草加市議・佐藤のりかず公式ブログ

公正・共生・多様性による「じぞくまちプロジェクト」推進中!
草加の「知りたい」が分かるブログを目指します

草加市役所の働き方改革を ③職員の副業拡大へ!メリット・デメリットを検証

2024年09月27日 | 市政・議会・活動など

草加市議会6月定例会の一般質問で、草加市役所職員の働き方改革に向けた質問をおこないました。

課題となっている残業やハラスメント問題の対策・解決と併せて、職員の成長と活躍を促し、ひいては市民サービスの向上を目指す取り組みの一環として副業拡大の可能性について提言しました。

 

質問と答弁の概要を3回に分けてアップします。

第3回最終回は、副業についてです。

 

[3]職員の副業拡大へ!メリット・デメリットを検証

草加市議会で、職員の副業拡大に関する議論をおこないました。近年、全国の自治台においても、地方公務員法のなかで職員が地域活動などの副業を促進する事例も全国で広がっています。副業は、地域貢献や職員のスキルアップなど、多くのメリットをもたらす一方で、本務への影響や情報漏洩のリスクなど、課題も指摘されています。また、副業を拡大するためには、職員の働き方改革の一環として、残業時間の削減やハラスメント防止など、より働きやすい職場環境づくりが不可欠です。

 

(1)草加市役所職員の副業ルールは?

  • 地方公務員法に基づき「職員の営利企業等の従事制限に関する規則」を定め運用
  • 職務遂行や公正な遂行に支障を及ぼす恐れがある場合などを除き、許可することができる。個別に審査。

※公務員の副業:地方公務員法第38条で、職員は任命権者の許可を受けなければ、営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員等を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならないと規定。

 

(2)これまでに、どのような許可事例がある?

  • 家業の農業への従事
  • 相続により発生した不動産の賃貸
  • 消防団への入団
  • 小説の執筆や出版など

 

(3)先進自治体の取り組みは?

質問に対して市は、「神戸市では、地域団体やNPOにおける高齢化等の担い手不足への対応や職員の知見を活かして、地域の課題解決に積極的に取り組むことを後押しすることを目的に、地域貢献応援制度を導入し、報酬等を得て行う公益性の高い継続的な地域貢献活動や、社会的課題の解決を目指し地域の発展・活性化に寄与する活動を積極的に促進している」と説明。

 

(4)副業のメリット・デメリットは?

  • メリット:地域貢献、地域課題の解決に加え、公務以外での経験による職員のスキルアップや働きがいの向上、このことに伴う人材流出の抑制や優秀な人材の確保などが考えられる。
  • デメリット:本務である職務の遂行自体に支障を及ぼす恐れや、従事する営利企業等との関係から、職務の公正な遂行に支障を及ぼす可能性があることなどが考えられる。

 

(5)副業の拡大について草加市の見解は?

質問に対して市は、「地域貢献や地域課題の解決等のメリットや本務である職務の遂行自体に支障を及ぼす恐れがあるなどのデメリットを踏まえ、先進自治体での取組を参考に調査研究を進める」と答弁。

 

(5)市長の認識

最後に、草加市職員の副業拡大について以下の点を質問しました。

  • 副業の重要性: 副業は、職員のやりがい向上や地域貢献につながる重要な要素である。
  • 労働環境の整備: 副業を推進するためには、まず、時間外労働の適正化やハラスメント対策など、職員が働きやすい職場環境を整える必要がある。
  • 市長の考え: 市長は、職員がやりがいを持って働けるような職場環境づくりについて、どのように考えているか。

山川百合子草加市長は、質問に対し次のように答弁しました。

  • 働きがいのある職場環境: 職員が目標を持ち、成果を上げ、その成果が評価されることが、働きがいのある職場環境の重要な要素。
  • チーム作りと人材育成: 市長をはじめとする幹部が率先して、良好なコミュニケーションが取れるチーム作りを進めることで、職員の意欲を引き出し、成長を促す人材育成に取り組んでいく。

 

全体を通して、副業を推進する上で、労働環境の整備が不可欠であるとの視点に立った質問をおこないました。山川市長は、働きがいのある職場環境づくりを通じて、職員の成長を促したいという考えを示しました。いずれの視点も、職員の働き方改革という点で共通しています。今回は触れませんでしたが、フレックスタイム制の導入や男性職員の育児休業等の取得促進などの取り組みも含めて、柔軟で多様な働き方の推進に向けた議論を今後も進めていきます。

 

 

ページ /3

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

草加市役所の働き方改革を ②ハラスメント問題と対策

2024年09月26日 | 市政・議会・活動など

草加市議会6月定例会の一般質問で、草加市役所職員の働き方改革に向けた質問をおこないました。

課題となっている残業やハラスメント問題の対策・解決と併せて、職員の成長と活躍を促し、ひいては市民サービスの向上を目指す取り組みの一環として副業拡大の可能性について提言しました。

 

質問と答弁の概要を3回に分けてアップします。

第2回目は、ハラスメント問題と対策についてです。

 

[2]ハラスメント問題と対策

(1)ハラスメント防止対策の体制は?

  • 2020年度に「草加市職員のハラスメントの防止等に関する規則」を制定
  • ハラスメント相談員の体制:市長部局等4人、教育委員会2人、上下水道部2人
  • ハラスメント相談員の役割:所属長や職員課と相互に連携・協力しながら解決を図る ※必要に応じてハラスメント対策委員会が処理を行う場合もある
  • ハラスメント対策委員会の体制:副市長(委員長)、教育長(代理者)、総務部長、委員長が指名する職員の委員4人以内で構成
  • ハラスメント対策委員会の役割:相談に対する適切な対応について審議を行い、当事者等に必要な指導及び助言を行うことができ、対策委員会から結果の報告を受けた任命権者は必要な措置を講ずる

 

(2)ハラスメントを訴えた方の保護について、不利益な扱いや加害者への情報漏洩はないか?

  • ハラスメント相談員等は、関係者のプライバシーや人権保護に努め、知り得た情報の取扱いには特に留意し、相談者の意向を踏まえて慎重かつ適切に取り扱っている。
  • 被害者の保護については、「当該職員(ハラスメント被害者)が不利益な取扱いを受けたという事例はございません」との答弁。
  • 情報漏洩については、「これまでプライバシーの侵害や情報漏洩があったという事例はございません」との答弁。

 

(3)ハラスメント対応の流れは、相談→対策委員会→認定となっている。それら件数と内容は?

  • ハラスメント相談員が受けた相談件数:3年間で4件 ※全てパワハラ相談(2021年度1件、22年度1件、23年度2件)
  • そのうちハラスメント対策委員会で対応した件数:2件
  • そのうちハラスメント対策委員会で認定した件数:1件

 

(4)さらなるハラスメント防止対策の強化を。市の認識は?

  • 各職員が安心して働くために、ハラスメント防止対策は大変重要であると認識している。
  • 「職場のハラスメント防止研修」を実施している。受講者からのアンケート結果を踏まえ、内容を見直しながら、職員のハラスメント防止に対する意識を高めていくとともに、職員の不安や悩みを解消し、職員同士で報告、連絡、相談など十分なコミュニケーションを図ることができるように、風通しの良い職場環境づくりを進めてまいりたい。
  • 職員の悩みや不安に関する相談を受けることとなるハラスメント相談員は、相談対応についての基礎知識の習得やロールプレイを行うことのできる実務研修を受講している。
  • 今後も定期的に研修を受講する機会を設けるなどしながら、職員の相談等に親身になり、適切な助言や対応ができるハラスメント相談員の育成を図ってまいりたい。


(5)市長の認識は?

最後に山川百合子草加市長に、時間外労働やハラスメント問題に対する認識を質問しました。

【佐藤憲和の質問】

  • 今回の質問で、時間外労働の問題では2022年度に始業時間より早く朝礼を行っていた事実が明らかとなりました。しかも、その分のお金は翌23年度に支払われました。ハラスメントについても、実際にパワハラ認定に至ったケースが生じています。 こうした事実について重く受け止めるべきです。 そこからスタートしていくことが非常に重要です。市長としてどのように受け止めているのか伺います。

【山川百合子市長の答弁】

  • 時間外勤務を含む勤務時間の管理は、適正に行うべきものと考えております。
  • ハラスメントについてでございますが、認定をされたということについて重く受け止めております。
  • 相談しやすい職場環境作り等により、発生の防止に努めるとともに、職員からの相談があった場合は適切に対応できるようにすることが大事だというふうに考えております。 

 

草加市は、ハラスメント防止規則の制定や相談窓口の設置などの対策を進めていますが、依然として課題は残っています。今回の質問では、実態を下記らかにしながら、問題点の根深さを浮き彫りにしました。山川市長は「重く受け止めております」と述べ、改善に向けた認識を示しましたが、より具体的な行動計画や、職員の意識改革を促すための取り組みが求められます。今後は、市民や現場職員の声に耳を傾け、職員が安心して働ける環境づくりをさらに進めていく必要があります。

 

関連記事 ⇒ 草加市、パワハラ1件を認定 市職員から21~23年に4件の訴え 市長「重く受け止め」(埼玉新聞:2024年09月14日付)

 

 

ページ /2/

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

草加市役所の働き方改革を ①時間外勤務の現状と課題

2024年09月25日 | 市政・議会・活動など

草加市議会6月定例会の一般質問で、草加市役所職員の働き方改革に向けた質問をおこないました。

課題となっている残業やハラスメント問題の対策・解決と併せて、職員の成長と活躍を促し、ひいては市民サービスの向上を目指す取り組みの一環として副業拡大の可能性について提言しました。

 

質問と答弁の概要を3回に分けてアップします。

第1回目は、時間外労働(残業)の現状と課題についてです。

 

[1]時間外勤務の現状と課題

(1)過去5年間の時間外勤務の状況は?

草加市役所職員1人当たり平均の時間外勤務時間(水道・病院企業職員除く)

  • 2019年度:179時間
  • 2020年度:146時間
  • 2021年度:166時間
  • 2022年度:175時間
  • 2023年度:185時間

※草加市によると、増減の主な要因として2020年度以降は新型コロナの影響によりイベント中止や出勤自粛等で残業が減少。23年5月から5類に移行し、市の事業が本格化したことなどで増加したとのこと。

 

(2)新庁舎ではICカードを使用して出退勤時刻を記録している。その他施設の勤怠管理方法は?

  • 草加市役所では、所属長の現認及び自己申告制により勤務時間を把握している。
  • 新庁舎と西棟:自己申告により把握した労働時間と、ICカードを使った実際の労働時間との間に著しい乖離が生じているか否かを確認して管理。
  • その他の施設:所属長の現認や自己申告により労働時間を管理。

※勤怠管理の方法について、厚生労働省が平成29年1月に策定した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、使用者が現認することにより労働時間を把握する方法、タイムカードの記録等の客観的な記録を基礎として確認することを原則的な方法として示している。自己申告制により労働時間を把握する場合は、労働者からの自己申告により把握した労働時間と入退場記録で分かった事業場内にいた時間との間に著しい乖離が生じているときには、実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすることとなっている。

 

(3)時間外勤務を行う際の手続きと時間外勤務手当の支給方法は?

  1. あらかじめ所属長へ口頭か庶務事務システムで時間外勤務の業務内容と予定時間を申請
  2. 所属長の承認を経て、時間外勤務を実施
  3. 時間外勤務終了後、速やかに庶務事務システムへ実績を入力
  4. 所属長が確認・承認をして確定(※時間外勤務手当は、時間外勤務を行った翌月に支給)

 

(4)労働問題などが生じた場合、民間では労働基準監督署などの事案となる。草加市役所におけるサービス残業の有無と実態調査、労働事案が生じた際の相談窓口は?

  • 時間外勤務手当の報告漏れを生じさせない取り組み:毎月、庁内掲示板に「時間外勤務及び休暇等の入力処理の確認」依頼通知を掲載し、継続的に周知。
  • サービス残業の有無:「サービス残業は無いものと認識しており、実態調査は行っておりません」との答弁 ←実態調査が必要!
  • 相談窓口:企業職員や現業職員等は埼玉労働局等、それ以外の職員は公平委員会が窓口。

 

(5)時間外勤務をした翌月以降に、申出等により手当を支払ったケースはあるか?

  • ①職員本人による時間外勤務申請の遅れや、②始業時間に業務を開始するための始業前の申し合わせの時間外勤務申請が適切に行われていなかったことが判明したことにより、申請が翌月以降となり支給したことがある。←時間前から朝礼をはじめていた課があったとのこと。

 

(6)時間外勤務手当の支払について年度を超えての支払いはあるか?

  • 2022年度分の時間外勤務手当について、2023年度予算で支払ったものがある。←(5)②のケースがそれ

 

(7)新庁舎以外もICカードを使用して出退勤時刻の記録を導入すべき。今後の時間外労働等の働き方改革は?

  • 現在、それぞれの施設に合った運用方法等について検討を進めている。
  • 長時間勤務の抑制や年次有給休暇の取得促進、毎週木曜日の定時退庁の徹底や多様化する働き方に対応できる勤務制度等の整備を図り、職員が働きやすく、働きがいのある職場づくりを進めてまいりたい。

 

ページ 1/

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[草加市立病院2023決算]コロナ5類移行で赤字に転落

2024年09月03日 | 市政・議会・活動など

新型コロナが5類に移行したことにより、市立病院へのコロナ関連補助金が大幅に減少して医業外収益が前年度の半分に減少。コロナ禍で黒字決算が続いていましたが、令和5年度決算は7億円の赤字に転落しました。病床利用率は67.3%で、前年度より2.7ポイント上昇しましたが、依然としてコロナ前の水準まで戻っていません。

以下、現時点で調査できた決算状況をまとめました。


■経営状況:7億円の赤字

事業収益128億円-事業費用136億円=純損失約7億円
→3年連続の黒字から赤字経営に

理由は、収入が減少し支出が増えたこと
・収益減の主な要因は、新型コロナの5類移行により補助金が減少し、医業外収益が前年度17億円減(50.2%減)
・費用増の主な要因は、給与費や減価償却費などの増
→医業費用が医業収益を上回り、病院経費を診療報酬等の収入でまかなえていない状況


■患者数:年間延患者数29万5188人(前年度比2.3%増)

病床利用率は67.3%で、前年度より2.7ポイント上昇したものの、コロナ前の水準まで戻らず
・入院9万3646人(4.6%増)
・外来20万1542人(1.3%増)
※地域の病院等から市立病院への患者紹介率は60.6%で、前年度より7.7ポイント上昇

[入院]
・小児科や循環器内科、整形外科が増加
・患者の地域内訳:草加市77.5%、その他県内19.4%、県外3.1%
・入院の在院日数:平均10.3日(1~8日60.4%、9~15日19%、16日以上20.6%)

[外来]
・泌尿器科や皮膚科、消化器内科が増加
・患者の地域内訳:草加市77.6%、その他県内19.6%、県外2.8%

[救急医療]
・救急車の搬送受け入れ人数は5080人(+4.7%)
・うち、草加八潮消防組合による搬送は4440人

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

草加市の財政状況は? 2023年度決算の概要

2024年09月02日 | 市政・議会・活動など

草加市の2023年度一般会計決算の概要をまとめました。

開会中の草加市議会9月定例会で、2023年度の決算審議が進められています。

 

①歳入:940億円(前年度比-76億円)

  • 歳入のうち、自主財源の根幹である市税収入は400億円で、前年度より13億円増加しました。個人・法人市民税や固定資産税、たばこ税などの主要な税が増えたためです。
  • しかし、市債(借金)が前年度比53億円減の44億円、繰越金が17億円減の71億円など減少したため、歳入全体は76億円減となりました。なお、市債の主な減少要因は、新庁舎建設のための総務債の起債が減少したことなどです。

 

②歳出:歳出888億円(前年度比-56億円)

  • 総務費123億円(-50億円):新庁舎の完成により建設事業費が大幅に減少したことが主要因
  • 衛生費68億円(-8億円):新型コロナワクチン接種にかかわる償還金などの減少が主要因
  • 教育費52億円(-17億円):小中学校のエアコン設置やトイレ改修工事などの減少が主要因
  • 民生費442億円(+22億円):国保会計への繰出金、住民税非課税世帯への給付金、民間保育の委託料などが増加

 

③実質収支:44億円の黒字

  • 歳入額から歳出額と翌年度へ繰り越すべき財源を差し引いた「実質収支」は 44億円の黒字でした。前年度より13億円減となり、黒字幅は減少しています。
  • この実質収支から、前年度の実質収支と財政調整基金の取りくずし額を差し引き、さらに財政調整基金への積立金を加えた最終的な「実質単年度収支」は 19億円(11億円減)の赤字でした。収支の黒字を維持しているものの、貯金を取り崩しながら黒字を維持している状況と言えます。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする