいちょい更新して行きたいとは思っていますので、ちょいちょい見に来て頂けると幸いです。
さて、久しぶりとなる本日は、最近保存された車両を紹介したいと思います。



以前ご紹介した、千葉県松戸市の昭和の杜博物館。同館に2016年3月より展示されているのが、今回ご紹介する銚子電気鉄道デハ1001です。



2016年2月いっぱいを以て引退した同車ですが、3月下旬に陸送が行われ、晴れて同館の保存車両の仲間入りとなりました。同年6月には整備が行われ、本格的な展示がスタートした様です。



基本的に引退時のままでの展示となっていますが、流鉄クモハ2006と同じく二分割の上での搬入となったため、接合部に痕が残っていました。



クモハ2006と並んで展示された同車。訪問時は車内の公開が行われていませんでしたが、普段は公開されているとか。
夕方には綺麗に陽が当たる姿を見ることが出来ますので、是非訪れてみてはいかがでしょうか。

〈撮影データ〉
設置場所:千葉県松戸市 昭和の杜博物館内
公開時間:金~日、及び祝日 10時~16時

撮影データ:2016年10月23日14時半頃


流鉄2000形クモハ2006/昭和の杜博物館

2016-02-03 | 千葉県
保存車両が様々な場所で保存されているのは今までご紹介した通りですが、今回は少しばかり変わった場所で保存されている車両をご紹介したいと思います。



JR武蔵野線と北総鉄道線が交差する、東松戸駅。この駅から田舎道をしばらく歩いたところに、なんだか不思議な空間が広がります。



「昭和の杜博物館」と呼ばれるこちらは、なんと個人が運営している、“私設博物館”です。
個人が運営している博物館は全国に数あれど、実物の鉄道車両を展示しているものはあまり無いのではないでしょうか。

そんな同館に保存されているのが、流鉄で活躍していた2000形クモハ2006、「なの花」です。



2013年まで活躍していた「なの花」ですが、引退後はクモハ2006のみが当地にて保存・公開されています。



車内は引退当時のまま、懐かしい光景が広がっていました。しかし、よく見ると床に切れ込みが…?



真ん中のドア付近を見るとこの通り。実はこの車両、搬出時に一度車体を二分割し、当地に搬入後に再接合が行われています。輸送費の圧縮に繋がるなどのメリットがあるからか、たまに見かける手法ですね。



前面には引退時にかけていたサボがそのまま残っていました。

<物件データ>
設置場所:千葉県松戸市 昭和の杜博物館内
公開時間:金~日、及び祝日 10時~16時

撮影データ:2015年11月29日14時半頃