ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

45. 予防処置

2006-11-13 | 継続的改善52
8.5.3:不適合の発生を予防するための処置をとること。
予防処置の手順は、不適合の予測と原因の特定、予防処置の必要性の評価、処置の実施、処置の結果の記録、これらの活動のレビューである。

ISO9000の定義によると、是正処置は再発防止処置であるが、予防処置は発生を未然に防止するためにとる処置ときわめて曖昧である。手順も是正と予防の区別がされてない。
ISO規格作成の段階で、十分議論が出来てないか、それともあきらめたかは定かでないが、
規格作成者の多くの委員がこの第8章の作成についてあまり熱が入ってないか、無知かのいずれかである。

このようなときは、組織で独自に定義をしておけばよい。
ここでは、是正処置は顕在問題に対する処置であるのに対して、予防処置は潜在問題に対する処置としておく。

問題には規格や基準を決めておくことによって顕在化する問題と、慢性問題のように潜在化している問題がある。潜在問題は「探す問題」といわれ、顕在問題を解析することにより明らかになる。また、慢性問題は管理上の問題であることから、管理や目標を抜本的に見直そうとする意志がない限り問題として認識されることはない。

品質管理を実施してなくても製品を作っていれば、検査の規格はあるから顕在問題はある。
品質管理をすると管理項目を決めることにより、管理上の基準や目標を決めるから、従来着手されてなかった慢性問題にも目が届くようになる。

氷山の一角といわれる品質問題の山を思い浮かべて欲しい。
規格は海面であり、海面から外にでている部分が顕在問題である。
海面の下には、管理上の問題である慢性問題がある。
ついで、一番底の部分には、経営上の機会損失がある。
これは従来の制約を変えるなどの創造的破壊をしようとしない限り問題は見えてこない。
当然制約を変えることにより多くのリスクを伴う。経営者が先頭に立って、ハイリスク・ハイリターンを実践する度胸があるか。そのための創造力、洞察力があるかである。
このようなことは、そうざらにあることではない。自分の経営者としての使命感でこれに踏み切れるかである。
経営者が自ら品質管理を実践するのはこの部分に対してであるが、経営者が品質管理を理解してないとこの問題は顕在化されない。

品質管理は予防管理であるといわれる。
予防をどう定義するか、どの範囲の参画で進めるかは、企業で決めることである。
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