消費税率を10%に引き上げる際の負担軽減策をめぐる財務省原案が、自民、公明両党内に波紋を広げている。特に、公明党は生活必需品の税率を低く抑える「軽減税率」導入を強く主張してきただけに、「国民に説明がつかない」と反発している。自公両党は昨年12月の衆院選で、軽減税率導入をそれぞれ政権公約に盛り込んだ。特に公明党は「いまこそ、軽減税率実現へ。」と選挙ポスターに明記し、軽減税率を前面に掲げて選挙戦を戦った。今回の原案は、財務省と与党のごく一部の幹部だけで調整が進められ、多くの与党議員には「寝耳に水」(自民党中堅)だった。公明党幹部は「財務省案の説明は受けていない」とした上で、「一度、10%で払うのでは『痛税感』の緩和にならない」と語った。財務省原案はいったん飲食料品に10%課税し、のちに税率2%相当分を給付するため、負担と給付に時間差が生じる。