ノリの東京の友人の生きる糧(福岡編)

日々のちょっとした楽しみや悲しみを徒然に語ります。

私の生きる糧の1つがいつまでたっても終わらない ~ 新・餓狼伝 巻ノ三 武神伝説編 ~

2016年06月11日 | 

 先日、外回りの途中に馴染みの本屋さんに寄って本棚を眺めていたら、私が30年近く付き合っている本の題名を見つけたので、「あれっ、新刊が出てるじゃん。」と驚いてその本を手に取りレジに向かいました。

 その本とは、夢枕獏先生の『新・餓狼伝 巻ノ三 武神伝説編』です。日本を代表する格闘小説の最新刊です。
 『新・餓狼伝 巻ノ三』となっていますが、『新』の要素が全くないので、13巻続いた『餓狼伝』の続きの実質16巻です。なぜ『新』を付けて判りづらくしたのか不思議ですね。『武神伝説編』と付いているサブタイトルも意味不明です。『編』となっていますが、前巻の続きですからね。

 以前記事に書きましたが、夢枕獏先生の『餓狼伝』とは約30年の付き合いです(1巻は1985年発行)。学生時代から読んでいます。
 私の生きる糧(趣味)で付き合いが一番長いのは栗本薫先生の小説の『グインサーガ』だったのですが(1巻は1979年発行)、栗本先生が2009年に亡くなられたので、その座は『餓狼伝』に移りました。現在『グインサーガ』は他の作家さん達が書き継いでいますが、栗本先生の書かれていた『グインサーガ』とは別物ですからね。読む方としては同じ情熱では接することはできません。


 そんな私の一番付き合いの長い『餓狼伝』ですが、今回購入した最新刊を会社の休憩所で読み始めたのですが、1ページ目で読むのをやめてしまいました。なぜならば、1ページ目の2行目に出てくる登場人物に覚えがなかったからです。「磯村露風って誰だっけ。」と固まってしまいました。前巻(新・餓狼伝 巻ノ二)の内容も全く覚えていません。このまま読み進めるのは気持ちが悪いので、家に帰ってから前巻のラストを確認することにしました。

 家に帰って前巻を確認したところ、『2011年9月25日第1刷発行』と巻末に書かれていました。前巻を読んだのが5年前なので話を覚えていないのも仕方がないですね。前巻をパラパラめくって『磯村露風』が誰だったのかも確認しましたが、前巻以外は全て福岡の実家に置いてあるので、細かい部分までは思い出せませんでした。まぁ、少しは情報を得たので最新刊を読むのには問題ないでしょう。

 翌日、会社の休憩所で最新刊を読み始めたのですが、読み進めれば読み進めるほど、「あれっ、この2人って戦ってたんだっけ。」とか「誰だこれ。」とか思い出せないことばかりです。『餓狼伝』は『31年間で16巻』と言う約2年に1冊と言うスローペースの発行で、なおかつ、登場人物も多く、新しいキャラクターもバンバン出てくるので定期的に読み直していないと話を忘れてしまいます。私が年齢を重ねて記憶力が落ちてきているのも影響していると思います。

 そんな状況だったので、「あらすじの判るサイトってないかな。」とネットを探したところ、アマゾンの電子書籍で無料の『餓狼伝 正史・登場人物一覧』と言う本を見つけました。この本は『新・餓狼伝』の3冊の話は載っていませんが、だいたいの話は判ります。この本を読んで私の記憶も少し蘇りました。こう言うサービスは本当にありがたいですね。

 と言う感じでサポートを受けながら最新刊を読み終えました。やはり『餓狼伝』は面白いですね。

 ただし、物語が相変わらず終わる気配が全然ないのは問題です。30年以上続いているのに終わる気配がないので、「未完で終わるのかなぁ。」とか「最終回を読む前に俺の方が逝ってしまうかも・・・。」と哀しい気持ちになってしまいます。これは私の生きる糧の尾田栄一郎先生の『ワンピース』と三浦建太郎先生の『ベルセルク』でも感じている想いですね。長く続いている生きる糧なので仕方がないですね。

 今回の最新刊のあとがきで夢枕獏先生が、「そろそろ完結に向けての準備をしなければならぬであろうと思っている。」と書かれているのと同時に、「ぼくの死とともに未完で終わるのでいいかと、そう覚悟してしまってもいいのだろうかとも、思っているのである。」と書かれているのは気になりました。今後どうなるかは判りませんが、私としては夢枕獏先生の書いた最終回が読みたいですね。『餓狼伝』は格闘技に造詣の深い夢枕獏先生独特の格闘描写や人間描写あってこその作品なので、他の作家さんが引き継げるような物語ではないと思います。


 以上、まだまだ終わる気配もない『餓狼伝』の最新刊の『新・餓狼伝 巻ノ三 武神伝説編』の話でした。
 『北方水滸伝』のように無事に完結した生きる糧も哀しいですが、いつまでも終わらない生きる糧も哀しいですね。

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