生理学に続く物理学のノーベル賞受賞、おめでたい限りです。
そのうち日本人がほとんどの賞を独占してしまうのではないのでしょうか。
それはともかく研究の内容や成果となると、まったくといっていいほど理解が及びません。
ニュートリノに質量があることを証明した功績、それが今度の梶田さんの受賞理由です。
といっても、ニュートリノとは何ぞや、がまるでわかっていません。
素粒子の1種だと言われても、素粒子が何だかもわからない。わからないものはわからない。
宇宙の成り立ちはどうなのか。ということには興味があります。
で、一時期、そういった方面の本をよく読みました。
といっても専門書は荷が重いので、某出版社のブルーバックスというシリーズ。
アインシュタインの相対性理論の本を読んでわかったこと。
その理論の内容をほんとうに理解しているのは、世界に数人しかいないと書いてありました。
それを書いた著者がその数人のうちの1人なのかどうかは、わかりません。
少なくとも、わたしには、わからないことがわかりました。
原子は、原子核と電子からできていて、原子核は陽子と中性子からできている。
そういう初歩的な知識ですら、相手が眼に見えないものだから、なかなか理解が及びません。
知識として鵜呑みにするだけならそれでいいのでしょうが、とてもわかった気にはなれません。
そこでよく出てくるのが見えるものに喩えての説明です。
原子核の大きさを半径1メートルのボールとして東京駅に置く。
そうすると電子は、半径100キロほど先の沼津、日光、銚子あたりを回っている。
それが原子の中は隙間だらけだという説明の喩えです。
それじゃ、沼津や日光などに行くまでは、何にもないのかよ。
葛飾なんてところもなく人もいなくていいのかよ、と突っ込みたくなってしまいます。
一般向けの科学本を読むと、この手の喩え話が多く書いてあります。
目に見えないものを説明しようとすると、どうしても目に見えるものに喩えがちです。
ところが、日本人は喩え話が下手、という定評があります。
優秀なサイエンスライターが育たない理由の一つにもそれがあるようです。
今回のニュース報道を見ても聞いても、科学的な解説はほとんどありません。
人間関係の報道が殆ど、それはそれでいいとしても、もうちょっと中身が欲しいと思います。