ノリの東京の友人の生きる糧(福岡編)

日々のちょっとした楽しみや悲しみを徒然に語ります。

もう一度安土に行きたくなった ~ 火天の城 ~

2009年10月07日 | 映画
 昨日は錦糸町で西田敏行さん主演の『火天の城』を観て来ました。織田信長の最後の居城の『安土城』の築城を描いている「今年必ず観に行くぞ。」と心に決めていた待ちに待っていた作品です。

 以前記事に書きましたが、安土城は私の城めぐり人生の中で一番感動した城(城跡)です。5年前の2004年10月に行きましたが、今でも天主の跡に立ったあの時の感動を忘れません。
 『火天の城』は、そんな感動を思い出させてくれた良く出来た作品でした。

 時代劇と言えば武将を中心とした戦争モノの作品が多いのですが、本作は城を実際に作った宮大工や石垣職人や木こり等の職人が主人公の作品です。
 そのため「こうやって城を作ったんだぁー。」とか「こんな生活してたんだぁー。」とか口をあけて感心しながら最初から最後まで観ることができました。とても新鮮で本当に勉強になる映画でした。日本中の歴史好きの人は必ず見なければならない映画の1本ですね。

 特に面白かったのは、安土城を建てる前に、日本で有数の宮大工達に城のデザインに関するプレゼンテーションを信長が行なわせる場面でした。プレゼンの仕方が三者三様で面白かっただけでなく、『効果的なプレゼンの仕方』の勉強になりました。日本中の営業マンは見なければならない映画の1本ですね。

 そんなプレゼン場面以外にも、天主閣の主柱に使う巨大なヒノキを探してくる話や、石垣用の巨大な石を山頂に運ぶ話、等の興味深いエピソードが満載です。
 やはり、コンピューターグラフィックスの技術の進化によって表現できる映像が増えたので、こんなに見事な築城映画が完成できたんでしょうね。10年前とかでは実現できなかったような気がします(今回も特殊効果は㈱白組でした。相変わらずいい仕事をしていますね)。

 キャスティングに関しては、主役の宮大工の岡部又右衛門を演じた西田敏行さんや、信長を演じた椎名桔平さんを始めとする実力派の役者さんが揃っていたので安心して観る事ができました。日本で有数の名バイプレイヤーの寺島進さんと上田耕一さんが出演していたのもスクリーンを落ち着かせた要因の1つでしょうね。


 そんなベタ褒めした本作ですが、私の評価は☆3つです。

 原作通りなのかもしれませんが、せっかく盛り上がった話の展開が終盤で大きく失速してしまいます。起承転結の『結』の部分を重要視するラスト至上主義の私には残念な物語の終わり方でした。名作になり得る可能性があっただけに勿体無かったですね。終盤の2つのエピソードはシナリオの失敗だと思います。

 あと、主人公の妻と娘を演じた大竹しのぶさんと福田沙紀さんは、本作に関して言えばミスキャストだったと思います。
 お二人とも優れた女優さんだと私は思っているのですが、作品から微妙に浮いている違和感を最初から最後まで覚えました。時代劇に向く女優さんと向かない女優さんがあるんですかね?。それともシナリオの問題ですかね?。表現しにくい直感的な感想です。

 以上が『火天の城』の感想です。
 評価は☆3つですが、ブルーレイが発売されたら必ず買うつもりです。終盤はイマイチですが、お城好きの私には、それを補う魅力を本作に感じます。名作ではありませんが、いい映画です。もう一度安土に行きたくなりました。
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