あの車両を訪ねて

全国の保存・放置車両を訪ねています。

日本国有鉄道オユ10形オユ10 2565/能登中島駅

2016-08-18 | お知らせ
今回も前回に引き続き、北陸遠征で訪問した物件をご紹介します。



能登線の廃線跡を巡ろるため意気揚々と和倉温泉を出た一行でしたが、現在も営業している七尾線(七尾~穴水間)と並行する道をずっと走っていたため、途中で和倉温泉方面の列車を撮影する等、生きた鉄路にもちょくちょく触れつつの旅となりました。そして、今回ご紹介する物件も、現役の鉄路の隣に静かに佇む車両です。



さて、和倉温泉から車を20分程走らせると、小さな駅が右手に見えてきます。和倉温泉駅から3つ先の駅である、能登中島駅です。2面3線の中規模駅ですが、3番線は現在は使われておらず、実質2面2線の交換駅の様な感じです。
そんな能登中島駅の駅舎の脇に、小綺麗なブルーの車体がポツンと置いてあります。これこそ、今回ご紹介する、日本国有鉄道オユ10形オユ10 2565です。



オユ10形と言われても、ピンと来ない方は多いかもしれません。それもそのはず、このオユ10形は「郵便車」と呼ばれる車両であり、かつて国鉄が郵便輸送を行っていたことを今に伝える、貴重な個体です。
形式名からも分かる通り、オユ10形は10系客車のグループに属し、1957年より製造されたものの内の1両となっています。もっとも、郵便輸送自体が30年前に無くなっていますので、私も詳しいことはさっぱり。。。



側面にはお馴染みの郵便マークが描かれており、専用車であることがひと目で分かる様になっています。鉄道車両に郵便マークだなんて、なんだか面白いですね。

〈物件データ〉
設置場所:石川県七尾市 のと鉄道七尾線能登中島駅構内
公開時間:通年(車内は平日の9時~15時)

撮影データ:2016年6月11日10時半頃


大井川鉄道6010系モハ6011、クハ6061/道の駅山中温泉ゆけむり健康村

2016-08-06 | 石川県
引き続き、北陸遠征で訪れた保存車両をご紹介します。



福井県との県境を目前に控えた、加賀市の山間。温泉地の少し外れに位置する「道の駅山中温泉ゆけむり健康村」の片隅に、ひっそりと置かれた銀色の車両…大井川鉄道で活躍した、6010系「しらさぎ号」です。



この6010系、大井川鉄道で活躍した、と前述しましたが、何故静岡から遠く離れた石川の地で保存されているかと言うと、実はこの車両、北陸鉄道が製造したものなんです。

1963年に、6000系6001Fの増備車として登場した当編成。旧型車から機器を流用したため、6000系と同じ鋼製車体だと重すぎると判断され、日本で2番目となるアルミ車体が採用されました。
登場後は現在は廃止となった加南線で山中温泉への行楽輸送に従事しましたが、1971年に同線が廃止となったため、大井川鉄道へと譲渡され、1990年代後半まで活躍しました。

廃車後しばらくは千頭駅構内に留置されていましたが、2005年に山中町が保存を申し出たため、里帰りが実現。以降現在に至るまで、縁の地で余生を過ごしています。



山中温泉へと鉄路が伸びていたことを無言で伝える6010系。ゆったりと温泉に浸かりにくるついでに、ぶらりと会いに行ってみては。

〈物件データ〉
設置場所:石川県加賀市 道の駅山中温泉ゆけむり健康村内
公開時間:9時~18時

撮影データ:2016年6月11日19時頃