晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

『サイゴンの十字架』

2008年04月29日 | 
開高健ルポルタージュ選書『過去と未来の国々』『声の狩人』は読了。寝る前に『ずばり東京』、つらつらと『サイゴンの十字架』(以上、光文社)を読んでいる。

ここまで読んで思うのは、この時代の小説家の政治性だ。60年安保だの騒乱のパリ、イスラエルでのナチスの裁判、ベトナム戦争など。開高健は、そんな最中の現地の人々をルポしている。

中国、パリで一緒なのは大江健三郎。彼らがその時代にあってなにを考え、どう行動していたかというと、かなり政治的だ。

大江健三郎とかは、よくわかんない小説を書いているおやじかと思っていたけれど(あまりにレベルの低い話ですみません)、最近『沖縄ノート』の裁判のニュースが流れていたりするの見て、今更ながら、ふーん…そうなんだと思ったりもする。

おそらく、彼らがルポした60年代は、そういうものなのだろう。今の小説家は、、、、政治的というよりは、よく言えば社会的。エンターテイメントばかりなっているとはいえ、いじめとか、ニートとか、それなりに現代社会を表現している人もいるようには思う。

当時は、アメリカ主義的な民主主義が跋扈し始める頃なのだろうか? 本当によく分からなくて、自分の教養のなさに愕然とするが、今のグローバリゼーションと符合するところがあるように思う。だからこそ、今、この「開高健ルポールタージュ選書」が出版されたのだろう。

光文社に感謝ですね。個人的には。

報告

2008年04月29日 | 生き物
日曜日にウワミズザクラの花が盛りの頃かな、、、と書きましたが、そのあとにお散歩がてらに見に行きました。

そうしたら花はもう終わっていました。

かわりにミズキがぼつぼつ咲き始めていて、林の下ではホウチャクソウが満開でした。ちょっとした群落になっていてきれいでした。

以上、報告でした。

ヤマフジ

2008年04月27日 | 
外のプランタにヤマフジの実生を発見! 四つも。
たしかこの1月に近所の雑木林で拾ったタネを蒔いていたものだ。

ちゃんと育てて、いつかフジ棚みたいになるか!?

うれしいなあ、タネからきちんと植物が育つのは。

こうやって育っているものに、マルバアオダモ(2本)とガマズミ(多数)がある。そういえばゴンズイは出てこないな。ヤブムラサキもだめだな。

近所に結構雑木林が残っているので、散歩ついでにポケットにタネとか実を入れてくるのだ。

今年はウワミズザクラを狙っている。狙っている木もあって、ちょうど今頃花が盛りかな。実が熟すのは、、、夏? 去年は狙っていて、取りに行くのを忘れて今年はリターンマッチ。ああ楽しみ。

『開高健 一言半句の戦場』

2008年04月26日 | 
最近は寝る前に『ずばり東京』。ソファでダラダラしているときは『声の狩人』。
あいかわらずの開高健ルポルタージュ選書漬け。

で、そんな日々で、会社に『開高健 一言半句の戦場』(集英社)が送られてくる。

おお、なんということだ! 分厚い開高健の新刊本! インタビュー、講演会、対談など、これまで単行本になっていないものがごっそりまとまっている。

「これは宝だ!」と喜び勇んでかっぱらい、とりあえず昼食のともに。
プロントでなすとベーコンのパスタを食べつつ読みました。

が、ま、速攻返却しました。

ま、そんなもんでしょう。そういうものをまとめたのだから断片的で、、、。
ま、ルポルタージュ選書に戻りますわ。

ウミフクロウ2

2008年04月20日 | 
『新装版山溪フィールドブックス海辺の生きもの』(山と溪谷社)を見つつ、撮影した画像を整理していたら、白くてにゅろんとしたものが(写真)、ウミフクロウの卵塊だと判明。よくそんなものが出ているなとちょっと感心。

ウミフクロウは砂地の岩の下などにいるけど、卵塊はけっこう目立つ場所にあるので載っているのだろう。

あと、キヌガサウミウシの写真をよくよく見たら、クロシタナシウミウシを捕食中(!)ということが判明。

以上、報告でした。

ウミフクロウ

2008年04月20日 | 
今日は大潮だったので、三浦半島の磯へウミウシを探しに。

干潮は11時ぐらいなのだけれど、駐車場がすぐいっぱいになってしまうので、早めに行って車を停めて、のんびりファミレスで朝ご飯を食べてから磯に向かう。

でも、今日は風が強くて、潮だまりにもさざ波がたってなかなか生き物が発見できない。びゅうびゅう風が吹いてきて、なんだか疲れたので、2時間ぐらいで早々に引き上げることに。

で、今日見つけたウミウシ(広義)は、アオウミウシ、クロシタナシウミウシ、キヌガサウミウシ、ブドウガイ、アメフラシ、タツナミガイといったところ。

今日のハイライトはウミフクロウ。かわいい、、、というか、気持ち悪いというかは、、、ま、その人次第。フクロウと言うよりはミミズクか。

背楯目カメノコフシエラガイ科。背に楯ということは、、、貝殻が残っているという意味かと思ったら、背楯目の中では、ウミフクロウは貝殻はまったくもっていないのだそうだ。

『ウミウシ学』(東海大学出版会/平野義明著)によると、「平たく大きな背中が拡がっている」から背楯目というのだそうだ。鰓が体の後ろから出ているおなじみのウミウシ(後鰓類)とはちがって、羽根状の鰓が体の右側にぴろんと出ているのがこの目の特徴だという。

確かに前に撮ったウミフクロウの写真をPCで拡大したら、羽根のようなものがちらりと出ていて、「寄生虫か!?」と思ったことがあったけど、それが鰓だった。

ちょっと消化不良の磯の生物観察。早くシュノーケリングができるような季節にならないかな。





『Big Two-hearted River』

2008年04月19日 | 
最近、開高健を読んでいて、釣りつながりで、ふとヘミングウェイのことを思った。

ヘミングウェイも良く読んだけれど、彼も戦争と釣りがテーマだった。ふたりは似ているのか?

彼の作品で一番好きなのが『Big Two-hearted River』。手元の本で見てみると、『ヘミングウェイ釣文学全集 上巻 鱒』(朔風社/谷阿休訳)では『大きな二つの心臓の川』で、『キリマンジャロの雪』(角川文庫クラシックス/瀧口直太郎)に収録されているのは『二つの心臓を持つ大川』。

心臓がでかいのか、川がでかいのか、どっちが二つなのか、どうして二つなのか、さっぱり分からないけれど、とにかくこの作品が好き。

どこが好きって、主人公のニックが森の中にキャンプを設営して、料理を作って食べるところ。

丁寧に幕営地を作り、きちんきちんと荷物をまとめる。
キャンバス地のテントに入ったときの心地よさへの共感。
たき火で作る料理。そのおいしさ。

ひとりのキャンプは楽しい。
最小限の暮らしの自由さと豊かさ、、、、。
そういうところへの共感なのかな。

最近、キャンプをしてないなあ。
どこかの森で、ひとりこっそりキャンプをしたいなあ。





ミミガタテンナンショウ

2008年04月13日 | 生き物
土曜日に高尾山に行ってきました。

ミシュラン効果か相当人が出ていました。一丁平のサクラ、ミツバツツジが満開ちょい過ぎで、ハイカーと観光客が入り交じっていました。

スミレも良くて、タチツボスミレ、ナガバノスミレサイシン、アオイスミレ、エイザンスミレが咲いていました。あとはニリンソウとかミヤマカタバミなど。

個人的にはミミガタテンナンショウが好き。うす暗い林内ににょきにょき生えていました。

個体を見つけては、オスかメスかを調べてまわりました。やっぱりメスの方が個体が大きくて、仏炎苞の奥には、、、小さなハエがいました。

そのハエが花粉を運ぶ虫媒花なわけですが、オスの花で花粉をつけた小バエは、メスの花に行くと、仏炎苞の奥から出られない仕組みになっているのです。

オスの個体は、仏炎苞の裾にある穴から出られるのですが、メスは穴がふさがっていて、そこに入った小バエは……出られないわけです。

ご丁寧に仏炎苞上部から出られないように、「ねずみ返し」のような突起が付いた付属体があって、ハエの動きをコントロールします。

花粉を運ぶポリネーターを殺してしまうというのも、、、怖いなあ。

芽吹きがきれいな林で、なにか薄ら寒くなるような厳しい野生の生態を観察してご満悦の休日でした。









『ずばり東京』

2008年04月06日 | 
『ずばり東京』(光文社文庫)を読み進む。
釣りで有名な開高健が、昭和30年代の東京をルポしたものだ。

読んでいると、ときおり、話が昭和30年代だと忘れるときがある。

東京の街。人。

昔の深夜喫茶と今の漫画喫茶の類似性を指摘しても意味はないけれど、読んでいて不思議な感覚に包まれる。

街で人が生きていくことは、今も昔も変わらないのか。まだ、ちょっとしか読んでいないけれど、そんなことを思う。

この頃は、まだ開高さんはベトナム戦争には行っていない頃だろう。

一人の作家の作品をたどっていくことは、その人の歴史をたどることになる訳だから、ベトナム前後でいろいろ変わっているはずだ。

この本で、ベトナム以前の開高さんをかみしめてみよう。

開高健ルポルタージュ選書

2008年04月05日 | 
大人買いしました。
光文社文庫、開高健ルポルタージュ選書『ずばり東京』『過去と未来の国々』『声の狩人』『サイゴンの十字架』。
大人買いといっても4冊ですが。

文庫の棚から開高健の本が消えて久しかったのですが、いきなり渋い本の復刊です。

もともとは釣りが好きで読み始めた開高健ですが、もろもろのエッセイ、ベトナム戦争関係のものなど、だいたい読んだつもりでいました。

ここ数年は、古本屋で、文庫になっていないような昔の単行本を見つけると買い求めていました。

で、このシリーズです。『ずばり東京』など、書名は聞いたことがあったけど、実際に読むのははじめてのものばかり。

ふふ。これは当分楽しめそう。

『ずばり東京』とその他の3冊が、なぜかデザインがちがっていて不思議なのですが。ま、それはさておき、こういう復刻文庫って、とてもいいですね。値段も4冊買って2000円ちょっとで、ごく普通の文庫値段だし。

内容は、また今度。