草加市議・佐藤のりかず公式ブログ

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草加市予算2021 ②歳入-地方交付税の借金化

2021年04月07日 | 市政・議会・活動など
すこしややこしい話です。



国から自治体に交付される「地方交付税 」を算定する基準として、「基準財政需要額」(その自治体が標準的な行政サービスをおこなうための歳出)と「基準財政収入額」というものがあります。
草加市の2021年度予算では、基準となる支出377.6億円(基準財政需要額)に対して、収入315.2億円(基準財政収入額)が見込まれました。すると、差し引き62.4億円の収入不足(収支差)が生じます。(なお、収入と支出の差は前年度より17.4億円広がりました)
この収入不足を、国が負担する仕組みとして「地方交付税」があります。
※本来、地方交付税は地方の税収です。しかし、例えば過疎地と都市ではあまりも財源差が大きすぎます。こうした自治体間の不均衡を調整するために、自治体に代わって国が徴収し、一定の基準(基準財政需要額・収入額)をもとに自治体へ分配する仕組みです。

2021年度は、前年度より収支差が広がったために、地方交付税は増えるはずです。
ところが、地方交付税(普通交付税)額は約23.2億円で、前年度より1.8億円減る見込みになりなりました。


あれ、足りない?


■地方交付税の借金化
ここに1つ目のカラクリがあります。

国の財政不足により、地方交付税が全額交付されない状況がずっと続いています。


対案として、国は地方交付税の足りない分を、「臨時財政対策債(以下、臨財債)」という借金を自治体に発行させることによって補っています。
そして、21年度の臨財債発行額は、前年度より14.6億円増額の37.6億円規模に膨れ上がりました。

地方交付税23.2億円と臨財債37.6億円の合計60.8億円が、本来の地方交付税にあたります。つまり、本来の地方交付税の6割以上が借金です。
これが一つ目のカラクリ「交付税の借金化」です。
(臨時財政対策債は名前の通り、公共施設を建てる時などの建設公債とは異なり、財政対策のため将来世代に負担だけを先送りする臨時的な禁じ手です。臨時的なはずが、国は禁じ手をずっと使い続けています)


■借金で借金返し
では、この臨財債という借金は誰が返済するのでしょうか?
ここに2つ目のカラクリがあります。

草加市が臨財債を返済する際、全額を国が地方交付税で措置しますよ!という約束になっています。国がすべて負担する約束なのです。

ところが、草加市が21年度に返済する予定の臨財債は、利息を含めて26.3億円です。…あれ?
地方交付税はたしか23.2億円でしたよね…足りない??



そうなんです。
先ほど、「地方交付税23.2億円と臨財債37.6億円の合計60.8億円が、本来の地方交付税にあたります」と書きましたが、これが答えです。
実際問題として、発行した臨財債で、臨財債の返済をおこなっている状況です。これが2つ目のカラクリ「借金で借金返し」です。

このままでは、雪だるま式に借金が増えていくばかりです。国の地方交付税制度のあり方が問われています。


※今回の記事は、話がややこしくなるため細かい仕組みなどは端折り、かなり大雑把に記しています。


【草加市予算2021】
①歳入-市税収入が19億円減
②歳入-地方交付税の借金化
③防災強化・情報推進
④経済活性化・まちづくり
⑤子育て・教育
⑥高年者・障がい者福祉
⑦スポーツ・交通・ごみ減量化
⑧市役所の職員体制
コメント
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