公開されたばかりの映画「アース EARTH」を観てきました。
感動的だし、皆さんにぜひ足を運んで欲しいと思う。圧倒的な映像美、どうやって撮ったんだろうと首をかしげるほどの迫力(スタッフは「動物がらみで危険を感じることはなかった」と言っているが)、撫でた時の体温すら想像できるくらいのクリアな画像。お金を払って劇場で観る価値あり、です。
それをふまえたうえで。
何か、観ながらフクザツな気持ちになってきてしまったんでした。
この映画に人間は一切登場しません。ただただ、自然といのち達のドラマを切り取っている。人との関りを想起させるのは、ナレーションの文面のみです。
でももしかしていつか、同じこの画像を放映しながら「・・地球上には○○年前まで、こんな風景に満ちていました」とか「こんな動物もいたのです」というナレーションをかぶせる日がくるのではないかと。
全然違うドキュメンタリー映画だけど、拉致被害者の横田さんをとらえた映画「めぐみ」のサブタイトル、奪われた家族の30年ってあったでしょう?あの映画が製作・公開されたのはたしか拉致から28年目だか29年目だかで、「30年」って銘打ってしまって良いのかな~と思っていたらあっという間に解決をみないまま時間が経って、タイトルどおりになってしまった。
それと似たような、暗澹たる予感にとらわれてしまったのでした。
このまま地球温暖化が進めば、2030年にはホッキョクグマは絶滅する。
2008年の今。その時間の短さを想う。
温暖化で高緯度地帯の氷河や万年氷が解けることをビジネスチャンスと喜んでいる人間がいる。その地域に眠っている石油が掘削しやすくなるからと。
気が狂ってるとしか思えない。
ホッキョクグマの絶滅ひとつを憂えているのではない。かつては、埋蔵されている石油の枯渇が人類の危機として論じられていたが、今はもう、化石燃料を使い尽くすずっと前に、燃やすことによる温暖化の脅威の方が人間の存在にとって深刻であるとの見解が定着しつつあるのに。人類滅亡へ向かってもう戻れない「ポイント・オブ・ノーリターン」はここ数年のうちにやってきて、もしかして現在、今日の時点がその「ポイント」であるかもしれないのに。
全然違うけど、北京五輪予選のハンドボールの再試合についても連想する。「中東の笛」と呼ばれる、特定の国に有利な判定をする審判。その背後にあるのもオイルマネーだと聞く。
人間の欲望に火をつける「燃える黒い水」。それに闇雲に踊らされる人間。
いま流行りのリゾート地、椰子の形をした人工島を作って喜んでいる中東の富豪たち。そこへ遊びに行く各先進国のお金持ちたち。
その金の何割かでも、自分たちの子孫のために、「地球」に投資したらどうなのよって思うけど、彼らは投資とか寄付とかしてんのかな。
この映画に溢れる「豊かさ」を「豊かさ」とは感じない、そういった人たちが、ある割合の数、確実にいるだろうと思う。その人たちとどう話をすれば良いのだろうと途方にくれる。地球は、私たちのものであると同時に、その人たちのものでもあるのだ。
・・などとひよったことを言っているから地球はどんどん蝕まれていく。
あえて私は言いたい。
「この映画に溢れる豊かさを豊かさと感じない人がいたら、その人の心は貧しい」と。
そういう人には、この映画はおススメしません。観てもつまんないと思うよ、私の隣でいびきかいて熟睡なさっていた中年サラリーマン氏みたいに・・いやいや、彼にとっては日曜の午後の心地良い休養になったので、そういう観賞のしかたもアリか!
あと、NHKスペシャルで1年間やっていた「プラネットアース」シリーズを全部観た方は、見覚えのある映像が多くてちょっと拍子抜けするかもね。もちろん迫力の映像ばかりなので、映画館の大きいスクリーンで改めて観ると、その素晴らしさに驚嘆できて飽きたりはしないけど。
館内は通常の娯楽映画と違って、お行儀の良いお子さまたちとその保護者が異様に多く、しかも静かだったので、終演後に場内の明かりが点いて周囲を見渡して初めて、こんなに観客がいたのかとビックリ。一緒に行ったダーリンも「この映画館がこんなにいっぱいになっているのは初めて見た」と目を丸くしていました。
でもさ、こういう人たちは、良いの。きっと買い物にエコバッグを持っていったりゴミをきちんと分別したりこまめに消灯したりしているだろうから。
「それ以外の」人たちにこそ、この映画は是非観て欲しいと思ったんだけど、それはオレの「善意の押し売り」に近い感情なんだろうな~と自己嫌悪にも陥ったのでした・・。
ひさびさに1クリック☆応援ヨロシク^^
感動的だし、皆さんにぜひ足を運んで欲しいと思う。圧倒的な映像美、どうやって撮ったんだろうと首をかしげるほどの迫力(スタッフは「動物がらみで危険を感じることはなかった」と言っているが)、撫でた時の体温すら想像できるくらいのクリアな画像。お金を払って劇場で観る価値あり、です。
それをふまえたうえで。
何か、観ながらフクザツな気持ちになってきてしまったんでした。
この映画に人間は一切登場しません。ただただ、自然といのち達のドラマを切り取っている。人との関りを想起させるのは、ナレーションの文面のみです。
でももしかしていつか、同じこの画像を放映しながら「・・地球上には○○年前まで、こんな風景に満ちていました」とか「こんな動物もいたのです」というナレーションをかぶせる日がくるのではないかと。
全然違うドキュメンタリー映画だけど、拉致被害者の横田さんをとらえた映画「めぐみ」のサブタイトル、奪われた家族の30年ってあったでしょう?あの映画が製作・公開されたのはたしか拉致から28年目だか29年目だかで、「30年」って銘打ってしまって良いのかな~と思っていたらあっという間に解決をみないまま時間が経って、タイトルどおりになってしまった。
それと似たような、暗澹たる予感にとらわれてしまったのでした。
このまま地球温暖化が進めば、2030年にはホッキョクグマは絶滅する。
2008年の今。その時間の短さを想う。
温暖化で高緯度地帯の氷河や万年氷が解けることをビジネスチャンスと喜んでいる人間がいる。その地域に眠っている石油が掘削しやすくなるからと。
気が狂ってるとしか思えない。
ホッキョクグマの絶滅ひとつを憂えているのではない。かつては、埋蔵されている石油の枯渇が人類の危機として論じられていたが、今はもう、化石燃料を使い尽くすずっと前に、燃やすことによる温暖化の脅威の方が人間の存在にとって深刻であるとの見解が定着しつつあるのに。人類滅亡へ向かってもう戻れない「ポイント・オブ・ノーリターン」はここ数年のうちにやってきて、もしかして現在、今日の時点がその「ポイント」であるかもしれないのに。
全然違うけど、北京五輪予選のハンドボールの再試合についても連想する。「中東の笛」と呼ばれる、特定の国に有利な判定をする審判。その背後にあるのもオイルマネーだと聞く。
人間の欲望に火をつける「燃える黒い水」。それに闇雲に踊らされる人間。
いま流行りのリゾート地、椰子の形をした人工島を作って喜んでいる中東の富豪たち。そこへ遊びに行く各先進国のお金持ちたち。
その金の何割かでも、自分たちの子孫のために、「地球」に投資したらどうなのよって思うけど、彼らは投資とか寄付とかしてんのかな。
この映画に溢れる「豊かさ」を「豊かさ」とは感じない、そういった人たちが、ある割合の数、確実にいるだろうと思う。その人たちとどう話をすれば良いのだろうと途方にくれる。地球は、私たちのものであると同時に、その人たちのものでもあるのだ。
・・などとひよったことを言っているから地球はどんどん蝕まれていく。
あえて私は言いたい。
「この映画に溢れる豊かさを豊かさと感じない人がいたら、その人の心は貧しい」と。
そういう人には、この映画はおススメしません。観てもつまんないと思うよ、私の隣でいびきかいて熟睡なさっていた中年サラリーマン氏みたいに・・いやいや、彼にとっては日曜の午後の心地良い休養になったので、そういう観賞のしかたもアリか!
あと、NHKスペシャルで1年間やっていた「プラネットアース」シリーズを全部観た方は、見覚えのある映像が多くてちょっと拍子抜けするかもね。もちろん迫力の映像ばかりなので、映画館の大きいスクリーンで改めて観ると、その素晴らしさに驚嘆できて飽きたりはしないけど。
館内は通常の娯楽映画と違って、お行儀の良いお子さまたちとその保護者が異様に多く、しかも静かだったので、終演後に場内の明かりが点いて周囲を見渡して初めて、こんなに観客がいたのかとビックリ。一緒に行ったダーリンも「この映画館がこんなにいっぱいになっているのは初めて見た」と目を丸くしていました。
でもさ、こういう人たちは、良いの。きっと買い物にエコバッグを持っていったりゴミをきちんと分別したりこまめに消灯したりしているだろうから。
「それ以外の」人たちにこそ、この映画は是非観て欲しいと思ったんだけど、それはオレの「善意の押し売り」に近い感情なんだろうな~と自己嫌悪にも陥ったのでした・・。
ひさびさに1クリック☆応援ヨロシク^^
ご無沙汰でございますー。
遅ればせながら、本年もよろしくお願い致します。
私はこの映画、まだ観ていないのですが、見たいと思っていました。でも、風野さんもおっしゃっておられますが私も「フクザツな気持ち」を、TVCMを観て感じました。
この風景は、いつか「地球上に存在し得ない」映像になってしまうのではないだろうか。と思ったのです。
かつて地球上にはこんな光景があったのですよ、こんな動物たちがいたのですよ、という過去の映像記録映画、になってしまうんじゃないかなぁと。
そういう不安というか、予感を感じさせる映画だなぁと捉えてしまったんですよ・・・。
人間の傲慢と不遜、拝金主義。
オイルマネーや開発マネーにたかる人々。
どこかでおかしいな、いいのかな?と思っていても、やっぱり便利や利益を追求するのが人間なんですよね・・・。地球上に共存している動物や植物のことなど、考えているようで誰も考えていないのが実体かもしれません。
実際エコロジーを謳っているものでも実際は中途半端だったり嘘だったりが多いですもんね・・・。
最近は、きっと人類は予想以上に早く滅びるんだろーな、ぐらいにしか思えなくなってきている自分(汗)。
・・そうなのですよ、この映画は未来へ向けた「映像の箱舟」なんじゃないか・・としみじみしちゃうんです、どうしても。
きっと製作者やカメラマンも、そうならないようにと苦しいほど祈りつつカメラを回してたんじゃないかなぁ・・。
キーワードは「人間の欲」。
これを、単に押さえつけたり削いだりするのでなく、自然のためになるように誘導する制度とか政策とかが、今の人間社会には喫緊に求められているのだけど。
金や利権に踊らされてる人々をセレブともてはやすのでなく、本当に人類と地球のためになっている人をこそ尊敬するような価値観が一般大衆に浸透したら、話は早いんだけど。
誰か、チョー天才的な頭脳の持ち主が、その方法を考え出してくれんかな・・
>>「プラネットアース」シリーズを全部観た方は、見覚えのある映像が多くてちょっと拍子抜けするかもね。
うぅっ。ちょっとネタバレぽくないですか。観ようと思っていたのに・・・
私はいまだに「本当に自然のためになること」に対して慎重になりすぎる傾向はあります。「環境に良いことをしています」と謳って一般人の善意によるなけなしのお金を納得できない使い方をする環境ビジネスマンがとても多いから。
それでも、とくに限定的な環境要素に支配されている地域の生態映像を見るたび、いつも焦燥感に駆られます。どんなに美しい映像であっても、クリアであればあるほど、「もっと生命豊かであれ」と祈る気持ちが沸きます。
環境保護熱の激化に伴って結局ヒト同士が利権と覇権をあらそうだけの姿には飽き飽きしてきましたね。限りなく公正な環境ジャーナリズムがもっと浸透してくれるといいんですがなー。
あと、印象的だったのがチーターのハンティングシーン。あのシーンにこのBGMをあてるのか~!?と、その感性が非常に違和感というか~・・理解できなくはないものの共感はしにくかった。穀物食文化圏の目線と肉食文化圏の目線の違いを、もの凄っく感じましたですよ!・・っつー感じで、楽しみ方は色々ありますよっ、是非観に出かけて下さいなっ(←フォローその2)
環境ビジネスの内実を知ってしまうと気力が萎えるよね、確かに。
でも私たち凡な一般人は「ハチドリのひとしずく」でやるしかないのだ、きっと。
・・・あの・・・・あんまりフォローになってないよぅな・・・。
でもせっかくなので「ああいう映画は大画面で観ないとね」との、殿のお言葉(おっ、かなりわかってきたじゃん)によって次のお休みは映画館にでかけます。
付き合い始めて映画館までちゃんと映画を観に行くなんて2回目だ!楽しみますよ!!
ところで、この寒さ、久しぶりに「お帰りなさい冬将軍」ですね。ベランダに出してある一升瓶凍らないだろうな。気をつけてくださいませ。