大道具さーん ちょっとー!

舞台美術製作 金井大道具㈱ごきげん営業阿部 ここに日々の業務を垣間見る。お気楽に「大道具さーん、ちょっとー!」

3/26 オペラ座 de バレエ鑑賞

2007年03月27日 | 歌舞伎 海外公演
今日はKABUKI公演はお休み。
エリックに「バレエ公演を観たいんだけど」というと「ウィ」と二つ返事。

本格的なバレエ公演を鑑賞するのは初体験だと思います。
しかも、パリのオペラガルニエで。
お客さんは超満員。補助椅子で鑑賞させてもらいました。

バレエ公演の感想。
一、昨日はこの同じ舞台でKABUKIをやっていたとは思えない。
一、男性客が多い。(女性と半々か、もしかしたら多いかもしれない)
一、若い観客が多い。
一、舞台の5%傾斜が効果的。ダンサーの足元までよく見える。
一、台詞が一言もないの?!(幕開きに歌はあった)
一、大道具はいたって簡素だ。いくつかの置き道具と吊物。
一、その分照明が凝っていた。色は少ないけど、前から後ろからヨコから上から下から、いろんなところから当てていた。
一、女性ダンサーが上半身裸で踊るシーンがあった。リアスクリーンの前でシルエットになっているんだけど。(結構こういう演出は使われているらしい)
一、ダンサーは皆スタイルがよい。太った人や小さい人はいない。
一、カーテンコールは幕を使わずに、照明のON/OFFでやっていた。玉三郎さんの舞踊公演でやっていますね。

一、タイトルや内容はよくわからないまま観ておりました。チラシを読んでもわからん。でも音楽と踊りなので二時間の公演(50分+20分幕間+50分)はあっという間に終わった感じです。



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3/25 オペラ座 de 二回目

2007年03月26日 | 歌舞伎 海外公演
今日は日曜日。
14:30 マチネでオペラ座歌舞伎の二回目の公演。
今日の「勧進帳」は海老蔵の弁慶。団十郎の富樫。と、配役が日ごとに入れ替わります。
最後の六方も、団十郎さんは上手から御幕に向かって引っ込みますが、海老蔵さんは正面から客席に降りてそのまま客席通路を引っ込みます。

18:00 無事に終了。
例によりオケピ部分を撤去。
19:00 撤去終了。

舞台には別の大道具チームが現れリノリウムを敷き始めます。
20:30から “日曜コンサート”が始まります。
明日は“KABUKI”はお休みで、夜に“バレエ”があります。
伝統あるオペラ座の舞台はフル回転でプログラムが組まれてあります。


ホワイエにて記念撮影。全員無事に揃っております。

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3/23 オペラ座 de 初日

2007年03月24日 | 歌舞伎 海外公演
本日「パリ・オペラ座大歌舞伎公演」の初日を迎える。
昨年五月頃から具体的な準備が始まり、
八月の模型作り。
大道具製作。
十二月から一月にかけて東京、大阪での連続道具調べ。
この公演が実現するために何人の方のお世話になったことか。
この場を借りてお礼申し上げます。
ありがとうございました。

NHKの収録も無事に済んだそうです。
25日にはハイビジョンで(ん?日本ではもう今日か)
4月にはBSと教育テレビで放映されるそうです。
舞台の様子はそちらをご覧ください。


オペラ座定式幕
間口10間 高さ40尺
客席の空調にもあおられて、引くのはかなりしんどいです。
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3/22 オペラ座 de 公開舞台稽古

2007年03月23日 | 歌舞伎 海外公演
8:00仕込開始。
15:00「紅葉狩」照明合せ。
19:30公開ゲネプロ
 公開したのは「勧進帳」のみ。
 その後「口上」「紅葉狩」と一通り舞台稽古。

大道具は大きなダメ出しはなし。問題は舞台転換だが、だんだん早くなっている。

今日はオケピのバラシはなし。
稽古終了後、大道具さんの部屋でちょっと一杯やる


舞台から客席を眺めるの図

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3/21 午後の休暇

2007年03月22日 | 歌舞伎 海外公演
午後はOFFになったので、
3年前「海老蔵襲名公演」が行われた“シャイヨー宮劇場”へ。
当時の舞台監督のジャン・ルイにアポを取ってもらったら、
「覚えていてくれたのか!是非あいたい!」と感激してくれたらしく、訪ねることに。

劇場に着いて驚いたのは、当時のKABUKIのポスターが劇場の看板として使われていた。
三つ並んでいる看板の一番右側。
海老蔵さんの“にらみ”。

ジャン・ルイはとても元気そう。ニコニコと昔を懐かしがってくれる。
「あの歌舞伎公演はとても印象的だった。皆が日本に帰った後もしばらくはKABUKIの余韻がずっと残っていたんだよ。」というようなことを言っていた。
ロビーからエッフェル塔を眺め、「ここで写真を撮ったね」
舞台で書き残した落書きを見つけ、「これはアイツが書いたんだね」
と、いろいろと思い出しながら館内を観て廻る。
大道具の搬入口から外へ出てジャン・ルイにサヨウナラを言おうとしたところで、大道具のフィリップが丁度出勤してきた。
「なんで君たちがここにいるんだ!?」とびっくり仰天。
アンシャントロカデロで一杯やることに。


懐かしの“アンシャントロカデロ”
終演後、毎日通ったカフェ。

「フィリップ、仕事に行かなくていいのか?」
「かまうもんか。」
昔の懐かしい話題や、近況などを話す。


この日のフィリップは仕事に一時間ほど遅刻しているはずです。



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3/21 オペラ座 de KABUKI撤去

2007年03月22日 | 歌舞伎 海外公演
昨日、24時で舞台稽古が終了しました。
今日はオペラ座ではバレエ公演の本番があります。
その為KABUKIのセットは一旦撤去しなければなりません。
特にオケピ部分の撤去が厄介です。
8:00 舞台に集合してばらし作業開始。
二時間ほどで終了。


これがオケピ部分。
下段、中段、上段と三段の階段舞台になっています。
中段の真ん中に防火シャッターが下りてきます。


防火シャッターが下りてくるところ。
取り外しが出来るようになっています。
オペラ座大道具さんがカンナで微調整しています。


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3/20 オペラ座 de 舞台稽古

2007年03月21日 | 歌舞伎 海外公演
8:00 ラジオ体操で一日の始まり。
前日のバレエ公演から、本日のKABUKI公演へ飾り替え。
今回はオーケストラピットを埋めて、“仮想花道”を作ります。
バレエ公演のときはオケピをオケピとして使いますので、
KABUKIは毎日“仮想花道”を仕込まなければなりません。

手順としては、
舞台框から舞台前部分をフカシ台で埋める。(5%傾斜のため舞台前部分は6寸ほどひくくなっている!)
その中で防火シャッターが降りてくる部分をいつでも取り外せるようにしておく。
オケピ部分をせり上げして、ここもフカシ台を入れる。
その上に日本から持込の檜の板を張る。
ケコミ部分に黒布を張る。
フットライトを置く。
化粧框を置く。
ざっとこんな感じですが、この作業がなければどんなにいいことか!
特に防火シャッター部分は気を使います。
パリの劇場は毎日客入れの前に消防検査があります。
検査を通らないと客を入れることが出来ません。
防火シャッター部分は取り外しやすく、尚且つがっちりとしたもの(この上での演技が多い)が要求されます。
上演中に防火シャッターが下りてくるようなことはあってはならないのですが、この矛盾を解決するのが頭を悩ませるところです。

午後はテクニカルリハーサルをやり、舞台稽古に備えます。
本番付のオペラ座の大道具さんも今日から勢ぞろい。
照明、小道具も一緒に「勧進帳」「口上」「紅葉狩」の道具転換を稽古。


19:30舞台稽古開始。
「勧進帳」「口上」「紅葉狩」
劇場の芸術監督もみえて、時折アドバイスを送っていました。
23:45舞台稽古終了。
この劇場は24時には退館しなければいけない規則があるので、「紅葉狩」は途中省略しながらになってしまいました。
24:00全作業終了。

お疲れ様でした。アドマン。
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3/19 休日 de パリ

2007年03月20日 | 歌舞伎 海外公演
今日はバレエ公演のために舞台を空けなければいけないので舞台上の仕事はOFF。
昨日到着した本隊は楽屋作りなどを。

午前中はのんびりと自室で過ごす。
12:00 ガイドさんがスタッフを観光案内してくださるというので参加する。
まずは地下鉄に乗ってルーブルへ。
サモトラケのニケ、ミロのビーナス、モナリザ、瀕死の奴隷(ミケランジェロ)などを鑑賞する。
ガイド(タマちゃん:女性)の独自のコメントを交えた面白い解説と的確なポジショニングで快適に鑑賞できる。
美術館はガイドさんがいたほうが面白いし楽ですね。

その後、バスに乗ってノートルダム寺院へ。
着工から完成まで100年以上かかったという石の聖堂。
鉄筋など入っていないため地震が来ると崩れるらしい。
パリは地震がまったく無いんですと!。
本当でしょうか。日本人には信じられません。
螺旋階段を一番上の階までノボル。
パリ市内が一望できます。

寒さの上に強風、小雨。カメラを持つ手が震える。
螺旋階段を下りていき、カフェに入って暖かい珈琲を一杯。

ここで観光はおしまい。バスでオペラ座まで帰り解散。
スーパーで買い物をして夕食の準備。
夜は何人かの持ち寄りでカレーライスと焼き魚
明日は舞台稽古です。

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3/18 オペラ座 de 歌舞伎の道具調べ2

2007年03月19日 | 歌舞伎 海外公演
今朝もはよからご出勤です。
7時40分にホテルのロビーに集合して、劇場へ歩いていく。
体調崩すものもなく、なにより。
午前中は前日の直し作業の続き。
「勧進帳」の道具を飾って昼食、一時間。

オペラ座は観光地でもあるわけですが、
入場料を払って、ロビーや客席に入ることが出来ます。
昼食後一般客に混じってロビーを“観光”する。
二階の客席バルコニーからは舞台を観ることも出来る。
「あら、ステージに何かのセットが飾ってあるわ。」
「なにかしらね。」
「あれはKABUKIのセットよ。」
「美しいわねー」
と、世界中からの観光客さんが申しておりました。

午後二時から“照明合せ”開始。
成田屋さんもお着きになりいろいろと照明や大道具に注文が来ます。
この間も二階のバルコニーは開放されています。
さらに、一階客席には社会見学のようなご一行が入ってきて、オペラ座内部の説明などをガイドから聞いています。
“公開道具調べ”
文化に対する接し方が日本とは大違いですね。
(これは美術館にいっても感じますが)

「勧進帳」「口上」「紅葉狩」と一通り“一般公開”した後、
18:00、照明合せ終了。
そこから一時間、夕食休憩をとり、
19:00から直し作業。(今日の直しは大学ノート1ページ分)
明日のバレエ公演のために舞台を片付けて、
23:30 終了。

アー疲れた。明日は待ちに待った休日です。
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3/17 オペラ座 de 歌舞伎の道具調べ

2007年03月18日 | 歌舞伎 海外公演
朝八時のラジオ体操。
オペラ座の大道具さんもだんだん覚えてきたようだ。

昼食後、十四時から道具調べが行われました。
「勧進帳」「口上」「紅葉狩」の道具を順番に飾る。
団十郎さん、海老蔵さん 他、関係者多数来る。
今日は照明はまだ出来ておらず、大道具だけを一通り見てもらう。
十七時、道具調べ終了。
ダメ直しや変更が大学ノートに二ページ分。

オペラ座大道具さんは歌舞伎の道具を飾るのは初めてだが、
何とかついてこられていたようだ。
が、
本番メンバーは変わってしまうということ。
チーフのエリックが頼りです。

フランスでは労働時間は週に35時間と決められています。
今日も8:00-16:00の班と、
14:00-24:00の班との二交代制です。

道具調べ終了後、休憩をとり
19:00からダメ直し作業に取り掛かる。
が、ここでチーフのエリックも交代してしまった。
エリックがいなくなり少し不安になる。(ちなみにエリックは管理職なので労働時間の制限はないらしい)
“夜の部”の大道具さんは議論好きの人が多いようだ。
「こういう風にして欲しい」
というと、
半数はこうやればいい。半数はああやればいい。
といって議論が始まる。
結構頑固者が多いらしく、なかなか手が進まない。
おいエリック、帰るな。
君がいないとまとまらないよ(笑)


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