第43代紫組要領次第

開成高校第43代紫組要領次第係のホームページ。

オセロー稽古見学

2007-09-22 22:31:48 | 演劇
【導入】
本日、オセローの稽古見学に行ってきました。
稽古というのは、俳優にとっては産みの苦しみの場であり、
また失敗の場でもあり、
要するに恥ずかしいわけで、
イギリスなどでは外部に晒すことはないそうです。ありえないことだそうです。

しかし、我らが蜷川様とさいたま芸術劇場は寛大かつ先鋭的なので、
今までに、その稽古見学を9回もやっているようです。

で、今回わたくしめが行ってきたわけです。30人ぐらいしか参加できない貴重なイベントで、権利が当選したときは嬉しかったのです。
そして、今日行ってきて、ものすごく感動しました!一生の思い出です。

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【レポ】
一番印象に残った稽古のシーンとしては、
イアーゴーがオセロを焚きつけるために言う以下の台詞。
「貞操なんて目に見えないものです。失くした女に限って持ってるような振りをする。しかしハンカチとなると、、、」

ここですよここ。

(書いていて今思ったが、これは見学した自分が感動しただけでそれをいかに熱心に書いてもきっとつまらない自己満的なブログなんだろうなと思うけど、それでも書き続ける)

はじめ高橋さんは、将軍に忠実な旗手の役を演じたんだと思います。
丁寧に、諭すように、「貞操なんて」の部分を演じた。

しかし、蜷川さんは違う解釈を持っていた。
「そこはオセロを挑発する部分なんだから、もっと挑発的に言ってよ」

そこで、高橋さんは
ハッと鼻で笑うような調子で「貞操なんて」と演じなおした。

ちょっと早口すぎる、と蜷川さんの指示で、
次はすこしタメを置いてから「貞操なんて」を演じた。
その後も細かい修正が加わり、一つの演技が完成した。

こういう過程を間近で見れて感動したのよ!!
いつも見ている演劇はいわば完成品。
今日見れたのは、その製造工程。
今後舞台を見るときには、
舞台の製造工程まで想像しようと思う。
いやー今後の楽しみ方が増えた!!!!

ただ、稽古見学という銘ではありますが、稽古しているところを、邪魔しないように、こっそり見るのではなくて、
劇場の運営者から
「今日はこれから稽古見学です。蜷川さん、俳優の皆さん、スタッフの皆さん、よろしくお願いします」みたいな話があったりして、お客様扱いだったです。
十分すぎるほど楽しかったけど、あえて言うならその点がほんの少し残念だった。すずめの涙ほどの残念さですが 笑
実際蜷川さんも、「今日は少し手加減するよ。難しいダメ出しはしない」と宣言していたし。

それにしても俳優さんから蜷川さんに対する反対の意見表明とかがまったくなかったな。
演出家と俳優の関係ってそういう感じなのかな。
それとも、俳優さんたちが、蜷川さんの顔を立てるように、今日はおとなしかったのかな。もっと喧々諤々の、バトル稽古も見てみたかったかも。

【おまけ】
自分は高橋さんの熱烈なファンを自認していますが、なんとその高橋洋さんに会いました!!!
トイレに入って手をじゃぼじゃぼ洗っていたら、用を済ませた男性が隣の蛇口にやってきた。
なんと!高橋様ではないですか!
声にならぬ声を上げてぽかんとした自分に、高橋様は「ウース」と言ってくれました。有名人なので、素人に見つかった時の対応に慣れているんでしょうね。

自分は、何を言っていいか分からなかったので、とりあえず、「こんにちわ」とゴニョゴニョ言いましたが、
「ファンです!」とか「握手してください!」とか「サインください」とか言えませんでした。
だってさ、向こうにとって、自分は超赤の他人なわけで、自分としてはいきなり話しかけるのは不自然だと思ったんですよ。

あーでもせめて握手だけでもしておけばよかったなぁ。

なお、この手洗いは持っていったサンドイッチを食べる前に手を洗いに行ったときのエピソードですが、
食べ終わった後、口をゆすぎに同じトイレに行ったら、トイレのドアを開けた瞬間にまた高橋さんがいまして、驚きました。汗が一気に吹き出まして、とりあえず、そのままドアを閉めて退散しました。
少し時間を置いてから、再び入りましたら、ワイシャツ着たリーマン風の男がいました。

2度も会うなんて、嬉しいけど、なんか待ち伏せしていたストーカーっぽかったかなぁ。悪い印象とともに覚えられていたら嫌だなぁ、とウジウジ考えています。

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さぁ!次は千秋楽だ!前から3列目という素晴らしい席で観劇します。
興奮冷めやらないですが、とりあえず今日の書き込みはこれまで!

第12回要領合宿in軽井沢2日目・3日目

2007-09-19 22:53:41 | 要領合宿
9:30
洪君を軽井沢駅へ見送って、アウトレットモールでブラブラする。10時開店ということですることが無かったので、裏にあったパターゴルフ場で9ホールだけプレイする事にした。当初は翌日やる予定があるのだからここでするのは如何なものか、という反対意見もあったが、暇であったのと翌日十時に圧勝する布石として練習しておくのも悪くあるまい、ということでプレイした。

このときは根は力の加減が分からず、パターゴルフであるにもかかわらず、場外に玉を出す(OB)という珍プレーを出した。対して高橋は常に堅実なプレーを見せて大差をつけて勝利を収めた。内田と根は翌日の大会の勝負の鍵を握るのは高橋であるだろうと確信した。

10:30
アウトレットモールの中にあるレストランで、根と高橋はソフトクリームを食す。内田はなにやら怪しい赤っぽいお茶を飲んでいた。その後何をするべきか話し合った所で答えが出せず、観光案内所で情報を得る事にした。

11:00
観光案内所では浅間山の鬼押出しに行くことを勧められた。レンタカーで旅している事を伝えると、途中の景色の良いレストハウスや浅間山の博物館などへ行くことをやたらと勧められたので、それを実行する事にする。ところでこの日合流するはずの十時が、実験などで到着が遅くなるという事で4時くらいに「車内で聴くCDを持って」合流するように告げた。

12:00
景色の良いレストハウスで昼食を取る。その直後に車で浅間山の博物館に向かう。このとき大きなボロボロの建物が見えたので、そこは博物館なのかと感じたが、そこではなかった。博物館の中では赤い水に泡を浮かべて白いガスで溶岩っぽい物を演出していた。この展示は大変ショボいもので、採算の取れない公共事業の匂いがした。極めつけは巨大な爺さんと妖精?のような人形が変てこな歌を歌っていたモニュメントだろう。正直気持ち悪かった。

13:00
その後、鬼押出しに向かう。前日の夜に世界遺産ベスト30なる番組を見ていたのだが、根が「白糸の滝はブラジルかどっかにある世界遺産の滝と同じようなもんだ」という暴論を述べたのに引き続き、ここでも「鬼押出しは日本でいうキラウェア火山の溶岩跡みたいなもんだね」という論を述べる。

途中で幾つかあったコンクリートの東屋っぽいものが休み所かと思われたが、それが「避難所」であることを知った時に少し恐怖した。移動のさなかに先ほど見たボロボロの廃墟と思わしき建物と、山中にある巨大な観覧車が周りの景色と強い違和感を感じた。観覧車は新興宗教の施設なのではないかという憶測まで生んだ。

15:00
軽井沢市内に戻ってきたので、バーベキューの買出しに向かう。このときミカド珈琲のモカソフトを食す。皆そこまでお腹が減っていたわけではなかったので、3人で1個のソフトを食べる事になった。端から根、高橋、内田の順番に座って根⇒高橋⇒内田⇒高橋⇒根・・・という順番で食べていく事になった。内田はふと「根が全部でn回ソフトを食べたなら、高橋は何回食べた事になるだろうか?」と疑問に思い、2n-1もしくは2n回となるだろう云々という議論をした。こういった一つ一つの下らないけど、真剣な議論が楽しい。

16:00
十時を軽井沢駅で拾って、霧が深い中で山荘へ戻った。バーベキューは何度もやっているだけに卒なく行なわれ、肉に野菜に酒にと大いに楽しむ事が出来た。大食の磯部、岸尾が不参加だったので少なめに買った肉だったが、若干少なかったのが残念だった。またこのたび地獄と呼ばれる焼け焦げた黒塊はあまり発生しなかったが、新たに「hell liquid(地獄水)」と呼ばれる液体に遭遇する事になる。

20:00
飲み足りない、食べたりない、と感じた我々は酒を飲んでいなかった内田の運転で近くのコンビニへ買い出しに行くことに決めた。ところが外は深い霧に真っ暗闇とあって、車を出すのは憚れる状況であった。それにもかかわらず果敢に発車し無事に視界ゼロの世界から帰ってきたときに内田は皆から勇者として崇められる事となる。ところでこのとき案の定CDを持ってき忘れた十時は、生ライブによるBGMの演奏が課せられ、車内は大いに盛り上がった。

26:00
大いに飲んで、歌い、「犬は汚いので触らない方向で~」のメロディーラインとか、ソフトクリームにおけるゲーム理論的考察や、内田の将来のビジョンについてとか、内定先の企業における人間関係、政治の話、などなど様々な議論を行ない尽くした後に就寝。

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11:00
起床。昨日焼こうと思って忘れていた揚げ豆腐をトーストに乗せて食べるという案を高橋が立案し、これが見事にヒット。朝から中々な要領の発揮であった。

12:00
根と十時は山荘のすぐ近くに地図上では川があるということで、それを見に散歩へ出かける。しかし行けども行けども川は見当たらず、引き返す事になった。後で聞いたことには山荘の横にある小さな沢のような奴が求める川であったらしい。よく考えてみれば山の上に大きな川が流れている事を想像する方が間違いだった。

13:30
パターゴルフ大会が催される。前半においてはカップが浮き出ていて、カップがボールをはじき返すという信じ難いコースに悩まされたりする中、昨日の予想通り高橋は堅実なプレイによってトップに立つ。1打目にどんなにラフに打ち込もうとも、次の2打では必ずカップに寄せる事から彼は「復帰の高橋」という称号を得る事になる。

そんな高橋も後半では打てども打てどもカップを通り過ぎるという、「地獄現象」に悩まされるなどしてトップの座を追われる事になる。十時は最下位から「2打目が勝利を決する」という理論をもって、先行プレイを冷静に参照し自らのプレイに生かすなどして猛チャージをかける。

結果は後半からトップとなった根の逃げ切りという形になったが、トップと最下位が2打差という大接戦となった。

16:00
レンタカーを返却して、最後は旧軽井沢を楽しもうという話になる。初日食べた鳥肉の店へ歩いて行き、初日は食べ損なった唐揚げなどを食す。その後土産物屋などに立ち寄りながら駅へ向かう。帰りの新幹線は満員で通路に立つことを余儀なくされた。高橋、内田はそんな中でちゃっかり座ってるところがさすが要領の猛者といえるだろう。

総括
今回の合宿は2回目の遠出であり、初のゲストを迎える形となった。今後も合宿を繰り返して精進していきたいものである。

第12回要領合宿in軽井沢1日目

2007-09-08 10:07:04 | 要領合宿
9:20 
大宮駅に高橋、内田、根集合。

10:50 
軽井沢駅に到着。靄がかかっている天候にがっかりしつつも、初日は美術館めぐりなどインドアな遊びを行なうという意見で一致。まずはレンタカーを借りて旧軽井沢のトリックアート美術館へ向かう。

11:20 
トリックアート美術館において点線の上に沿って歩けば、壁画に描かれてある廊下の向きが変わります・・・などという案内に基づいてやってみるものの、「ふーん、確かにそうかも」とか「まあ、そう見えなくもないね」みたいなシニカルな冷めた反応しか取れなかった。これが延々と続くのかと思うと一抹の不安を感じざるを得なかった。

ところが我々が先客達の先行研究(トリックアートを用いて撮影した写真)を目にしたとき、その意外なまでの完成度の高さにプライドを刺激された。そして素人でもこれくらい出来るのだから10数回も要領合宿を重ねてきた我々なら先行研究を裕に超えられるに違いない、という確固たる自信と湧き上がる闘争心を以って写真撮影に臨んだのだった。

そのときの写真を幾つか・・・
(写真の表示が思うようにいかないので、しばしお待ちを)

13:00
内田の情報により美味い鳥肉を食べさせてくれるという「わかどり」という店に向かう。店内で写真撮影が出来なかったり、追加注文が出来ないなど頑固を通す店であったが、やはりそれに相応しい美味しさがあったと思う。

そして白飯が210円に対して内田が注文した鳥茶漬けは4倍の840円という価格であった。これは茶漬けに入っている鳥肉に(鳥肉の店だけに)630円の価値が付与されているのだろうと予想したのであったが、それは梅茶漬けが840円という事実によって否定される。出し汁そのものに価値があるのか無いのか様々な憶測を生んだものの、我々を混乱させる結果となった。

14:00
1時間当たり400円というぼったくりに近いような駐車場で、間一髪2時間58分のところで駐車場を出る。これは根が車を周回させているうちに、内田、高橋が買い物をするという戦略の賜物であって、要領が如何なく発揮された場面であったのではないだろうか。

14:30
千ヶ滝温泉へ。ナビに載っていない場所であったが、地図とナビを相互に利用しながら目的地へ辿りついた。この頃には天候は晴れ渡っており、アウトドアに切り替えるのも悪くない気がした。

温泉は室内風呂と露天風呂と岩風呂があり、それぞれ大自然の中といった感じで開放感を味わう事が出来た。温泉の中でも議論は絶えず、根は相撲業界のリスクマネジメントの弱さについて相撲に詳しい内田に質問し、角界の伝統の固さや非合理性などを学ぶ事になる。高橋はB型の血液が蚊に狙われやすいという主張を行なったりした。

温泉から出た後は散歩などをしながら、根が「鳥が動物界で最強」の説を主張し始める。すると高橋が「人間が最強」の説を展開し、話題は核兵器の方面へ移行する。途中で収拾が付かなくなってきたで、ここら辺で撤収。

16:00
ドライブがてら、白糸の滝に行ってみようと車を走らせる。有料道路の中間地点に存在するのだが、車を止めた地点から歩く距離が150メートルで有り難味が薄いという話になる。ただ幼少期に行ってがっかりしたという内田は案外悪くないと感じ、自然の良さというのはある程度大人になってから気づくものなのかもしれないと発言した。

17:00
さらに調子が載ってきたので「なんとかロック(岩)」という奴に行ってみようと車を走らせる。山の頂上付近にあるということで山道の運転に自信があった根がうねる細道をグイグイと突き進んでいった。あまりにも狭く傾斜のキツイ山道に入り込み、一度は断念して下山するものの、別のルートから再び挑戦した。しかしそれでも車の両脇をこする寸前のところまで攻めた所で下車する事にした。それは後から考えれば正解であって、もう少し進めば間違いなく車は進退窮まるところであった。

その後徒歩で目的地に向かったが、山道らしき山道も目印なども全くない状態であり、結局は引き返す事にしたのだった。後で知る事になるが、この「なんとかロック」は本来登山ルートにあるものであり、そもそも車でいけるような場所には無かったらしい。とはいえちょっとしたアドベンチャー気分を味わえたので良かった。

17:30
内田の提案により旧軽井沢の「酢重」というちょっと高級な感じの店で夕飯を食べる。銅釜で炊かれたご飯に、岩魚の活作り、じゃがバター、鳥肉のから揚げなど、どれも大変美味しいわけで、旅行において食の重要性について再確認をすることになる。(そのころ軽井沢駅へ到着した洪君は、大変不味い高原ラーメンなるものを食していた)

19:30
洪君を乗せて食料や酒の買出しをして、内田の伯父さんが持っているという山荘へ向かう。真っ暗闇の中をうねうねと運転していくのは恐怖であり、根は真っ暗闇の中で「孤独死」というものが確かにあるのかもしれないと実感した。