1年と少しぶりに、消滅した物件を紹介したいと思います。
2016年夏、鹿島鉄道の保存車両巡り(その内記事にします)をした後に寄った、土浦市の東急デハ6201。キッチングッズ等を扱う会社の敷地内で倉庫となっており、夏の厳しい日差しを受けながら、その車体はそこにありました。
東急(旧)6000系は、東急が1960年から製造した形式です。当時東急では、子会社である東急車輛製造にてオールステンレス製車体の5200系を完成させましたが、5000系由来の旧型機器ではなく、機器類も最新鋭の機構を取り入れた車両を新製することとなり、登場したのが6000系でした。
機器の比較をするためにまずA、B編成4連2本が製造され、後にその結果を反映させた量産型のC編成が4連3本登場しました。合計20両の陣容となった6000系ですが、その後は7000系に移行したため、小所帯のまま1989年に全車が引退しています。ですが、その間にVVVFインバータの試験車になったりと、話題に尽きなかったそうです。
廃車後、B編成の4両が車体のみながら茨城県にあるホームセンターを通じて民間に払い下げられ、様々な用途に使われました。ですが、徐々にその数を減らし、私が訪問した際にはデハ6201だけが残されていました。
先頭車2両の内、デハ6202は近づくことのできない場所に設置されていた様なので、先頭部をしっかり記録できるこの物件は貴重な存在でした。ですが、昨年春頃にとうとう撤去されてしまった様です。
なかなか味のある物件だったので、残念ですね。
〈物件データ〉
設置場所:土浦市某所
撤去時期:2018年春頃(詳しくは不明)
撮影データ:2016年7月31日17時頃