この頃になると思い浮かぶ詩の一節。
「あはれ 秋風よ、こころあらば伝えてよ
男ありて 夕餉に ひとり さんまを食らひて 思いにふける と。」
実際にはひとりでなくカミさんとふたり。
食らひたるはさんまではなく、アマダイの刺し身。
甘鯛または尼鯛と書く・・・海は広く、出家したサカナも泳いでいるようだ。
窓から一陣の風。
秋の風の冷たさだな、と思う間もなく激しく通り雨が過ぎていきました。
「秋の日のビィオロンのためいきの 身にしみてひたぶるにうら悲し・・・・」
昼間、曳舟川親水公園の中の道を通りました。
越してきた当初は公園はなく、ほんものの川の両側に桜並木。
それが残っていれば、もっと風情のある街並みになっていたでしょうに。
郷里の街も堀と柳の多いところでした。
街中を幾すじもの掘割が走り、その両側はどこも柳の並木。
高度成長でみんな埋め立てられ、地下街や駐車場に。
便利な生活のために古い街並みや自然をこわしてゆく。
結果として、大都市、地方都市、どこへいっても似たような町の貌。
今になって、日本橋に空を・・・まあ、やらないよりはいいか。