ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

②品質に関する技術の追求 “生産技術による品質確保”

2006-11-28 | ISO外論
海外から図面を買い、当時の日本の生産設備、材料などでいかにバラツキの少ない品質の良い製品を作るか、これが日本の工業化の課題であった。資源や資金力のない時代には何でも工夫して使いこなさなければならない。設備が老朽化しているから、材料が悪いからは良いものが出来ない言い訳にはならない。与えられた条件の中でよいものを作るのが技術である。

この工夫する技術、品質を確保するための技術、つまり生産技術が製品の品質向上に寄与したことは言うまでもない。技術を身につけるために、理論をしっかり勉強することは大切であるが、試行錯誤をくりかえし生産現場で学ぶ技術も忘れてはならない。通常、技術とは理論の体系や公式のように思われるが、実験や失敗を通して身につける技術もある。
このように経験を等して学ぶ技術を「経験工学」とよんだ人がいるが、品質管理は経験工学に役立つ技術である。

不良の再発防止、生産におけるバラツキの減少など品質および経済性の追及により技術の向上がはかれる。技術は品質と経済性の関数である。品質管理の実践が不充分な企業ではこのことが理解されてない。品質には金がかかるとか、金をかけなければ良いものはできないと言い訳を並べ技術の検討をしたがらない。学問と実業の両面で技術が向上することが理解されてないのである。

最近、気になるニュースが多い。医療ミスのようなサービスや製品の欠陥である。医者はドクターであると同時に技術者であり、生産現場に例えるなら作業者である。医学という学問と現場での実学が技術の向上に必要である。ところが、多くの医者はミスに関心を示したがらない。あまり高級でないと思われるミスは技術の問題と思われてない。ミスや欠陥に高級も低級もないはずである。こんな思い違いのある業種に限って、ミスや欠陥の低減といわず、リスク管理などとよびたがる。これらは公的機関の指導監督下にある、医療、原子力、建設などに共通する問題でもある。

話しを戻そう。つぎに、海外からの誤解や中傷であるが、日本人はものまねがうまいと皮肉を言われたり、創造性がないといわれる。これは、生産技術の重要性に対する認識のちがいである。たとえノーベル賞の対象でなくとも生産技術の創造性に関して日本は世界一であり、それが日本の工業を強くした、今後ともそれを忘れてはならない。
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