六畳の神殿

私の神さまは様々な姿をしています。他者の善意、自分の良心、自然、文化、季節、社会・・それらへの祈りの記。

春の高尾山

2006年03月29日 | 日々のこと
 昨日、ひとりで春の高尾山へ登りました。

 京王線の高尾山口駅に降り立ったとたん、遠くでコジュケイの「チョット来いチョット来い」(←《ききなし》です)という声がお出迎え。
 表参道の1号路を入るとすぐ、ヒヨドリとシジュウカラとエナガの声。ほどなくコゲラやウグイスの声も合流。地上の花々に先駆けて、鳥と木の芽は春のにぎわいまっさかりといった風情。

 えっちらおっちら登る。貧血治療のかいあってか、気持ち良く汗はかいても息切れなどのしんどさはない。でも、風邪なのか花粉症なのか、鼻がずっとスッキリしなくて、一昨日あたりからは耳までオカシくなってきた(私は風邪から滲出性中耳炎になり易い)。まぁいつものことなので、「耳痛て~・・」とつぶやきつつ、放置。しかし、同じくらいのペースで登っていた若い女性の二人連れは、ずーっとキャピキャピお喋りしながら歩き、ちっとも息が上がっていない・・こ、これって歳の差・・? いやきっと私は風邪気味だからさ、などと妙な対抗意識を燃やす。

 金比羅平へちょっと寄り道。カワラヒワの声がするので、見えるかなーと双眼鏡を手に上を見たら、空に滑空する猛禽の姿・・あれ?尾の形がトビじゃないぞ?おー ハチクマかオオタカか? 逆光でシルエットしか見えないし、見分けるポイントとかもよく知らないので、勝手に「オオタカを見た!」ことにする(笑) ゆったり2回くらい旋回して、南の方に飛び去って行くのを見送る。

 ケーブル駅の近くではメジロとヤマガラの混群がお食事中。参道を行くと、ヒガラと、やっぱり居る、ミョーな鳴き声のヒト。アナタはだぁれ? 野鳥は鳴き真似をする種類がいるので、姿を見ないと種は確定できないわけですが、この方はホント、どなたなんでしょう・・悩む。鳥に詳しい友人はガビチョウじゃないかっていうし、私も御岳山の、御岳神社の近くで目撃しているので、高尾山にいてもおかしくないとは思うけど・・うーむ。 真似っこしているオオルリだ、ていう説もある。
 高尾山頂のビジターセンターで職員の方に尋ねれば、いっぱつで答えがわかるんでしょうが、この日は奥の院までしか行かないつもりだったので、声の主の謎は解けないまま。

 ちょっと迷う事があって、そのことでダーリンとケンカもした。家の中でうじうじ思い悩んでいてもしゃーないと思って、歩き禅とでも言うんでしょうか(カッコイイ?)じっくり考えようと思って高尾山に登ったわけ。

 奥の院で線香を手向けているとき、ちょっと不思議なコトがあった。いや別に怪奇現象ではないのですけど。
 線香の束に火を移しながら、近くにいた見知らぬ一行(中学生くらいの親子数組)を見て「・・美人なおかあさんだなぁ。楽しそうだなぁ。あのおかあさん、もしかして私と同い年くらいだったりして・・」等とボーッと考え事をしていたら、消えたと思った火が突然メラメラ燃え上がって、キャー! 振っても振っても炎が落ち着かないので、焦った。

 心の中に知らず知らずに湧いた嫉妬の想いを、叱られた気がした。

 あの人にはあの人の人生があり、私には私の人生がある。それを今、ここでどうこう考えて、何か開ける道があるか? 否。
 
 「よしっ」と心を集中させ、おみくじを引く。
 結果は 『大吉』
 しかも、そこに書いてあったのは、『怠けていては、良い事など来るはずがない』という意味のこと。

 『大吉』を現実のものにできるかどうかは、私のこれからの姿勢次第というわけ。

 迷っていた。
 会社が組織変更をするにあたり、退職するか職種を変わって異動するかのどちらかを選ぶよう提示された。

 辞めるか、異動か。

 雇用をめぐる社会状況とか、自分の年齢と能力とか、今後の人生設計とか、あれこれ考えると、どちらが良いのか分からなくなってしまう。
 だから、おみくじ(笑)
 どちらが私にとって『怠ける』選択なのかを考えた。そして、決めた。

 今日、退職願いを提出してきました。