あの車両を訪ねて

全国の保存・放置車両を訪ねています。

【消滅】東急デハ6201/土浦市某所

2019-04-25 | 消滅した保存・放置車両


1年と少しぶりに、消滅した物件を紹介したいと思います。



2016年夏、鹿島鉄道の保存車両巡り(その内記事にします)をした後に寄った、土浦市の東急デハ6201。キッチングッズ等を扱う会社の敷地内で倉庫となっており、夏の厳しい日差しを受けながら、その車体はそこにありました。



東急(旧)6000系は、東急が1960年から製造した形式です。当時東急では、子会社である東急車輛製造にてオールステンレス製車体の5200系を完成させましたが、5000系由来の旧型機器ではなく、機器類も最新鋭の機構を取り入れた車両を新製することとなり、登場したのが6000系でした。

機器の比較をするためにまずA、B編成4連2本が製造され、後にその結果を反映させた量産型のC編成が4連3本登場しました。合計20両の陣容となった6000系ですが、その後は7000系に移行したため、小所帯のまま1989年に全車が引退しています。ですが、その間にVVVFインバータの試験車になったりと、話題に尽きなかったそうです。

廃車後、B編成の4両が車体のみながら茨城県にあるホームセンターを通じて民間に払い下げられ、様々な用途に使われました。ですが、徐々にその数を減らし、私が訪問した際にはデハ6201だけが残されていました。



先頭車2両の内、デハ6202は近づくことのできない場所に設置されていた様なので、先頭部をしっかり記録できるこの物件は貴重な存在でした。ですが、昨年春頃にとうとう撤去されてしまった様です。

なかなか味のある物件だったので、残念ですね。

〈物件データ〉
設置場所:土浦市某所
撤去時期:2018年春頃(詳しくは不明)

撮影データ:2016年7月31日17時頃



京急デハ812-6、西武クハ2098、東急デハ7702/藤久ビル東5号館

2019-04-09 | 東京都


都内有数の繁華街である豊島区池袋。そんな池袋駅の東口から程近い街中の一等地のビルの中に、突如カラフルな車両が現れるシュールな光景が2017年に誕生しました。



池袋駅東口から歩いて5分程の所にある「藤久ビル東5号館」。都内最大級の文具専門店である丸善池袋店がテナントとして入っているこのビルの1階にあるカフェ「ほんのひととき」の客席を囲むように、3両分のカットモデルが配置されています。

外から見える目立つ位置には、京急800形デハ812-6と西武2000系クハ2098が並んで設置されています。デハ812-6は2015年12月、クハ2098は2016年9月にそれぞれ廃車となり、その後こちらに設置されました。

店内に入ると、更にもう1両のカットモデルが出迎えてくれます。



2015年12月に廃車となりこちらに来た東急7700系デハ7702の前頭部。

カフェ「ほんのひととき」は、正直に言えば至って普通な、オシャレ感漂うカフェです。客席ではコーヒーを片手に談笑するご婦人方や勉強する学生、打ち合わせをする会社員等々思い思いの時間を過ごす方々がいる中、カットモデルだけがある意味で異様な雰囲気でそこに在りました。



デハ812-6とクハ2098は店内から裏側を見ることができます。切断面が非常に綺麗に処理され、銘板類が移設されています。また、車両に関する情報が詳細に書かれた看板も設置されており、いわゆる“客寄せパンダ”
的な意味合いだけで設置された訳では無いんだろうな、と感じました。

ちょっと一人だと入りづらいですが、お近くを通りがかった際は是非訪れてみては。

ちなみに、お店にお邪魔する際は商品をオーダーする、撮影する際はお店の方に一声掛けることはお忘れなく(すんなり許可を頂ける筈です)。

〈物件データ〉
設置場所:東京都豊島区 藤久ビル東5号館内
公開時間:外観は随時、カフェは10時~22時で営業

撮影データ:2018年5月15日17時頃