~ 転載 ~
シカが農作物を荒らす被害が広がる。昨年度の県内の被害額は3500万円を超え、前年度の3倍、5年前の135倍に上った。今年度も昨年度を上回る勢いだ。防獣ネットも飛び越えるので侵入を防ぐ手立てがなく、生産をあきらめる農家まである。県は捕獲頭数の制限をなくしたり、防獣ネットの設置に補助金を出したりして対策を進めている。
智頭町で農業を営む寺谷登喜江さん(82)の畑ではキャベツとブロッコリーの茎だけが残った。「こんなことは初めて」。今季は出荷できず、来年に向けてすべての畑を防獣ネットで囲った。
同町の寺谷恒雄さん(71)がソバ畑を見に行くと7頭のシカが実を食べていた。人の背丈ほどある防獣ネットも軽々と飛び越えた。10月の収穫で実が採れたのは3反あるうち1反分だけ。「2、3年前からシカが出始めた。今は毎朝、道路を渡るシカを10頭以上見かける」と言う。
シカに食べられるので稲作はあきらめた。狩猟できる人は集落に1人しかおらず、駆除が追いつかない。
県によると、被害は大根などの野菜類や稲が多い。県内のシカの数は把握できていないが、捕獲数は昨年度1605頭と前年度の591頭から約2・7倍に増えた。大半が県東部という。近年の暖冬で山の積雪が少なく、シカの活動が活発になっているのが一因とみられる。
駆除には市町村の許可を得て行う有害捕獲と、定められた期間の狩猟がある。今年度の狩猟期間は全国では11月15日~2月15日だが、県は独自に延長して11月1日~2月28日とした。1日1頭とされている捕獲制限も解除して無制限とした。
県によると、農作物の被害防止には数千ボルトの電流が流れる電気さくにワイヤの網を上乗せし、シカが飛び越えられない高さを確保する手法が有効という。県は防獣ネットの設置費の3分の1を補助する施策を打ち出したほか、有害捕獲する場合には1頭にあたり5千~1万円を補助している。
朝日新聞
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