草加市議・佐藤のりかず公式ブログ

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二元代表制の問題を追求した議員に「謝り方が納得いかない」等と懲罰-議会の良識はどこへ

2021年09月30日 | 市政・議会・活動など
9月27日の草加市議会で、市民共同議員団の斉藤雄二議員に対する懲罰が賛成多数(記事の一番最後に掲載)により可決され、斉藤議員の陳謝がおこなわれました。多くの議員が「よく分からない」と言いながら、共産党までもが賛同してまともな審査もなく重たい処分を課した議会の良識を疑います。


[1]問題の発端と懲罰までの経緯
・発端は9月14日に、斉藤雄二議員が市長の政治姿勢について一般質問をおこなったことに始まります。この質問により、浅井昌志草加市長が2018年12月25日まで取締役をつとめていた保険事務所に佐々木洋一議員がスタッフとして所属している事実などが明らかとなりました。➔詳細はコチラ
・9月17日に、佐々木洋一議員が、斉藤議員の質問で自身が侮辱を受けたとして処分要求書(下参照)を議長に提出しました。
・この処分要求書を受けて、9月22日に懲罰委員会が設置され、斉藤議員が弁明を行った後に委員会審査がおこなわれました。
・9月27日の市議会閉会日に、市民共同議員団の石田恵子議員が懲罰の反対討論をおこないましたが、賛成多数で懲罰が可決。直後に、斉藤議員は本会議場で陳謝させられました。

処分要求書の原本




[2]斉藤議員の弁明
斉藤議員は、懲罰委員会で主に次の3点について弁明しました。
①佐々木議員は処分要求で「浅井市長は市長就任後に会社の取締役を辞任しており、浅井市長と私の間には雇用等の関係はない」としたが、これは、取締役であれば雇用関係にあるとの認識を自ら認めた文書だ。少なくとも2018年10月の市長就任から、取締役を辞任する2018年12月までの2か月間は、雇用関係にあったことを自ら認めただけであり、指摘にすら当たらない。
②佐々木議員は「明らかに必要な限度を超えた人身攻撃」と言うが、私(斉藤議員)の質問は、市長自身が認めた通り「政治倫理の確立のための草加市長の資産等の公開に関する条例」に基づく誤りを議会で明らかにし、二元代表制のチェックアンドバランスの関係性における疑義をただしたもの。佐々木議員のプライベートまで立ち入った質問は行っておらず、問題の本質は、市政全体への信頼が崩れかねない問題を究明することにあり、指摘は当たらない。 
③「怪文書」とのご指摘については、佐々木議員がおっしゃる通り私が言い過ぎたものであり、この点について反省し、この場をお借りして謝罪させていただく。


[3]まともな懲罰根拠なき委員会審査
懲罰委員会では、懲罰を課すべき根拠がほぼ示されませんでした。
唯一、広田丈夫議員から理由が2点述べられました。1点目は、斉藤議員の質問が「限度越えている」「関係者の正常な感情を反発する言葉がある」との理由。2点目は、斉藤議員が弁明で謝罪したことについて、「あれは謝ってないと思います」「あれで許していたら、絶対思っていないですから、やはり懲罰に値する」と説明しました。
つまり、この点のみが懲罰委員会として懲罰を決めた理由です。懲罰委員会は、客観的かつ公平・公正な議論と判断が求められることは言うまでもありません。懲罰を課す根拠がすべて感情・主観である今回の懲罰はあきらかに不当なものです。

石田恵子議員が懲罰の反対討論で指摘した通り、すでに謝罪している議員に、謝り方が納得いかないから懲罰しろ、本会議で陳謝しろという論調は非常に危険です。これが先例となれば、今後は、どのような謝罪をしたか、謝罪が良かったか悪かったかまで懲罰を課す正当な理由になってしまいます。それは、広田議員自身やすべての議員に降りかかってきます。まさに議会の良識を疑います。


[4]発言削除も求めず、いきなり処分の矛盾
難しい話ですが、処分要求をおこなった佐々木議員はなぜ、議会の基本である発言の削除を議長に一切求めなかったのか疑問です。なぜなら、懲罰をおこなっても、斉藤議員の発言は消えないため会議録に残り続けるからです。
言論の府である議会では、議員の発言は最大限保証されるべきです。そのもとで、不適切な発言があれば発言の削除を求めることができます。今回の発言も、納得いかなければ発言の削除を求めるのが当然です。それでも解決しないような場合にはじめて懲罰の話しが出てくるべきです。
結局、発言を削除できる期限だった議会閉会までに、佐々木議員から発言の削除要求は一回もありませんでした。(発言は公式記録として残り続けることが確定)
はじめから懲罰目的だったことを自ら証明したものに他なりません。


[5]問題の本質が解消されるわけではない
そして、斉藤議員への懲罰が実施されたからと言っても、そもそもの疑惑が解消された訳ではありません。
斉藤議員が弁明で述べた通り、少なくとも2か月間は、市長と議員が雇用関係にあった疑惑が真実として裏付けられました。
二元代表制に係る問題は、議会全体が背負うべき問題です。石田恵子議員が懲罰の反対討論で指摘した通り、もし本当に懲罰に値するような発言があるならば、議会として真実を解明すべきです。虚偽発言かどうか、100条委員会(特別委員会)を設置して徹底的に真相を究明すべきです。


■懲罰に対する賛否
【賛成】16人
佐々木洋一(公明党)、飯塚恭代(公明党)、石川祐一(公明党)、金井俊治(公明党)、広田丈夫(公明党)、
切敷光雄(草加新政)、新井貞夫(草加新政)、鈴木由和(草加新政)、関一幸(草加新政)、中野修(草加新政)、
白石孝雄(草加自民)、松井優美子(草加自民)、
佐藤利器(そうか市民)、井手大喜(そうか市民)、吉岡健(そうか市民)、
大里陽子(無所属 ※共産党議員)

【反対】8人
小川利八(草加自民)、芝野勝利(草加自民)、田中宣光(草加自民)、
石田恵子(市民共同)、佐藤憲和(市民共同)、
菊地慶太(立憲民主)、矢部正平(立憲民主)、
吉沢哲夫(無所属)

※西沢可祝議員は議長のため採決に加わらず。斉藤雄二議員も対象者のため採決に加わらず。
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草加市議会で「選択的夫婦別姓」の意見書が可決!

2021年09月29日 | 市政・議会・活動など
9月27日の草加市議会で、「選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論を求める意見書」が全会一致により可決しました。公明党が提出者となり、全会派団長が賛同者となるかたちでの意見書提案です。

これまでも草加市議会では、令和元年9月定例会で「選択的夫婦別姓制度について国会審議を求める意見書」が全会一致で可決しており、改めて草加市議会の意思表示が示されました!

また、今回の意見書は「法制化に向けた積極的な議論を行うよう強く求める」と明記され、さらに踏み込んだ内容の意見書です!
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なぜ草加はベテラン保育士が不足しているのか-保育士採用の歴史

2021年09月22日 | 市政・議会・活動など
■15年間にわたる採用空白期間
草加市の公立保育園に勤務している正規保育士数と、各年度の採用・退職者数を1978年度からまとめました。

水色の棒グラフの採用人数を見ると、1983年度から1997年度までの15年間にわたり採用0人が続きます。この15年間で新規採用した保育士は1995年度の4人のみです。現在の40歳代、50歳代がこの空白期間にあたります。
草加市では、ベテラン保育士の不足を補うため2016年度から採用試験の受験資格(年齢上限)を34歳から45歳に引き上げ、さらに2018年度から55歳に引き上げ現在に至っています。
また、直近10年あたりで正規保育士の採用数が退職数を上回る流れに改善されてきています。

[グラフ①]各年度の正規保育士数と採用・退職人数の推移/ 1978年度~



■正規保育士の76%が20~30代
正規保育士について、受験資格(年齢上限)が引き上げられる前年度(2015年度)の年齢構成を円グラフにまとめました。
20歳代(48人)と30歳代(97人)をあわせると、30歳代以下が正規保育士の76%を占めています。園長先生などを担う年代であるベテラン保育士が圧倒的に不足しています。ちょうど、グラフ①の採用空白期間にあたる年齢層です。

[グラフ②]正規保育士の年齢構成/ 2015年4月1日時点



■非正規頼みの限界
過去10年間の臨時保育士(フルタイム保育士のみカウント)採用・退職人数の推移をまとめました。
採用数と退職者数の差を赤色の折線にしました。以前は退職者数を上回る採用実績となっていましたが、ここ数年は臨時保育士の採用が困難となり退職者数が上回る傾向にあります。
正規と臨時の賃金差や、保育需要の増加に伴う都市部での保育士確保競争などが背景にあります。さらに草加市では、安定的に保育士を確保してこなかった当時の政策判断のツケが、現在の保育士不足に追い打ちをかけています。

[グラフ③]各年度の臨時保育士採用・退職人数の推移/ 過去10年間
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草加市長が取締役だった会社のスタッフに議員がー市長の公開資産の誤りも発覚

2021年09月15日 | 市政・議会・活動など
市民共同議員団長の斉藤雄二議員が9月14日に、市長の政治姿勢について一般質問をおこなった。
質問により、浅井昌志草加市長が2018年12月25日まで取締役をつとめていた有限会社プラスワン保険事務所(以下、プラスワン)に、佐々木洋一議員(公明党市議団長、前議長)が草加営業部スタッフとして所属している事実が明らかとなった。

※プラスワン保険事務所(あいおい保険イースト)ホームページ
・「スタッフ紹介」ページの「草加支店 営業部(LA)」に、佐々木議員が顔写真付きで掲載されている



■営業所は市長所有地
プラスワン草加支店は、浅井市長の所有地に登記されている。
同支店事務所(平屋建て)には、浅井市長が代表取締役をつとめる有限会社エスアイエス(以下、SIS)も同居している。両社の関係は、2008年4月1日にSISの保険部門がプラスワンと合併し、プラスワン草加支店を開設した経緯がある。なお、市長答弁によるとその後、SISは不動産管理業務をおこなっているとのこと。


※プラスワンとSISの事務所入口写真:郵便受けには両社名が一緒に掲げられている(斉藤議員撮影)



■市長が出資者かは個人情報を理由に説明せず
「市長や市長の家族は、有限会社プラスワン保険事務所の出資者(株式会社で言うところの株主)なのか?」との質問し対して、浅井市長は個人情報を理由に「答えられない」と答弁した。この点は明らかにならなかった。

市長の答弁により少なくとも、浅井氏が草加市長に就任した18年10月29日からプラスワン取締役を退任する12月25日まで、市長と議員が労使関係にあったことになる。二元代表制におけるチェック&バランスの関係等において、市長と市議会全体の信頼にかかわる重大な内容であり、市長の誠意ある説明責任が果たされることを期待する。


■市ホームページ「市長の資産公開」に誤り
さらに、草加市役所ホームページに公開されている「市長の資産公開」の記載内容(自動車や会社等)が、複数個所にわたり誤っていた(報酬を得ている会社役員などが記載されていなかった)事実も明らかとなった。市長の資産公開は、民主政治の健全な発達に資することを目的とする「政治倫理の確立のための草加市長の資産等の公開に関する条例」に基づく重要な公開情報である。今回の誤りは非常に重い。



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佐藤のりかず公式ブログ[二元代表制の問題を追求した議員に「謝り方が納得いかない」等と懲罰-議会の良識はどこへ](2021年9月30日付)
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市民共同議員団ニュース2021年9月号-保育特集

2021年09月13日 | 議会報告・ニュースなど
草加市による「やはた保育園分園」をなくす計画を地域の方々に知っていただきたい!
後援会の方々と一緒に、保育園の周辺地域に配布中です。





<1面記事>
・やはた保育園分園をなくさないで!
・「0歳児保育休止や育成保育見直し等の方針案撤回及びやはた保育園分園の存続を求める要望書」を提出

<2面記事>
・草加市が保育の大幅後退を計画
①公立保育園の0歳児保育を休止
②育成支援クラスを創設・集約
③提供体制の見直し:保育施設の再編、土曜保育の共同実施


【佐藤のりかずブログ関連記事】
・【緊急要望】草加市が0歳児保育や公立保育園分園を休止させようとしています!!(2021年08月30日付)
・公立保育園の0歳児保育は本当になくなっていいのか?(2021年09月07日付)
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