草加市議・佐藤のりかず公式ブログ

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草加市サタデースクール:現状と課題、これからの展望

2024年07月02日 | 子育て・教育

草加市の小中学校でおこなわれているサタデースクール(土曜授業)について、現状と課題、そして在り方の再検討を6月議会で草加市教育委員会に求めました。

■導入の目的

サタデースクールは、2016年度(平成28年度)に草加市で導入された制度です。

導入の目的は、主に①授業時数のより十分な確保を図ること、②土曜日等における児童・生徒の有意義な過ごし方を支援すること、③開かれた学校づくりをより一層推進することで、年間5回実施されていました。

導入時は”学力向上”が議論の主眼でした。

■時代と共に変化

しかしながら、年々授業内容が変わり、現状では地域主催の避難所運営市民防災訓練や学校公開などがおこなわれています。目的の3番目だった”開かれた学校づくり”が、1番の目的になっていると言えます。

2021年度には、町会やPTA、社会教育団体などの代表で組織する土曜日等の教育活動検討委員会から、教職員の負担軽減や働き方改革等を踏まえた実施回数の見直しについて提言が示されました。この提言を受けて、2022年度から実施回数が年3回に減りました。

また、今年1月13日のサタデースクールと英検(実用英語技能検定)の準会場試験が重なってしまいました。草加市が受験料補助金制度をつくって後押ししている英検日程に、サタデースクールが重なったことに対して、保護者から疑問の声なども寄せられました。サタデースクールをおこなっている草加市ならではの課題でもあります。

こうした状況について草加市教育委員会に確認したところ、効果や課題として次のような認識を示しました。

効果

  • 授業時数の確保による教育課程のゆとり・学力向上
  • 学校・家庭・地域連携の広がり(体験活動、公開授業等)

課題

  • 土曜日に学校があり、振替がないことによる教職員や児童生徒の負担
  • 翌月曜日の児童生徒の疲労感
  • 児童生徒の習い事や家族との用事と重なってしまう

課題については、導入当初から懸念されていた点です。

■サタスクの在り方再検討を

導入当初からの目的が移り変わっていくなかで、サタデースクールの在り方を再検討するよう草加市教育委員会に求めました。

例えば、①一律の土曜授業実施は廃止し、②地域に開かれた土曜授業の実施などは保護者等と共有しながら学校権限でおこなえるようにする、②実施した際は必ず振替休日を設ける、といった制度への転換を提案しました。現場が必要と判断した時だけ実施できるカタチです。

提案に対して、草加市教育委員会は次の認識を示しました。

  • サタデースクールの導入時は、授業時数を十分に確保することがよしとされ、大きな成果につなげてきた
  • しかし、2023年9月に、学校における働き方改革の一環として、中教審の「教師を取り巻く環境整備」に係る提言を踏まえ、文部科学省より、標準授業時数を大幅に上回り教育課程を編成することのないよう時数削減を含めた見直しの方向性が示された
  • このような変化を受け、今後の土曜授業等の在り方についての協議を始めている
  • 土曜日等の教育活動検討委員会における協議や各学校の状況等も踏まえ、今後の在り方についてさらに検討を進める

サタデースクールは、教育効果や教職員・児童生徒・家庭の負担など様々な側面を持つ複雑な事業です。回数や授業内容の変更も大事ですが、広く関係者の意見やニーズに合致するような柔軟な制度設計が求められます。引き続き、議論を進めていきます。

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【2025年度】草加市立中学校の修学旅行日程-北辰テストと重なる可能性も

2024年06月28日 | 子育て・教育

2025年度に予定している草加市立中学校11校の修学旅行の日程をまとめました。現在(2024年度)の中学2年生が、来年度行く修学旅行の予定です。

関東地区(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉)の公立中学校が実施する修学旅行の列車調整などをおこなう関東地区公立中学校修学旅行委員会のデータをもとに作成しました。

 

■2025年度:中学校の修学旅行出発日(計画)

  • 9月2日(火)~:松江中学校
  • 9月4日(木)~:草加中学校
  • 9月15日(月)~:川柳中学校、瀬崎中学校
  • 9月16日(火)~:花栗中学校
  • 9月19日(金)~:新田中学校
  • 9月22日(月)~:両新田中学校
  • 9月25日(木)~:新栄中学校
  • 9月26日(金)~:栄中学校、青柳中学校
  • 9月28日(日)~:谷塚中学校

 

■北辰テストとの重複の懸念

例年、秋の第5回北辰テストは10月の月初めに実施されていました。しかし、2024年度は9月末に実施されたため、草加市内の中学校2校が北辰テストと重なってしまいました。仮に、2025年度も例年と異なり9月末に実施されると、栄中学校と青柳中学校、谷塚中学校の3校が、北辰テストと修学旅行が重なる可能性があります。埼玉県内では草加市内の3校と、越谷市立中央中学校(9月27日~)、八潮市立八條中学校(9月28日~)の合計5校が重複するかもしれません。

 

 

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【中学教育の課題】修学旅行と北辰テストの重複、どう考える?

2024年06月27日 | 子育て・教育

2024年度、草加市内の中学校で修学旅行と北辰テストの日程が重なるケースが生じ、生徒や保護者から苦しい声が寄せられています。

草加市議会6月定例会で、この問題の課題と改善策を求める一般質問をおこないました。

 

■はじめに

今年度が始まってすぐ、中学校の保護者から「うちの学校の修学旅行と北辰テストの日程が重なってしまった。なんとかできないでしょうか」といったご相談が寄せられました。

親友や仲間たちと一緒に泊まり、多くの体験ができる修学旅行。

埼玉県の中学生にとって、高校受験のための非常に重要な存在である北辰テスト。

この二つが重なり、受験前の秋の時期にどちらかを選ばなければならない。生徒だけでなく、保護者・家族にとっても難しい選択だと思います。うちも息子が中学1年ですが、3年生で同じ状況になったらと思うと…その苦しい声が寄せられました。

修学旅行と北辰テストは、どちらも生徒にとって重要なイベントです。しかし、日程が重なってしまうと、どちらか一方を選ぶしかなく、生徒や保護者にとって大きな負担となります。特に、高校受験前の秋に実施される北辰テストと重なる場合、学習面や私立入試などへの影響も懸念されます。

 

 

■修学旅行の日程の決定方法

草加市教育委員会によると、中学3年生の修学旅行は、その学年が中学1年生の時に、学校が新幹線の計画輸送について関東地区公立中学校修学旅行委員会に申し込みます。 その後、関東地区公立中学校修学旅行委員会から計画が示され、学校はそれに沿って宿泊先を手配します。 最終的には、おおむね中学1年生の2月ごろまでに日程が決定します。

 

■重複した場合の出欠席扱い

学旅行の日に北辰テストを優先した場合の出欠席の取り扱いについて教育委員会の見解を確認しました。教育委員会によると、北辰テストを優先するなど病気以外の理由で修学旅行を欠席する場合、生徒の実情に合わせて登校の仕方や過ごし方などを提示し、おおむね出席扱いとなるよう配慮していると説明しました。

 

北辰テストと修学旅行の日程重複状況

例年、秋の第5回北辰テストは10月の月初めに実施されています。そのため、2023年度は、草加市内小中学校で北辰テストと修学旅行が重なるケースはありませんでした。

しかし、2024年度は、第5回目の北辰テストが9月末になり、草加市内の新栄中学校と栄中学校の2校が重なってしまいました。埼玉県内で日程が重なった中学校は、草加市内の2校と、志木市内の1校の計3校のみです。

 

■生徒や保護者への情報共有の徹底を

修学旅行と北辰テストの日程決定の経緯や、日程調整の状況について、生徒や保護者の立場に立って分かりやすく説明する必要があります。まずは、修学旅行の日程が決定した段階で周知するよう教育長に求めました。山本好一郎教育長も「生徒や保護者にとって、実施の時期を早めに周知する意義はある」との認識を示しました。

 

■中学校進路指導における業者テストに関する県の見解

中学校進路指導における業者テストについて、県からどのように示されているのかを確認しました。教育委員会によると、2015年(平成27年)に「生徒・保護者から信頼される進路指導・キャリア教育の充実について」の文書が示されました。この文書では、業者テストの偏差値等を高等学校へ提供しないこと、中学校が業者テストの実施に関与しないことなどが求められています。目的は、業者テストの偏差値のみに頼った進路指導とならないようにするためとされています。

 

■長期的な視点に立った改善策を

北辰テストのようないわゆる業者テストは、必ずしも受験に必須ではありません。しかしながら、特に埼玉県の高校入試において、北辰テストは非常に重要な役割を担っています。また、修学旅行と北辰テストの日程調整も単純ですが簡単な問題ではありません。より早い段階から日程調整を行う必要があります。民間テスト機関との協議も必要です。修学旅行と北辰テストの日程調整は重要な課題の一つであり、関係機関が協力し、生徒や保護者の声を反映しながら、長期的な視点に立って改善に取り組んでいくことが求められます。引き続き、解決策を見出せるよう当事者として取り組んでいきます。

 

⇓来年度の修学旅行予定はコチラ

【2025年度】草加市立中学校の修学旅行日程-北辰テストと重なる可能性も(佐藤憲和公式ブログ)

 

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埼玉県内40市における水泳授業の民間活用状況【最新情報】

2024年06月19日 | 子育て・教育

埼玉県内40市の水泳授業における民間活用の状況について、最新情報をまとめました。

 

草加市教育委員会を通じて埼玉県内の40市すべてに調査を実施しました。結果は次の通りです。

 

・2023年度、25市が民間スイミングスクールを借りて水泳授業を実施

⇒草加市、さいたま市、川越市、熊谷市、行田市、秩父市、加須市、本庄市、春日部市、深谷市、上尾市、蕨市、入間市、志木市、和光市、新座市、桶川市、久喜市、北本市、蓮田市、坂戸市、鶴ヶ島市、吉川市、ふじみ野市、白岡市

※坂戸市については、市内小学校12校のうち1校が民間スイミングを活用し、11校は学校のプールにインストラクターを呼んで水泳授業を実施しているとのことです。ほとんどの市は、一部の小中学校のみ民間スイミングを活用していました。

 

・2024年度からは新たに6市が民間のプールを活用する予定

⇒東松山市、越谷市、戸田市、和光市、八潮市、幸手市

 

 

↓画像をクリックするとPDFファイルで確認できます

 

【関連記事 佐藤のりかず公式ブログ】

草加市×民間:水泳授業の新たな可能性を探る(2024年06月19日)

民間プールを活用した水泳授業を調査-草加市立新田小学校(2023年10月11日)

 

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草加市×民間:水泳授業の新たな可能性を探る

2024年06月19日 | 子育て・教育

6月17日の草加市議会で、学校の水泳授業における民間との連携や活用について質問しました。

近年、水泳授業の民間活用が全国的に広がっています。草加市においても、2023年度から新田小学校が民間スイミングスクールでの水泳授業をはじめました。

 

■学校プールのランニングコスト

草加市内小中学校の水泳授業にともなうランニングコストは年間約2620万円です。水道使用料や修繕費等のみの合計額ですので、老朽化や故障などによる工事費を含めるとさらに膨らみます。

近年の猛暑や天候で水泳授業がほとんど中止に…といったことも起きていますが、ランニングコストは毎年かかります。

 

■民間活用で水泳授業の質向上と教員の負担軽減を実現

2023年度から民間スイミングスクールでの水泳授業をはじめた新田小学校では、民間プールの活用により教員の負担軽減や、施設老朽化による維持管理業務の軽減、天候に左右されないこと、専門インストラクターが教えてくれるため授業の質や安全面の向上などに繋がっています。

民間活用をスタートして2年目に入る新田小学校の水泳授業について、今年度の実施予定を質問しました。草加市教育委員会によると、昨年度に引き続き、全学年が1単位時間60分~70分の水泳授業を4回実施する予定です。さらに今年度は、インストラクター数を2人から3人に増員し、個々の泳力に応じたグループに分けて指導する方法にするとのことです。教員のみでは、なかなかできない方法ですね…すごい!

※新田小学校のプール授業の詳細はコチラ ⇒ [民間プールを活用した水泳授業を調査-草加市立新田小学校(2023年10月11日)]

 

■民間スイミングにおける教員の役割

民間スイミングスクールで水泳授業を行う際の教員の役割についても確認しました。草加市教育委員会によると、「教員は学年や児童の実態に応じて、学習指導や救護等の支援を行うとともに、児童の評価をおこなうこと」としています。水泳授業をただ民間に手放すのではなく、民間プールで水泳授業をおこなう際の教員の職務や責任はどうあるべきかといった議論も今後重要となります。

 

 

■埼玉県40市の民間スイミング活用状況

埼玉県40市について水泳授業の実施状況を確認しました。草加市教育委員会によると、2023年度に民間スイミングスクールを借りて水泳授業を実施している市は、草加市を含めて計25市です。坂戸市については、市内小学校12校のうち1校が民間スイミングを活用し、11校は学校のプールにインストラクターを呼んで水泳授業を実施しているとのことです。

また、2024年度からは新たに6市が民間のプールを活用する予定です。越谷市では、小学校1校で民間プールを活用して、教員とインストラクターで水泳授業を実施する予定とのことです。

 

※県内の状況一覧はコチラ ⇒ 埼玉県内40市における水泳授業の民間活用状況【最新情報】(2024年06月19日)

 

 

■築40年を超えるプールの状況

新田小学校以外の小中学校プールの老朽化状況を確認しました。

プールが築40年超から50年までの小学校は10校、中学校6校。築50年を超える小学校は5校、中学校3校です。そのうち、民間スイミングスクールまで徒歩圏内で行ける学校は草加小学校の1校とのことでした。

 

■現状と課題、そして未来への展望

新田小学校の場合、プールが故障して直すにも相当費用がかかること、老朽化により直しても別の故障が生じる可能性が高いこと、学校から徒歩圏内で民間スイミングスクールがあり、快く協力を得られたことなどの背景がありました。

実施すべきメリットがかなりありました。

学校の水泳授業は、すべて民間委託すれば良いというものではありません。移動手段などを含めた安全確保、移動時間や費用面の課題などが多々あります。まずは、それら課題をクリアできる可能性のある学校について、民間活用を検討していくよう提案しました。

提案に対して教育委員会は、「プールの破損等により水泳授業が実施できなくなる場合などに備え、民間活用を含めた水泳授業の代替手段の調査・研究を進める」と答えました。

 

注意すべき点は他にもあります。

特に中学校の水泳部です。

学校プールがなくなってしまうと、水泳部の生徒たちは練習の場を失ってしまいます。

草加市では今後、栄中学校の建てかえが予定されています。遅くとも、それまでには草加市教育委員会としてプールの在り方についての考えやガイドラインをまとめるよう求めました。

 

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