平安時代以来の天文ショーとなった金環日食では、日本中の人が一斉に空を見上げた。最初はあまり興味ないと冷めた気分でいた人も、マスコミ報道のあまりのフィーバーぶりに、前日になってあわてて日食グラスを買いに走り回ったという。が、どこの売り場もすでに売り切れで手に入れる手段は皆無、そうなると買わなかったことが悔やまれてならなくなるのが人情である。しかし、次の金環日食は18年先の2030年6月1日、北海道でしか見られないそうだから、日食グラスの在庫を抱えるバカな業者はいない。
私の知人も同様だったそうで、やむなく、ラジオ放送で聞いた通り手鏡で太陽の光を反射させ、反射させた光を建物の壁などに映して見たそうである。他にも安全な観測方法があるそうだが、やはり日食グラスが一番だろう。
今、ネットで「溶接マスクを使って金環日食を観察する少女」の写真が可愛すぎると話題になって、世界中に発信されているそうである。可愛いのはもちろんだが、溶接マスクという奇抜なものを思いつく、そのアイデアに感心した。
さまざまな日食の画像がテレビで見られたが、話題になったのが木漏れ日(こもれび)である。【木漏れ日とは、森林などの木立ちから太陽の日差しが漏れる光景のことで、木々があり日(太陽)が照っていると必ず見られる光景である。地面に投影される木漏れ日は、全て太陽と同じ丸い形をしていて、日差しが入り込む木の葉の隙間の形状には、一切影響されない。一方で太陽の形が変わった時、例えば部分日食時には、木漏れ日のひとつひとつが、欠けた円形や三日月の形に投影されるという、珍しい現象が起こる。】とあるが、今回、それらの画像を初めて見た。
姪の子どもが自宅の戸に映る木漏れ日を撮っていて、メールで送ってくれた。自然がおりなす現象とはいえ、何とも不可思議かつ神秘的な光景である。
日食グラスはもう不用かと思っていたら、今年は珍しい天文現象が相次ぐ「“超”当たり年」で、もう一度使用する機会があるという。
《今年の主な天文イベント》
6月4日 月が地球の影に入る部分月食、満月の3分の1が影に入る。18時59分開始、20時3分には食分0.376の最大食を迎える。お天気さえよければ全国で見られ、21時7分に月食が終了する。
日食と月食の位置関係がよく分からないので探したら、よく分かる図があった。
6月6日 午前7時頃から太陽の手前を金星が横切る「金星の太陽面通過」という現象が始まり、約6時間掛けて金星が通過する。次回見られるのは105年後、金環日食よりまれな現象だという。日食グラスを捨てないでおきましょう。
6月17日 月が木星の右上にやってくる。
6月18日 月が金星のすぐ上に見える。この現象は2011年1月2日にも見られたが、その時は月と金星の距離が遠すぎて撮影できなかった。が、2011年1月30日、月と金星がほぼ横並びに並んだのを撮ることができた。初めての経験で興奮し、天体に興味を持つようになったのはそれからである。
8月14日 金星が月の後ろに隠れる「金星食」
8月中旬 ペルセウス座流星群
カレンダーに赤印をつけて忘れないようにしよう。
金環日食の当日は、マスコミが騒いでいましたよね。
私はツイッターもやっているんですが、こちらでも早朝から大騒ぎ。
日食グラスも言っていましたよ。
結局、テレビで見ていたんですが、なんか神秘的な感じがしました。
宇宙って不思議なことばかりですね。
神秘的な美しさは神の域でしょうか。
日本中の人がみんな同じ太陽を見つめていたということも不思議です。
でも、平和の光景でいいですね。