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【070921】効果的な獣害対策を 現地調査終え10月中旬に結果報告

2007年09月21日 | 獣害-対策:シカ・イノシシ
 古座川町潤野区をモデル地区に獣害対策を考える、京都大学大学院農学研究科助教の九鬼康彰さん(37)らの研究グループは20日までに現地調査を終えた。区民からのアンケートや聞き取り調査を基に分析し、10月中旬に結果を報告する。九鬼さんは「高齢者が多い地域で、農地をどうやって守っていけばいいか効果的な対策を提案したい」と話している。


 県の2カ年事業「中山間ふるさと水と土保全対策事業」で、高齢化が進む山間部での有効な獣害対策を探ろうと実施した。

 潤野区には24戸53人が住み、農地15ヘクタールのうち休耕地を除いた10ヘクタールで米や野菜を栽培している。作物を守るため20年ほど前から区民が協力し、区内全体の農地を囲むように電気柵を張っている。

 九鬼さんらは7月からの現地調査を基に、農地のうち田や畑、休耕地などの占める割合を示した図を作った。電気柵やワイヤ、塗炭など、管理している道具や機材の種類と範囲が一目で分かるようにもなっている。シカやイノシシなどによる獣害がいつ、どれぐらいの面積に及んだかも聞き取り、図面上に色分けした。

 出来上がった図を基にこのほど、潤野区集会場で個人面接形式の聞き取りをした。集まった12人に、通電や電線のチェック、草刈りなどの管理方法や作業、1回当たりの作業時間や人数を聞いた。また、電気柵の管理で困っていることや、将来、管理を何年続けることができそうかなどについて質問した。

 住民からは「10年後に管理を続けていられるか分からない」「現在の電気柵だとイノシシの子どもが入ってしまう部分がある」「しっかりした囲いが欲しいが、資金面が不安」などの意見が出た。

 事前のアンケートでは、農業収入とそれ以外の収入や、休耕地を持っている人は何年ぐらい放置しているかなどを聞いている。電気柵が効果を表しているかどうか調べるために、11カ所に設置したセンサー付きカメラには、シカなどが映っていた。今後も撮影を続け、これらを踏まえた上で対策を考えていく。

 九鬼さんは「獣害対策の取り組みは優秀というのがいままでの評価。地域の将来像を考え、高齢者でも負担が軽く、簡単にできる管理方法を探り、提案したい」と話す。

 同区の徳山征二さん(63)は「管理ができなくなると農地は荒れてしまう。よりよい管理方法や獣害対策を聞いて、地域全体で協力していければ」と話している。

紀伊民報
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=132001

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