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【070923】遊休農地の雑草、ヤギにおまかせ

2007年09月24日 | 牛・ヤギ放牧
 ヤギに雑草を食べさせて遊休農地を荒廃から守る放牧試験に、佐久市の独立行政法人・家畜改良センター長野牧場が取り組んでいる。ウシでも同じ試みが行われているが、小型のヤギは狭い農地でも放牧できる。ヒツジほどか弱くないため野生の動物が恐れ、サルなどの獣害予防も期待できるという。ただ、難点は活用後。「冬場、小学校で世話をしてもらうなどの仕組みができればいけるのだが……」と担当者は期待している。

 ヤギ放牧は昨年来の取り組み。農林水産省は、農業の衰退で増える耕作放棄地を今後5年間でゼロにしたいとしており、その一助になるかもしれないと考えた。

 昨年は5月から半年間、1歳半の去勢したオス(体重60~70キロ)を佐久市の上信越道佐久平パーキングエリア隣のスキー場ゲレンデや、市内の信州短大グラウンド周囲など3カ所で放牧した。ゲレンデでは長さ5メートルのロープにつなぎ、週2回ほど場所を移動して1頭につき20~30アールの雑草管理ができたという。

 さくを巡らして放牧した短大グラウンド周囲では、伸びきったススキやアシがまずかったのか「脱走」する珍事もあったが、「ススキが多い場所でも、新芽の時期から放牧すればおとなしく食べるだろう」と同牧場。

 今年はさらに、軽井沢町など5カ所で放牧試験をしている。長和町の松沢地区では、農協や県などでつくる農業支援センターが同牧場から3頭買い上げ、実験している。県上小農業改良普及センターの担当者によると、小径木なら木の樹皮も食べてくれるので、遊休地に低木が生えて耕作放棄地となるのを防ぐ効果はあるとみている。

 05年農林業センサスによると、県内の耕作放棄地は1万7千ヘクタール。耕作放棄率は全国平均の9・7%を上回り、17・5%にのぼる。県はこうした放棄地にウシの放牧を試みているが、こちらはウシの確保が難しいという。

 ヤギの場合、「放牧を終えた後が難しい」と同牧場の藤田優業務課長。草のない冬場の飼育にエサ代がかかるからだ。肉用にするとしても、流通ルートがないため、2万円で購入した1歳半のオスも5千円ほどでしか売れないという。

 同牧場は今月初旬に「長野牧場まつり」を開き、ヤギ肉を振る舞った。美味で例年、行列ができる。「ヤギ肉はヒツジより断然うまい」と話す藤田課長。沖縄のヤギ汁のような食文化が広まれば、ヤギの活用に幅が広がるとみている。

朝日新聞
http://mytown.asahi.com/nagano/news.php?k_id=21000000709230001

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