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【110209】イノシシ肉を美味へしこに 獣害の“悪役”変身

2011年02月24日 | 獣害-利用

~ 転載 ~

 福井県内農作物に獣害をもたらすイノシシの肉を有効活用しようと、県立大生物資源学部長の宇多川隆教授(63)が、本県伝統の保存食「へしこ」を製造する技術を使って“へしこシシ肉”の試作品を完成させた。宇多川教授は「保存性とうま味を同時に引き出すへしこの製法は福井伝統の技術。獣害で嫌われているイノシシを福井の特産品に変身させたい」と、製品化に向け意欲を見せている。

 宇多川教授は食品製造大手の「味の素」で発酵技術研究所長などを務め、2008年4月から同大教授に就任した。直後からへしこに関心を持ち、製造過程で捨てられるサバの内臓を使った魚醤(ぎょしょう)の開発などに取り組んでいる。同時並行でサバの代わりに豚肉や牛肉を使ったへしこの開発も進めてきた。

 イノシシ肉のへしこ開発のきっかけは昨年3月。宇多川教授の研究を知った市民から「獣害の原因となるイノシシ肉を活用しては」と、県内で捕獲されたイノシシ肉約1・3キロを提供された。

 サバへしこは基本的に1~2週間の塩漬け、8~12カ月のぬか漬けで発酵させて完成する。豚肉の場合は塩漬け期間を短くするなど、これまでの研究でほぼ確立できたノウハウをイノシシに応用して試作品作りを始めた。

 1年近くぬか漬けして出来上がったばかりの試作品は「ハムのような発酵肉。へしこの風味と塩味があり、イノシシ肉特有の風味も残っている」(宇多川教授)。今後は料理の専門家らと意見交換し、イノシシ肉の風味を消すかどうかを検討する。製造過程でしょうゆやみりん、日本酒などの調味料を加える必要性も研究していく。

 09年度の県内のイノシシ捕獲頭数は、過去10年で最多の7789頭。このうち家庭や店舗で食肉として消費されたのは約2500頭にとどまり、県は獣害対策の一環としてイノシシ肉の有効活用策を探っている。

 宇多川教授は「イノシシ肉のへしこ作りのノウハウは公開していく予定。関心のある企業と製品化の道を探りたい」と話している。イノシシと同様に獣害を引き起こしているシカ肉のへしこの研究についても意欲を示している。

福井新聞


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