第43代紫組要領次第

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ペリクリーズ

2005-03-28 16:50:37 | 演劇
カレンダーを見てみると毎月一回は観劇に赴いていることに気付く。
別に「毎月一回は芸術に触れて心に潤いを!」なんて大袈裟なことを考えてるわけではなくて、観たい劇のチケットをとっていたら自然とそうなっていた。

どの劇を観に行くかを決める基準はひとつ。
蜷川幸雄さんが演出していること。
蜷川さんは、最近大忙しで、毎月一本ぐらいの勢いで、劇を作っている。
かれこれ、かなりの作品を観させて頂いた。

その中でも、一番最初に観たもの。これは凄かった。「ペリクリーズ」という作品。
シェイクスピア原作、時は紀元前300年ごろ、つまり大昔。場所はフェニキアとかシリアとか。要するに、地中海の東の方の、世界史で習ったあの辺。
この作品で衝撃を受けたわたくしはそれ以後、ずーっと蜷川さん演出の作品は欠かさず観るようにしているわけ。

舞台の上で生身の人間が劇をしているのだから、その素晴らしさをここで、文字の力で表現することは困難極まりないのだけれど、ほかに書くこともないので、挑戦してみようと思う。

話の内容は、まぁ、なんか悲劇的な目にあった主人公がいて、その後、長く辛い旅にでる。紆余曲折あって、結局ハッピーエンド。という内容。内容についてはここで述べる話の主題ではないからこのぐらいで省略。

衝撃を受けたのはその表現の仕方。

原作・場所ともに西洋でありながら、
役者の服装は武士を髣髴させる日本的な鎧を模したもの。
途中途中で登場する語り手(小説でいうとト書きの部分。市村正親様と白石加代子様がやってた)は琵琶を持っていて、ベンベンしながら不気味な語り口。
その語りの最中は、日本の伝統芸能である、文楽の人形のようなものが出てきたりして。
日本人にしかできない舞台で、それはそれは衝撃を与えてくれたのであった。

船のシーンに入る時は、舞台の上から、帆がバサッと降ってきたりと、
舞台の細かいところまで、気がきいていて、いちいち感動させられたものだった。
しかも全体にメリハリがピシッと利いていて、長い上演時間がすごくあっという間だったの。

その「ペリクリーズ」なる作品はその後、多くの賞を獲得し、海外でも非常に高い評価を得たそうです。こういう作品を通じて始めて演劇に触れることができて、本当によかった。

言いたいことは和洋折衷。
異質なものが接することで、さらに深みを持つ文化が生まれるのではないかと思う。

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