食農ステイション

食と農に関するお話しを徒然なるままにいたしましょう。

学科長の仕事終わる

2010年03月30日 | 学科長
寒い京都から帰ってきました。東京も寒くてびっくり。明日から暖かくなるそうです。
久しぶりに出て来たキャンパスは学生も少なくひっそりとしています。

さて,明日で学科長の任が解かれます。この間,精神的にも物理的にもゆっくりできませんでした。

学科長として最後の仕事となった,学科の「卒業・修了を祝う会」で述べた挨拶を以下に再録します。
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 卒業・修了おめでとうございます。
 私が大学に入学した年は1975年ですから35年前になります。そのころの学生生活とは様変わりしていて,最近は単位の認定が厳格になっています。規程の年限で卒業・修了することは,たいへんおめでたいことになっています。また,これまで皆さんの大学生活を支えてくださったご家族の方々に,心から感謝の言葉を述べて欲しいと思います。
 
 さて,皆さんが農工大に入学したときを思い出してください。受験勉強から解放され,希望に満ちあふれ,いろんな事にチャレンジしたいと夢を膨らませていたことと思います。それから4年間(または+α),講義や実習,演習を通じて生物生産学科のカリキュラムを修得し,大部分の人は卒業論文を完成させました。これはおおいに自分の能力や価値について確信して良いことだと思います。本学で学んだ技術は時代とともに陳腐化しますが,大学時代に高めた教養や思考の方法などは生涯の財産となることでしょう。
 
 皆さんはこれから人類が直面するであろう農業・食料問題についてほかの学科の学生よりもより広く,より深く学んできました。卒業する多くの人は,大学院への進学または農業・食料関連産業で働くようです。現代は,①経済発展,②食料・資源・エネルギーの確保,③環境の保全という三つの目標が,互いに対立し,せめぎあうトリレンマの状態にあります。これらの難問を正面から受け止め,「持続発展可能な社会の実現」という目標に向けて,皆さんが活躍する場は大きく広がっています。
 また,農業や食料関連産業以外に就職する人も,社会に出て,家庭を築いた時に4年間で学んだことは決して無駄ではないと確信しています。
 
 さらに,皆さんが築いてきた友人や私たち教員との人的ネットワークは大きな力となるでしょう。本学同窓会を核とした卒業生のネットワークを活用しつつ,さらに強固なネットワークを構築することを希望します。
 私たち教員は直接の恩師でなくとも,農工大出身の学生・院生に対して,惜しみない支援をするつもりです。仕事で壁にぶち当たったとき,疲れたとき,へこんだとき,また嬉しいときにはぜひ大学や研究室を訪ねてください。
 
 最後になりますが,皆さんの人生はいま始まったばかりです。多少の失敗や挫折にへこたれず,古い社会システムを打ち破り,平和で安心して暮らせる社会にするために若い力を発揮することを祈念しております。
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学内の花桃も咲き誇り,日一日と春らしくなっています。
4月になると新入生も加わり,キャンパスはまた賑やかになることでしょう。


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