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厚生労働省 H27.6.30(火) 塩崎大臣閣議後記者会見概要

2015-07-03 01:59:19 | 厚生労働省

(9:08 ~ 9:24 省内会見室)

【厚生労働省広報室】

会見の詳細
《閣議等について》
(大臣)

 今日の閣議で、行政機関職員定員令の一部を改正する政令が決定をされました。年度途中の例外的な措置として、CIQ(税関・出入国管理・検疫)関係で緊急増員が認められました。これは、6月5日に開催されました観光立国推進閣僚会議において決定をされました「アクション・プログラム2015」に基づく措置でございます。外国人旅行者の急増に対応するために、検疫所関係では28人の緊急増員が行われることになります。中身はですね、緊急増員28名のうちの新規増員が21名、再任用などで7名、合計28名ということでございまして、主に深夜便が増加をしております関空、それから羽田、そして中部、この空港、それから地方の空港の中でも到着便が非常に増えているのが静岡、それからクルーズ船というのが最近増えていまして、これについても博多(港)とか長崎(港)などについて増員をするということになっています。そういうことでCIQ関係で、厚労省にとっては検疫の方が増えるということで、外国からのお客様をしっかりとお迎えをしようと、こういうことでございます。


《質疑》
(記者)

 今のCIQに関連してなんですけれども、検疫所と言われますと、いわゆる感染症の問題が思い浮かぶんですけれども、韓国で発生しているMERS(中東呼吸器症候群)や、その前にはエボラの問題もありました。これについての、エボラ、MERSについての現状認識とこの検疫所の増員がどういった感染症対策に資するか、お考えを教えてください。

(大臣)

 今ですね、世界の人々はいろいろな動きをされるので、どこか1箇所だけを見ていると検疫というのは上手くいかないので、我々水際としては、どんなことがあろうともちゃんと見抜くということを心がけているわけでありまして、ただ、今お話ございましたように、MERSの関係で韓国を含めて私どもとしては、外国人(旅行者)の急増に対応するということが大事で、MERSの水際対策にも今回の増員は、当然のことながらつながるものだというふうに思っております。何度も言いますけれども、MERSは韓国で始まったものではなく中東が元々の感染源でございますので、そこのところを忘れずに対応をしていこうというふうに思っています。


(記者)

 昨年、厚労省が調査を始めた、いわゆる所在不明児童の関連なのですが、今月の24日に相模原市内で女性の遺体が見つかった事件で、その被害者の長男もこの所在不明児童だったということが、新宿区の方で明らかにされたところですが、まず、去年そういう実態調査に乗り出して、新宿区の通報が事件の発覚につながった可能性があることについて、それに対する受止めをどういうふうにお感じになっているかが1点と、同様に去年捜し始めてから、1年以上所在が分かっていない人が30人余りいることが関係自治体に聞いたところ分かったのですが、大臣としてはこれをゼロにする必要があるというふうにお考えかどうか、また、そのために何か新たな策として必要なことがあるとお感じになっているか、その点をお聞かせください。


(大臣)

 昨年、副大臣レベルでこの児童虐待防止対策というか、行方不明の子どもさん達の問題についての申合せが行われたわけでありまして、調査をした結果を受けての話でありました。いわゆる所在不明児童の安全確認をしっかりと取り組むということで、所在を捜索するということは非常に重要な問題で、各自治体が警察などと連携をして調査をしているわけでありまして、残念ながらまだ所在不明のままの子どもさんがおられるということがあることを我々もしっかりと認識をしなければならないというふうに思っております。お尋ねの7歳の、亡くなられた方の御長男、この方についても現在警察で捜査中ということでありまして、1日も早く所在や安全の確認ができるように願っているところであります。
 去年の世耕副長官を中心とした副大臣レベルでのこの問題について申合せが行われて、今年3月に同一市町村内や警察、学校等の関係機関との情報共有の徹底、つまり、お互い知ってはいても他の所で知らないというようなことがあって、連携が不十分ということなので、連携をしっかりやろうと、それから住民基本台帳等の情報を活用した市町村間での情報共有を行うということも新たな取組として実施をしようということでありまして、これの申合せについては周知徹底を全国でいたしております。厚労省としては、やはりこの問題は極めて大事な問題であって、昨年度から継続して今年度も所在不明児童に関する実態調査を実施しております。地方自治体、それから関係省庁と連携して対策にしっかりと努めなければならないと思っておりまして、今年の5月22日付けで各自治体に通知を出しており、6月1日現在の、その日を基準日として昨年の10月20日時点で把握に至らなかった子ども達が141名おられました。この方々を含めて、改めて所在不明の子ども達の実態調査をしっかりとやってほしいということを通知をしたところでございまして、おそらくこれは秋に取りまとめが行われると思いますけれども、昨年も最初は2,908名だったのが結果として昨年の10月20日時点で141名になったわけですから、絞り込みをすると海外に出ていたとか、いろいろな形であります。それともう一つは、虐待から逃れるために、移っていくという方々がおられて、お元気だけれども所在を知られたくないという方々もおられるわけです。したがって、今ゼロにするべきではないかどうかということについてのお尋ねがございましたが、そういった点は、所在されている所から元の所に連絡がいくとそこから虐待の元に情報が伝わって、また虐待を受けるということもあり得るので、そこのところはケースバイケースで慎重に、その子ども、あるいは、虐待を受けている方の実情に応じて、やっていかなければならないというふうに思っております。

(記者)

 最低賃金についておうかがいします。明日から今年度の見直しに向けた審議会が、協議が始まると思うのですが、昨年も全国平均で16円増ということになりました。今年度の見直しに向けての大臣の御期待をお聞かせください。


(大臣)

 今御指摘のように、明日から中央最低賃金審議会が正式に御議論を始めていただくことになっております。最賃の審議に当たっては、いつもこの春の賃金の上昇であるとか、物価、中小企業の収益、それから生産性、そういったものを踏まえて審議会で御議論をいただいて決めるということになっておりますから、私どもの内閣としては、この日本再興戦略でも、これは既に与党プロセスを経て今日正式に決まりますけれども、引上げに努めるということで、内閣としても賃上げの流れを作っていくということは大変重要な課題だと思っております。これは生活水準の向上という意味においても極めて大事であって、しかし、これには私どもとしては審議会の審議のためにも中小企業の生産性、つまり賃上げを吸収できるだけの生産性の上昇を確保できる環境作りを私どもとしては中小企業政策としてやるなどの努力をしてきているわけでありまして、こういったことについては引き続いてやっていくということで、いずれにしても賃金を上げていくということについては、大きな方向としては、我々としてはそのようなことを実現していきたいと考えております。


(記者)

 昨年並の賃上げを目指していると御期待されているという理解でよろしいでしょうか。

(大臣)

 これは物価と賃金の上昇としては、去年の最賃の引上げとその後の物価の上昇幅などを勘案して、当然実質的に生活水準が向上するようにするための最賃の引上げはどうするべきかということについて審議会で御議論いただけるだろうと思っていますので、これについては審議会でしっかりと議論した上で私どもとしては、やはり生活水準を上げていく、実質的に上げていくことを実現していくことを目標としたいと思っております。


(記者)

 骨太の方針が本日閣議決定されると思いますけれども、これについて社会保障費の伸びの目安については、「目安」という言葉が与党プロセスの中に盛り込まれたと思います。あと個々の改革策についても「検討」という言葉が多くついていますし、「予断を持たずに検討」というような言葉も入ったというふうに聞いております。財政健全化の本丸である社会保障改革が本当にできるのかなという疑問も当然あると思うんですけれども、所管大臣としてどのように進めていくかというのを改めてお聞かせいただけますでしょうか。


(大臣)

 まず第一に、この社会保障改革をやっていくということは、税・社会保障一体改革の大きな方針であり、今回(経済財政)諮問会議でも、私も何度かプレゼンテーションしましたけれども、この改革に向かっての意欲というものは何ら変わっているわけではない、むしろこれはしっかりとやっていくということが大事であります。それは質の向上と負担の抑制というか、その両方を実現していくぞと、こういうことでありまして、今回の骨太(の方針)でいろいろな議論がありましたけれども、基本的には経済、物価動向等を踏まえて、なおかつ今の御指摘があった目安というものがありましたが、いずれにしても社会保障のこの関係費の伸びについても目標を定めて目指すということを書いているわけでありまして、我々としてはいずれにしてもさっき申し上げた改革を断行しながら、実質的にこの医療などの言ってみれば水準は確保しながらしっかり改革を同時に進め、財政再建についてももちろん、これは両方達成していくということが大事でありますので、そういうことで私どもとしては引き続き年末に向けていろいろ決めていかなければいけないこともありますから、それに邁進していかなきゃいけないというふうに思っております。


(記者)

 日本年金機構の個人情報流出問題から明日でひと月がたつと思うんですけれども、この間、年金局でも(日本年金)機構の方でも、あと第三者委員会でも再発防止や原因究明の検証を進めていると思うんですけれども、現在の進捗状況についてお聞かせください。

(大臣)

 進捗状況を数字で表すようなことはなかなか難しいわけでありますが、だんだんと何が不足していたか、個人情報をしっかり守るためにということはだんだんと浮き彫りになってきておりまして、(日本年金)機構の備えなどについても、やはり今回のような標的型攻撃メールといったものに対する対処の構えというよりは、いわゆる単発の迷惑メールみたいなものの対策というようなことに終始をしていたのと、更にセキュリティに対する意識が(日本年金)機構、そしてまた厚労省年金局においても不十分であったということが明らかになってきているんだろうと思います。ただ、中身については更に検証を自らするとともに、この今回の不正アクセス事案検証委員会、第三者委員会が今徹底的な調査を資料徴求しながらやっていただいておりますから、これらをしっかり踏まえて我々としては二度とこういうことが起きない体制を作る努力をしていきたいというふうに思っています。


(了)












“政治力”めぐり歯科医師会が二分 

2015-07-03 01:36:32 | 歯科
日歯連疑惑発覚の内幕
産経新聞6月30日(火)

東京地検特捜部から政治資金規正法違反容疑で強制捜査を受けている政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)の高木幹正会長(70)が6月18日、歯科医師の業界団体「日本歯科医師会」の会長に選出された。次期会長をめぐっては業界を二分する“仁義なき戦い”が繰り広げられ、今回の「迂回(うかい)献金」疑惑発覚は「高木陣営へのネガティブキャンペーン」(日歯連幹部)との見方も。“お家騒動”の背景には、平成16年に業界を揺るがした「ヤミ献金事件」から続く確執もあるようだ。
■捜査に揺れた会長選
 「出席代議員数139名、高木幹正君、83票」
 18日、東京都千代田区の歯科医師会館で開かれた全国から歯科医師の代表者が集まる代議員会。議長が高木氏の得票数を読み上げた瞬間、会場内が「おお」と、どよめいた。高木氏を次期会長とする人事案が過半数で承認され、半年近く続いた騒動が幕引きとなった瞬間だった。
 歯科医師会は今年2月、退任表明していた大久保満男会長(73)の後任を選ぶ予備選挙を行い、高木氏は630票中346票を得て、大阪府歯科医師会長の太田謙司氏(64)を破って当選していた。
 その後、事態は思わぬ方向へ動き出す。日歯連が25年、石井みどり参院議員(66)=自民=の後援会へ、西村正美参院議員(51)=民主=の後援会を経由するなどして、政治資金規正法の上限額を超える計9500万円を寄付した疑いが浮上。東京地検が4月、強制捜査に乗り出したことで高木氏の会長就任を危ぶむ声が噴出した。
 そこで執行部は5月29日に臨時代議員会を開き、会員の意見を集約。出席した代議員から寄せられた意見は「高木氏は堂々と潔白を主張しているのだから、粛々と人事案を進めるべき」「国民の信頼回復のためにも、捜査結果が出るまで人事案を留保すべき」などで、双方が拮抗(きっこう)したかにみえていた。
 終了後、理事会が開かれ、「理事の圧倒的多数が人事議案提出を支持した」(大久保会長)として、予定通り高木氏を次期会長とする人事を進めることになった。
■「会長選と無関係なはずない」
 歯科医師会をパニックに陥れた今回の事件の発端は今年1月、日歯連の評議員会で発せられた1つの質問から始まった。
 「違法性はないのか。グレーな資金移動はやめた方がいい」
 出席評議員の1人が、日歯連から石井議員への「迂回献金」を問題視。この評議員は産経新聞の取材に対し、「収支報告書を見て疑問に思ったうちの(都道府県歯科医師会の)会員から相談された。執行部には『改善する』という回答を期待したのだが…」と話す。執行部は「テクニカルな要素であり、法的問題はない」と回答した。
 実はこの時期、水面下では次期会長をめぐり、高木派と太田派による歯科医師会を二分する熾烈(しれつ)な暗闘が繰り広げられていた。
 「医師の権利拡大という点で歯科は他の医療に比べて遅れている」「厚生労働省だけでなく、官邸など中枢と緊密な連携を取れる人は高木氏以外にいない」
 今年1月に都内のホテルに約400人を集めて開かれた「高木幹正氏と歯科の未来を語る会」で、議員らが高木氏をこう持ち上げた。菅義偉(すが・よしひで)官房長官のメッセージが読み上げられるなど政界との太いパイプが強調された。
 一方、太田陣営の推薦人名簿には、高木氏の側近であるはずの日歯連の理事長や副会長らが名前を連ね、大久保会長も後継者として指名した。「高木氏が当選すれば、昔の日歯連に戻ってしまう」との趣旨の匿名文書まで出回った。こうした中での疑惑発覚。ある日歯連幹部は「会長選と無関係なはずがない」と推測する。
■10年前の「ヤミ献金事件」の確執今も…
 対立の背景には、16年に発覚した「ヤミ献金事件」がある。事件では、日歯連から自民党旧橋本派へ1億円が渡ったとされ、当時、日歯連会長と歯科医師会長を兼任していた臼田貞夫氏が逮捕起訴され、有罪判決を受けた。
 一連の捜査では、診療報酬引き上げをめぐる贈収賄事件や日歯連に関係のある国会議員による資金横領事件なども発覚し、業界全体を揺るがす大不祥事に発展した。
 事件終結後、18年に立て直しを任された大久保会長は改革委員会を設置。(1)一体運営されてきた日歯連を分離する(2)政治資金の移動を銀行口座振り込みで行うなど透明化する−などの改革を断行した。ただ、「結果的に政治力が弱体化した」(業界関係者)との見方もある。
 大久保会長引退に伴い、歯科医師会から分断されてきた日歯連会長の高木氏が出馬することに、歯科医師会の政治力強化を期待する関東地方の日歯連役員らが支持を表明したのだ。
 これに対し、政治への過剰接近に警戒感を示す関西や北陸地方の歯科医師会役員らが反発。太田会長を対立候補とし、争う姿勢を示したのが、今回の会長選の内幕という。
 歯科医師はなぜ「政治力」を求めるのか。
 厚労省などによると、内科などの一般診療所数が全国約10万カ所(24年)に対し、歯科診療所は約6万8千カ所(同)もある。一方で医療費全体は12年の約30兆円から23年には約38兆円へ増大したにも関わらず、歯科医療費はこの10年間、2兆5千億円から2兆6800億円の間で横ばい状態が続いている。「歯科医の立場向上は業界にとって最重要課題」(日歯連幹部)という。
■新会長は強気だが…
 特捜部の捜査に関し、高木氏自身は今年6月18日の代議員会で「(疑われている資金移動は)当時の合理的判断で行ってきた。強い信念を持って連盟の姿勢を(特捜部に)切々と訴えている」とあくまで強気を貫く。
 高木氏の周辺も特捜部に「両議員の後援会はどちらも連盟内部の組織。一般会計から特別会計へ移したようなもので違法とは言えない」と説明しているもようだ。
 これに対し、ある検察幹部は「当初は『(両後援会は)独立した別団体』と主張していた。罪を逃れるための言い訳でしかない」。別の幹部は「説明通りであれば、後援会に資金を移動する必要があったのか。説明は不合理だ」と疑問を呈する。
 始まったばかりの高木新体制について、ある日歯連幹部は「これ以上、疑いを持たれるようなことが起こらなければいいが…」と胸中を語った。














「償い」という問い

2015-07-03 01:30:21 | 受けとめる力
★戦争に直接関与したわけではない今の日本人がなぜ「慰安婦問題」を考えなければならないのだろう。
そう感じる人は多いのではないでしょうか。
「慰安婦」問題をテーマに2004~2005年に東京大学で行われたゼミは、その答えを求めて参加者みなが悪戦苦闘した1年だった。
ゼミを担当した東大教授(現・明治大特任教授)の大沼保昭さん(69)は、アジア女性基金に呼びかけ人として加わり、当時も理事を務めていた。
<「従軍慰安婦」をつくりだしたのは過去の日本の国家です。
しかし、日本という国は決して政府だけのものでなく、国民一人一人が過去を引き継ぎ、現在を生き、未来を創っていくものでしょう。
戦後50年という時期に全国民的償いをはたすことは、現在を生きる私たち自身の、犠牲者の方々への国際社会への、そして将来の世代への責任であると信じます>大沼保昭さん
「例えば原爆投下が終戦を決めたと信じている米国と戦争犯罪だと考えている日本の市民には、認識に巨大な差がある」と知識人やメディアの責任も問う社会学者の上野千鶴子さん(66)などをゼミに招いた。
東大ゼミは貴重な経験を次世代に伝える場になった。
文・岸俊光さん












医師の成長に必要はこと

2015-07-03 00:46:07 | 伝えたい言葉
★「伝えたい言葉」に出会う。
日々、読む新聞などから引用する。
医師の成長に必要はこと
徹底的な準備と平静心
私には「危険か」「そうでないか」の二択しかありません。
初めての手術では、術後に起きる合併症も未経験のことがあります。
それでも戸惑うことなく冷静に対処することを教えてくれたのが、カナダ人医師のウイリアム・オスラー先生(1849~1919)の言葉、「医学は不確実性の科学であり、確立がなす芸術である」です。
この言葉は、想定外の出来事を受け入れながら、過去の多くの経験から見出した結果を導くことができるということを教えてくれました。
冷静沈着な姿勢を完璧なものにするには、幅広い経験と病気への詳しい知識であり、
優柔不断で緊急事態に取り乱すような対応では患者の信頼を失う、と説きます。
順天堂大学教授・天野篤さん(2012年に天皇陛下の心臓バイパス手術を執刀したことで知られる。1983年日本大学医学部卒)