令和5年4月2日
第95回センバツ高校野球大会最終日
決勝 山梨学院7―3報徳学園(1日・甲子園)
山梨学院が報徳学園(兵庫)を7―3で破り、山梨県勢として甲子園初優勝に輝いた。
2点を追う5回、打者一巡の猛攻で一挙7点のビッグイニング。鮮やかに逆転勝ちした。
6試合連続で先発したエース・林謙吾(3年)がセンバツ史上最多の6勝を挙げ、3失点完投。
今大会で696球を投げ抜いた。
696球を投げ抜いた。
エース・林が、マウンドで捕手の佐仲大輝と抱き合った。
「やったなという感じ。すごくうれしかったです」。
開幕戦の最初の1球を投じた右腕が、最後の打者を中飛に仕留め、センバツを締めくくった。
36校が参加した記念大会。4度の完投を含む史上最多の6勝で、優勝投手になった。
142球を要した準決勝の広陵戦からの連投。「疲れは特になかった」。
4回に2点を先取されたが、そこから成長した姿を見せた。
「調子が良くても悪くても、任された試合で勝てるように一生懸命投げる」。
大会前の練習試合で思うような投球ができず、首をかしげるなどの態度を見せた時、吉田健人部長に叱責されて学んだエースの心得だ。
表情を変えず、冷静に後続を断った。球数制限で上限160球だったが、118球でまとめた。
「明日、試合があったら?」と水を向けられても「投げられます」と涼しい顔だった。
最速は140キロ。それでも、小さなテイクバックで体を開かずシンプルに真上から投じる林の直球は打者のバットに差し込む。
吉田部長は、その理由に〈1〉回転数の多さ〈2〉初速と終速の差がない〈3〉打者から腕が見えにくいフォーム…の3点を挙げた。
強打の報徳を単打6本に抑え、フライアウトは10個に上った。