六畳の神殿

私の神さまは様々な姿をしています。他者の善意、自分の良心、自然、文化、季節、社会・・それらへの祈りの記。

桜雨

2005年04月11日 | 日々のこと
 この土日は、近所の公園と街路の桜が満開でした。堪能いたしました。
 
 でも実は、公園まで行かなくても、部屋の窓から花見ができるんだ~♪
 ・・去年の今頃、まだ一緒に住んではいなかったけど、ダーリンのこの部屋には毎日来てたのに。こんなお得な部屋とは気づきませんでした。
 ラッキー(^^)

 私は、咲き始めよりも満開よりも、散りかけの桜がいちばん好き。
 昨日の風と今日の雨で、散り敷き濡れた花びらが最高の美しさになっています。花びらの一枚一枚が少しずつ透き通ってきて、赤い愕が目立ってくる。そのため、樹木全体が乳紅色のガラス細工に見えてくる。
 風花のように舞い踊り空の遠くへと運ばれてゆく花びらもいいけど、明るい午後、音の無いせせらぎのように真下に降ってゆく花びらもいい。また、今日みたいに、雨で黒く湿った地面が見えないほどに散り敷く花びら・・樹上と大地に、ふたつの花盛りが現出する。

 大学生の頃かなぁ、キャンパス近辺の桜のあまりの美しさに圧倒されながら、ふと考えてしまった。
 こんなに美しい光景だけれど、年に1度しか見ることはできない。私が平均寿命まで生きるとしても、この風景はあと60回くらいしか見られないんだなー、と。
 人生は何があるかわからない。もっと早くこの世を去る羽目になるかもしれないし、そうでなくても「桜どころじゃない!」って気分で春の日を過ごす年だってあるだろう。
 そう思うと、愛でる気分でいられる時には充分堪能しておかねば!と、もう目から吸い込むみたいに桜を眺めるようになってしまった。
(^^;)貧乏症?

 一昨年、初めてダーリンと桜の下を歩いた時、その話をした。ダーリンは「桜を見てそんな風に考えた事がない」と言った。

 そんな風に考える私を、ダーリンはどう思っただろう?
「暗い女」とか思われちゃったかなーと、話したことを一瞬後悔した。

 その時はまだ、「来年も一緒に桜が見たいね」などとは、思っていても口にはできなかった。
 まして翌々年には同じ部屋から桜を見ることになってるなんて、想像もしてなかったよ~。
 人生、何がどうなるか予想がつかんものです(^^)

 昨日はやや強い風が吹きぬけ、雪のように花びらが舞っていました。ダーリンと歩いていると、近くにいた、仲の良さそうな親子の会話が耳に入ってきた。父親がまるで子どものように「すごいー!本物の桜吹雪だ!」と歓声をあげ「ほら見ろよ、遠山の金さん!」と子どもに話しかけている。子どもは同意の笑い声で応じるが、あの年齢では「遠山の金さん」を知っているとはとても思えない。・・きっとあの子は、家でも「何おバカ言ってるんだろう、パパはもう、しょーがないなァ」とか思いながら父親につき合ってあげているにちがいない・・微笑ましい親子でした(笑)

 道が桜色に染まり、花の下の誰もが頭に花びらを乗せて笑っている。

 平和って、こういう一日のことを指すんだと思います。

 その平和な日を今日も重ねることができたこの国に今、ダライ・ラマ14世が滞在中。すばらしい方の訪日なのに、ニュースにならないよなー・・。ミーハー的ファンの一人としては、せめて海外有名人としてでも「今日はどこそこを観光されました」くらいは報じてほしいなーと思います。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿