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【070923】アライグマ “傍若無人” 美濃加茂市の鳥獣保護区 市、捕獲条件緩和も視野

2007年09月24日 | 獣害-状況
 美濃加茂市森山町でアライグマの被害が続いている。民家の天井裏に潜り込み、中には子育てを始めることも。鳴き声や足音がうるさいだけでなく、尿やふんのせいで天井を張り替えた家もある。「アライグマショック」ともいうべき事態だが、木曽川を挟んで隣接する可児市は本年度、アライグマを捕獲しやすくする取り組みを始めた。20日から26日まで動物愛護週間。人と動物の悩ましいあつれきが続く。

 「まったくずうずうしい」。美濃加茂市森山町で米穀店を営む山田正和さん(56)は憤慨する。天井裏のアライグマに気付いたのは2年ほど前。煙型の殺虫剤で追い出したが、その後も何度か忍び込んでくる。同町は国道41号沿いの住宅地。「町中を歩いているところも見た」と証言する。

 山田さん宅向かいの鈴木キクノさん(82)宅の天井裏にはアライグマの子どもが。鈴木さんは「鳴き声がするので調べた。そーっと天井裏を見たら目が合った」という。尿などで汚されたこともあり、25万円ほどかけて天井を張り替えた。

 アライグマの被害は美濃加茂市議会の9月定例会一般質問でも取り上げられた。市は「市内のほぼ全域で生息を確認している」と明らかにした。

 山田さんは「市役所に連絡しても対応が悪い」と怒るが、美濃加茂市役所にも理由がある。一帯は日本ライン鳥獣保護区に指定されているのだ。

 同保護区は美濃加茂市、可児市、坂祝町、八百津町などの木曽川沿い6320ヘクタール。個人での鳥獣の捕獲が基本的に禁止されている。

 同市はイノシシやサルなどの対策を優先させており、実質的にアライグマ対策は手つかず。そんな美濃加茂市が注目するのが、可児市の取り組みだ。

 可児市は1962(昭和37)年、日本で初めてアライグマの野生繁殖が報告された場所。愛知県の研究施設から逃げたアライグマが繁殖したといい、「アライグマの本籍地」と表現する関係者もいる。

 かわいらしい外見から、一時はマスコットとしてキャラクターにもなった。だが市内全域に広がった今となっては厄介もの。事態打開のため、可児市は本年度から外来生物法に基づく駆除を始めた。

 これまでは鳥獣保護法に基づき、狩猟免許を持つ人に期間、場所を区切って捕獲許可を出していた。だが手間もかかり、効率的ではなかった。

 そこで、可児市は5年間の防除実施計画を策定。アライグマ、ヌートリアを対象に、同計画の従事者対象台帳に登録した人は、狩猟免許がなくても、わなを設置できるようにした。

 登録者は約70人。捕獲しやすくなったことで、ここ2、3年、年間30頭ほどだった捕獲数は、本年度はすでに20頭になった。

 県全体では昨年度のアライグマによる農作物の被害額は342万円。最多のイノシシは5000万円を超え、イノシシに比べると被害額は少ない。だが、アライグマは人家の近くで活動し、人目にも付きやすく、被害が大きくとらえられやすいようだ。

 県内の動物に詳しく、可児市史のアライグマの項目編集にも携わった、県哺乳動物調査研究会員の梶浦敬一さん(65)=岐阜市=は「アライグマは全国でも広域化している。1自治体がやるだけでは、捕獲しても別の場所からすぐ移動してくる。広域で取り組むことが望ましい」と指摘。一方で、「ただアライグマには責任がないのに、かわいそうでもある」と話す。

岐阜新聞
http://www.gifu-np.co.jp/kikaku/focus/fo20070923.shtml

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