生産技術は生産工程で活用する技術である。生産工程の目的は顧客の要求を満たし、設計が意図した品質を最も経済的に生産することであるから、生産技術は工程(生産プロセス)で目標とする品質およびコストを確保する技術の組み合わせを設計することである。このためには、設備(Machines)、材料(Materials)、人(Men)、方法(Methods)の4つのMといわれる品質およびコストに影響する要素の最適な組み合わせを求めることである。これが工程設計である。
製造は工程設計された4Mの組み合わせをよい状態(管理状態)に確保することが仕事である。このためにシューハート博士の管理図が活用される。管理図は管理特性値をグラフにして生産工程を管理された良い状態に保つことが目的である。管理された生産工程からは管理された製品が出てくるわけである。その意味で、生産工程の品質管理は、「品質で工程を管理する」ともいえる。検査は製品の良否の判定が目的だが、管理図は不良の予防のために、工程を管理状態に確保することが目的である。
当然、生産工程で得られた技術を生産移行前の生産設計に活用することが大切である。この設計と生産の橋渡しをする生産準備段階を含めた生産工程の管理が日本の特色である。
いま、この日本の特色がなくなりつつある。
製造工程に外国人労働者が増え現場の教育レベルが低下した。
誤解しないで欲しいが、外国人労働者に問題があるのではなく、彼らを教育できない日本のスタッフや教育投資が出来ない経営者に問題がある。日本人、外国人と差別せず品質管理を基にした管理技術や改善を教えるべきである。QC的問題解決法は共通語である。