草加市議・佐藤のりかず公式ブログ

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22年度の国保税値上げは本当に必要か

2021年04月26日 | 市政・議会・活動など
草加市では、令和4年度に国民健康保険税の再値上げが計画されています。
令和2年度の値上げに引き続き、本当に再値上げが必要なのでしょうか?考えてみたいと思います。

①値上げの目的は「法定外繰入金」の解消
そもそも、国保税を値上げする理由は、草加市の「赤字削減・解消計画」に基づきます。
計画をつくった経緯は、国保会計が市町村から都道府県に移行する国保広域化にあわせて、埼玉県と厚労省の要請により市町村が策定しました。
計画の目的は、一般会計から国保会計への法定外繰入金(財政支援)を「赤字」と定めて、その赤字(計画対象となる赤字額)を解消させることを目的にしています。
具体的には、平成28年度決算を基準に「計画対象となる赤字額」を7億7680万4千円と算定し、令和10年度までに全額削減させます。令和2年度、4年度、6年度、8年度、10年度に、各1億4千万円規模の税制見直し(値上げ)を繰り返します。昨年度値上げされたばかりなのに、これから8年間で4回も値上げが繰り返される市民生活を度外視した計画です。




②赤字の算定式
この「計画対象となる赤字額」7億7680万4千円の計算式は、平成28年度決算額をもとに次の通りです。
【(法定外繰入金:21億1588万8千円)-(単年度黒字額:9億7182万6千円)-(療養給付費等交付金精算額:58万3千円)-(後期高齢者支援金精算額:2億6764万5千円)-(介護納付金精算額:9902万9千円)=赤字基準額7億7680万4千円】
→法定外繰入金額から、単年度黒字額や各種精算額を差し引いた残額が「計画対象となる赤字額」とされています。


③すでに赤字は解消された段階では
計画策定した当時は、一般会計から国保会計に20億円を超す法定外繰入を行っていました。
しかし、近年はグラフの通り、予算段階の法定外繰入額に対して、決算額が大幅に減少し、多額の法定外繰入金を一般会計に返金する流れが続いています。コロナ禍で国保税を値上げした令和2年度決算見込みでは、法定外繰入が2億円程度まで抑えられる見通しとなっています。



つまり、すでに大幅に減少した法定外繰入金(約2億円)から、単年度黒字額や各種精算額を差し引くと、赤字額はほぼ解消されることが予測されます。赤字削減は達成された状況にあると見込まれます。
まずは草加市が、現状の決算見通しをベースに再計算して「計画対象となる赤字額」を明らかにすることが重要です。その上で、「赤字削減・解消計画」の見直しと、再値上げの見送りを決断すべきです。


④コロナ禍で失業などによる国保加入者が増加
また、国保会計の支出については、新型コロナの影響による病院控えなどにより令和2年度の一般被保険者の療養給付費が5.0ポイント減少しています。
国保加入者の推移については、高齢化により国保から後期高齢者医療に移行する方が増えていることで国保加入者数は例年2千~4千人程度減少しています。しかし、コロナ禍において社会保険加入者の減少や社会保険喪失者の増加などにより令和3年度は710人程度の減少と緩やかになっています。
支出状況や新型コロナで経済的に苦しい国保加入者が増加している実態に即した判断も重要です。


⑤再値上げに向けた検討スケジュール
令和4年度の再値上げに向けた検討スケジュールは次の通りです。(令和3年2月定例会の福祉子ども委員会審議より)
令和3年8月ごろまでに庁内での改定内容を定める→9月ごろに議会会派への説明→11月ごろに国保運営協議会にはかる→12月に値上げ議案を議会に上程

実態を正確に把握した慎重な議論を求めていきます。
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