粛々と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、鞭声粛々夜川をわたる・・・・川中島の戦いでしたか。
敵に気づかれないよう夜陰に乗じ、鞭の音も立てずにひっそりと馬で川を渡る。
静かに、静かに、という状況で使われる言葉でしょう。
もっとも、ふだん着の言葉としては、静粛とか厳粛とかのほうが耳に馴染んでいます。
ちょっと形式ばった時に、粛々、となるのかもしれません。
ただ、いずれにしても、「目線」ということが関係する言葉ではない気がします。
なのに、沖縄県知事はなぜ「上から目線」と言ったのか?
そう言われたほうも、それが不快ならこれからは「粛々」使いません・・・・。
こちらがあっさりと引っ込んだのは、事を荒立てたくない、こじらせたくないからでしょう。
ついでに、首相までもが「粛々」と云えなくなったオチまでつきましたが。
ここからは、わたしの勝手な推測。
県知事は言葉ではなく、相手の人を見下すような態度が気に入らなかったのでしょう。
それをあからさまに云うと人格攻撃になる、だから、言葉に結びつけたというわけ。
あんたの態度がデカ過ぎるんだよ、あんたはそんなにエラいのか?
と言いたいのですが、そう言ってしまってはケンカになるので、言葉にかこつける。
考えて見たら、よくある手ですけどね。
それにしても横柄な態度と云うのは、人を不快にさせます。
もともと横柄な人が、粛々という言葉を使って話したところで、真意は伝わりません。
というより、心底から誠意を持っているなら、横柄な言動などしないと思います。
地元の理解を得ながら、と口では言いながら、問答無用という本音が透けて見えます。
だから粛々という言葉も、上から目線で聞こえてしまうのでしょう。
そういえば、政治家、官僚、企業の社長くらいですかね、粛々がお好きな人たちは。