キキリ・キキリ・キキリ

-北海道の昆蟲と自然-

北海道の昆虫の写真を中心に、身近な生き物や自然を紹介しています。

カラフトヒメヒョウタンゴミムシ

2009年03月29日 | オサムシ科

カラフトヒメヒョウタンゴミムシ[Clivina fossor sachalinica]
撮影 2008.6.24 日高支庁


10月からほとんど更新してこなかったが、
それでも毎日、アクセスしてくれる方がいる。
大変嬉しい。

3月もあと僅かで、もうすぐ新年度。
来期、これを狙ってみたいなどと考えるヒマもなく、
半年が過ぎてしまった…。

この忙しさはもう暫く続きそう。
だけど、これからも北海道の面白い虫、珍しい虫、
誰も撮らない虫を狙っていきたい。

そのためにはETCを早く取り付けないと…。
先週、お店に行ったら600台予約待ちだってさ








エゾアカガネオサムシ

2008年09月01日 | オサムシ科

エゾアカガネオサムシ[Carabus granulatus yezoensis]
2008.8.31 江別市


東日本に生息するアカガネオサムシの北海道亜種。

北海道では普通に見られるオサムシだ。

河川周辺から森林、耕作地など生息環境は幅広い。

餌は成虫・幼虫ともにガの幼虫やミミズなど。

時に餌を求めて木に登ることもある。

背面が暗い緑銅色を帯びる個体が多い。



これからは身近な虫、または、あまり注目されない昆虫の掲載が多くなると思います。

カミキリが見られなくなって寂しいですが、これからもよろしくお願いします


ヒメハンミョウモドキ

2008年07月19日 | オサムシ科




ヒメハンミョウモドキ[Elaphrus comatus]
2008.7.5


昨日紹介したエゾよりも一回り小さい。7㎜前後といった感じだろうか。
国内では北海道にのみ分布し、湿地や川沿いの砂泥地に生息する。
エゾと混生していたが、コケが生えない場所を歩く。

色々調べてみると、2枚目の赤いタイプは稀との事。
今回、沢山見られたうち適当に6頭お持ち帰りしたが、
3頭が1枚目の普通色(褐色タイプ)、2頭が赤、1頭が緑であった。
他にも赤タイプは見た気がする。

赤が珍しくない地域もあるのだろうか?


エゾハンミョウモドキ

2008年07月18日 | オサムシ科




エゾハンミョウモドキ[Elaphrus sibiricus]
2008.7.5


国内では北海道と礼文島にのみ分布する。
9㎜弱で国内産のハンモドの中では大型の種。

河川敷の泥ぽい環境のミズゴケが生えているような箇所で、たえずうろちょろしていた。
ここまで緑色のハンモドは見たことが無かったので、自宅で調べるとエゾとの事。

格好良いかも?・・・というか絶対格好良い


オサムシの正体は・・・

2008年06月05日 | オサムシ科
昨晩、札幌に戻って来ました。
太平洋側の地域に行っていたので、海霧の影響で日中でも気温は15℃以下だったのですが、札幌に戻って来てビックリ!
こちらの気温は20℃以上あり、その差は約10℃。すっかり初夏の様相。
いよいよ本格的な採集シーズンの到来ですね!



さて、オサムシクイズについてですが、正解を少しずつ明かしていきたいと思います。

まずは採集地がこちらのエリアになります。



北海道のほぼ中央に分布し、オオルリオサムシの亜種の中でも分布域が非常に狭い。
このヒントで、道内のオサムシファンなら、種名が出てくるはず・・・。
もう一つのヒントは、「文句なしに小さい!」です。
これで判りましたか?




5月10日、karataka君と一緒にトラップを設置。2週間後の24日にトラップ回収。
設置期間は2週間とりましたが、前半は異常低温、その後は大雨にも見舞われ、
回収前はボーズも覚悟しました。
実際は数箇所に分散させて設置したトラップ地点全てで採集でき、
2人で2等分して満足できる数が得られました。
また、前半の異常低温のお陰?で、腐敗したものは少なく、
完品で得られたものが多かったです。

そろそろ、名前を発表しましょう





正解は・・・ヒメオオルリオサムシ[Acoptolabrus gehinii manoianus]でした。


とりあえず、多彩なカラーバリエーションをお楽しみ下さい。







道外の虫屋さんの憧れの的であるオオルリオサムシ。
道内各地で亜種分けされていますが、本亜種は名の通りにホントに小さなオオルリでした。
下に標準的な大きさの苫小牧産オオルリオサムシと比べてみました。





上段:ヒメオオルリオサムシ(南富良野産)
下段:オオルリオサムシ(苫小牧産)
(両段とも左から♂♂♂♂♀)


こうやって見ると、ヒメオオルリの体の小ささは際立っております。
しかも、ヒメオオルリの雌が苫小牧の雄よりも小さいなんて・・・。
苫小牧産に負けず劣らずの多彩なカラーリングはより個性を引き立てています。


昨年、とある方の標本箱を見せて貰った時に、今年度のオサの目標がコレに決まりました。図鑑等でもなかなかお目にかかれないオサ。
これは私のページで取り上げるしかないと思いました。
初挑戦にも関らずボーズじゃなかったのはラッキーでした。
コップに落ちていたオサを初めて見て出た言葉が「キレイ!」ではなく、
「小さい!」でした。これは新たな感動です。



左側♂(左:苫小牧、右:南富良野) 右側♀(左:苫小牧、右:南富良野)

特に、ここに示した左から2番目の雄は採集した個体の中で最も小さかったものです。
アイヌキンの小型の雄と同じ感じの大きさです。
実測は左から(32㎜、23㎜、36㎜、29㎜)。


ヒメオオルリオサムシは何故小さいのか?

ある報告によると、幼虫時代が2齢で終わるそうです。
ヒメオオルリと分布を接しているアラメオオルリも2齢で終齢との事。
オシマルリや札幌近郊のオオルリは3齢が終齢なのに・・・不思議です。


ヒメオオルリの分布域は空知川と沙流川に挟まれたエリアで、
東限が狩勝峠~日勝峠ライン、西限が幾寅~日高町ラインになるそうです。
このエリアの南部にはアラメオオルリオサムシ、
西部には原亜種の富良野型の分布エリアといわれています。
北部と東部はキタオオルリオサムシへの移行帯です。


るどるふ様、林原様、具体的に産地でお答え頂きましてありがとうございました。
下にオビラルリオサとシャコタンルリオサの写真も掲載しましたので、じっくり比較してみて下さい。


上段:左(富良野型-芦別産)、右(アラメオオルリ-静内産)
下段:左(シャコタンオオルリ-積丹半島産)、右(オビラルリオサムシ-島牧村大平山)


なお、ヒメオオルリオサムシは6月が旬かと思いますが、
採集にあたっては十分にヒグマにお気をつけ下さい。
トラップ設置時に2回、ヒグマに警戒鳴きされ、ポイント変更を余儀なくされました。
回収時も1回、やや近くで鳴き声を聞きました。
一人の入林は危険な地域です。念のためお伝えいたします