私のＴシャツはどこへ？・・・

　

　各地に大きな被害をもたらした台風7号は、4日午後3時に温帯低気圧に変わった。だが、5日以降も梅雨前線が南下して活発化するそうで、太平洋側を中心に災害級の大雨となるおそれがあるという。
　
　当地では2日朝から強い風が吹いていたが、雨はそれほどではなかった。小豆島フェリーは平常通り運航したが、夜間の強風や高波に警戒してか、2日と3日夜は港を離れて沖合いに停泊。時に強風に煽られ船首は右や左に向きを変えていた。

　翌朝6時過ぎ、今日も平常運行するらしく、港へ戻っていった。

　今日も早朝から雨、3日続いてウオーキングは中止。今週末まで雨は続くとか、早朝だけでも止んでくれないかなあー。　

　お粗末な話だが、台風7号の岡山最接近は4日未明ごろというので、2日、風呂上りに洗濯していつものようにベランダに干して寝た。
　3日朝、洗濯物を点検。長い竿に干したタオル類は洗濯ばさみで止めていたので大丈夫。小さな物干しの下着類も大丈夫。だが、折り畳み式物干しの上の棒に掛けていた洗濯物、Ｔシャツ4枚のうち1枚は無事。2枚はハンガーごと落下して雨に濡れていた。他のＴシャツ1枚と8分丈のルームウェアパンツは風に飛ばされてしまったらしく、どこにもない。変だなあー！　
　海を見ても落ちているようにはない。よもやと思ったが、ベランダのパーテーションから身を乗り出して隣のベランダをのぞいて見たら、なんとハンガーに掛かったままのルームウェアパンツがある。ヤバイ！　
　隣はセカンドハウスとして利用しているのでほとんど無人状態だ。知らん顔しておこうか。いや、それはまずい！　何とかして片づけなければ…。
　パンツまでの距離は2ｍくらいか。パーテーションの下から物干し竿を突っ込んで、端っこの細い溝まで寄せて、それから竿で正面に引っ張ってみた。それを何回か繰り返してのぞいて見たら、手の届くところまで来ていた。やったー！　下から手を伸ばして回収。ハンガーに引っかかったままだったのがよかったらしい。
　だが、もう1枚のＴシャツはどこへ？　ハンガーは？　落ちるとしたら海しかないが、それらしいものもない。その時不意に、森村誠一の映画『人間の証明』の中に出てくる、あの有名な「母さん、ぼくのあの帽子、どこへ行ったんでしょうね」というフレーズが頭に浮かんだ。これは西條八十の詩『ぼくの帽子』から引用されたものだそうだが、あの時の心境は同じ。帽子ではないが「私のあのＴシャツ、どこへいったのでしょうね。飛ばされて海に落ちて、もう遠くへ流されていったでしょうか」と思った。

　未だに狐につままれたみたいである。が、ここだけの話、どこに飛んでいったにせよ、Ｔシャツで良かった。もしこれが下着のパンツだったら…、と考えただけで冷や汗が出る。