3年 岩田 翠
私が家から駅に向かう途中、必ず通る場所がある。我が家ではその場所を「竹やぶの階段」と呼ぶ。名前の通り竹やぶの中にある階段で、コンクリートなど一切ない地面がむき出しの階段である。最近は薄暗い竹やぶの階段にも春が訪れ、ナガミヒナゲシやホトケノザ、オオイヌノフグリが咲き始めた。タケノコもひょっこり顔を出しては、近所のおじいちゃん、おばあちゃんに収穫される。
竹やぶの階段にはさまざまな生き物が顔を覗かせる。ヘビやトカゲにチョウやトンボ、タヌキやハクビシンも時々姿を現わす。日が昇るとハトやムクドリ、セキレイもどこからともなくやってくる。近所のネコたちは優雅に散歩を楽しんでいる。
このように竹やぶの階段にはたくさんの生き物たちがそれぞれの時間を過ごしている。毎日のように生き物たちと顔を合わせる中で、竹やぶの階段で出会った生き物たちの物語をひとつ紹介したいと思う。
ある日の夕方、いつも通り竹やぶの階段を通ると1匹のヘビと遭遇した。始めはあまりにも細く、木の色にそっくりだったため小枝かと思ったが、よく見ると少し動いている。さらによく見てみると顔があった。体長50㎝~60㎝ほどの小さなヘビである。私が驚いて「わっ」と声をあげるとヘビはこちらを見て動かなくなった。私はさらに驚き、そして見られたことにより恐怖を感じ固まってしまった。まさに「ヘビに睨まれたカエル」ならぬ「ヘビに睨まれたヒト」。小さいとはいえ相手はヘビだ。その時は本当に怖かったことを今でも覚えている。30秒ほど睨み合っていただろうか。私は「はっ」と我に返り、再び歩き始めた。ヘビの方はというとまだ固まっている。ヘビの方も驚いたらしい。ヘビとの不思議なひとときであった。
私が家から駅に向かう途中、必ず通る場所がある。我が家ではその場所を「竹やぶの階段」と呼ぶ。名前の通り竹やぶの中にある階段で、コンクリートなど一切ない地面がむき出しの階段である。最近は薄暗い竹やぶの階段にも春が訪れ、ナガミヒナゲシやホトケノザ、オオイヌノフグリが咲き始めた。タケノコもひょっこり顔を出しては、近所のおじいちゃん、おばあちゃんに収穫される。
竹やぶの階段にはさまざまな生き物が顔を覗かせる。ヘビやトカゲにチョウやトンボ、タヌキやハクビシンも時々姿を現わす。日が昇るとハトやムクドリ、セキレイもどこからともなくやってくる。近所のネコたちは優雅に散歩を楽しんでいる。
このように竹やぶの階段にはたくさんの生き物たちがそれぞれの時間を過ごしている。毎日のように生き物たちと顔を合わせる中で、竹やぶの階段で出会った生き物たちの物語をひとつ紹介したいと思う。
ある日の夕方、いつも通り竹やぶの階段を通ると1匹のヘビと遭遇した。始めはあまりにも細く、木の色にそっくりだったため小枝かと思ったが、よく見ると少し動いている。さらによく見てみると顔があった。体長50㎝~60㎝ほどの小さなヘビである。私が驚いて「わっ」と声をあげるとヘビはこちらを見て動かなくなった。私はさらに驚き、そして見られたことにより恐怖を感じ固まってしまった。まさに「ヘビに睨まれたカエル」ならぬ「ヘビに睨まれたヒト」。小さいとはいえ相手はヘビだ。その時は本当に怖かったことを今でも覚えている。30秒ほど睨み合っていただろうか。私は「はっ」と我に返り、再び歩き始めた。ヘビの方はというとまだ固まっている。ヘビの方も驚いたらしい。ヘビとの不思議なひとときであった。