血の付いた手を見て狂ってしまい、
「あぁ、アラビア中の香水を振り掛けても匂いが消えない、」
と のたうちまわったのは、マクベス夫人であると今日知った。
マクベスがのたうち回った時の台詞は、
これも同じく、手に付いた血を見ての台詞だが、
「大海原の水をすべて使えばこの手がきれいになるか。いや、むしろ大海原が朱に染まるだろう」
であった。
前者が第5幕、第1場
後者は第2場、第2場
マクベス→血のついた手を見て狂う→アラビアの香水
という大雑把な理解であったが、今日やっとすっきりした。
井上ひさしさんが書いた天保十二年のシェイクスピアでは
尾瀬の幕兵衛(おぜのまくべえ)が
「水戸の海の水、すべてを持ってしてもこの血の臭いは消えないっ あわあわわっわ」
みたいな台詞だった。
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先日ぼんやりと点けていたNHKでこんな番組を見かけた。
5分間にわたり、水平線に沈む夕日を映し続けるのである。
波の動き、それから、太陽がじわりじわり沈んでいくという地味な動き、がある以外は、
まったく動きが無い。カメラの視点も一度も変わらなかったと記憶している。
画面の左上(かどっかはじっこ)に、「ナミビア」と書いてあったから、あーこれはナミビアの海に沈む夕日だなと分かったが、それがなければ、日本海なのだかまったく分からない、地味な番組であった。なかなか斬新で大変好感が持てた。
今日調べたら、どうやら「山川草木」という帯番組だそうだ。その日は「ナミビア・落日」というタイトルだった模様。
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