あの車両を訪ねて

全国の保存・放置車両を訪ねています。

蒲原鉄道モハ1、モハ61、ED1/冬鳥越スキーガーデン

2018-05-12 | 新潟県


磐越西線五泉駅から村松駅を結んでいたものの、1999年に全線が廃止された蒲原鉄道。同線で活躍していた車両は、現在も県内の沿線各地で保存されています。
今回から数記事にかけて、そんな蒲原鉄道で活躍した保存車両たちをご紹介します。

まずは、冬鳥越スキーガーデンで保存されている車両たちから紹介していきます。



冬鳥越スキーガーデンは、加茂市が運営しているスキー場です。冬季以外は多くの花々に彩られ、地域住民の憩いの場となっています。
そんな同園、以前は蒲原鉄道直営のスキー場でした。蒲原鉄道線はこのスキー場の目の前を通過していたため、アクセス駅として冬鳥越駅が開業しています(現在の駐車場付近に駅があったらしい)。



ここで保存されている3両は、保存時に設置された線路上に縦列で並べられており、特にモハ1とモハ61は連結した状態で展示されています。
モハ1は、1923年の蒲原鉄道開業時に導入された車両です。元はデ1形デ2として製造されましたが、その後モハ1形モハ1と改番され、1954年まで活躍しました。



廃車後は職員詰所として村松駅構内に車体のみが残存していましたが、廃止後に台車や屋根上機器が復元され、こちらで保存されました。車内にも立ち入ることができ、レトロな雰囲気を楽しむことができます。



モハ1の後ろに控えているのはモハ61です。
モハ61は、モハ1とは逆に、路線廃止時まで活躍した車両の内の1両です。元は西武クハ1232と呼ばれる車両で、西武所沢工場にて電動車化及び両運転台化改造を受け、蒲原鉄道へやってきました。
車体長が蒲原鉄道線では最大であったため、ラッシュ時を中心に重宝された他、西武時代の面影を色濃く残していたことから、人気の高い車両だったそうです。



またなにより、この車両は西武時代の塗装(現在の黄色系塗装から数えて二代前の塗装)のまま入線し、その後この塗装は蒲原鉄道の標準色となったのは特筆に値します(言われるまで気づきませんでした…汗)。
車内は綺麗に残されており、ピンク系のモケットが印象的ですね。



そして少し離れた所には、ED1形が保存されています。
ED1形は、蒲原鉄道に存在した唯一の電気機関車でした。製造は1930年とかなりの古典機ですが、こちらも1999年の路線廃止時まで在籍していました。



こちらの車両も車内が公開されています。とはいえ、おおよそ機関車とは思えないスッキリとした様子…主要機器は前後のボンネットに大方収まっている様ですね。
撮影中も地域の方々が入れ替わり立ち替わり訪れており、廃止から30年超が経っても愛されているのだなあ言う印象を受ける物件でした。

〈物件データ〉
設置場所:新潟県加茂市 冬鳥越スキーガーデン内
公開時間:8時半~17時(スキーガーデンの営業時間です。訪れる際は要確認のこと)

撮影データ:2017年9月23日15時半頃




日本国有鉄道D51 469、阪堺電気軌道モ130/浜寺公園

2018-05-02 | 大阪府


大阪の繁華街、難波から南海線に30分ほど揺られると到着する駅、浜寺公園。ついこの間まで1907年に建てられた立派な駅舎が使われていたのは有名な話です。
そんな浜寺公園駅の目の前に広がるのが、大阪府の都市公園に指定されている、その名の通りの浜寺公園です。
この公園は非常に広大なのですが、公園の南西に位置する交通公園(駅からは1キロ以上…)には、2両の保存車があります。

交通公園に入り、豆汽車とゴーカートを跨ぐ橋を渡ると、一角にある実車の展示コーナー。
向かって左側には、お馴染みデゴイチが鎮座しています。



こちらの469号機は最終配置が紀伊田辺機関区であるため、この地域にも縁の深い車両です。非常に美しい状態で保存されていました。



そして隣には、阪堺電気軌道モ121形モ130です。元は南海電気鉄道が製造した車両でしたが、阪堺電気軌道が設立された際に南海より譲渡されました。
塗装は何度か変更されている様ですが、現在は南海時代の塗装となっています。昨年始め頃に再塗装された様で、綺麗な状態なのが嬉しいですね。



車内は改装されており、プレイスペースとなっています。撮影中もちらほらと車内で遊ぶ子どもの姿を見ることができ、心がほんわかとしました。笑
ちょっと一人では行きづらい感じもしますが、のんびりと車両たちを記録することができました。

〈物件データ〉
設置場所:大阪府堺市 浜寺公園内
公開時間:9時~17時(火曜日定休)

撮影データ:2018年2月24日14時頃