晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

20年って、どれぐらいなのか

2010年04月27日 | 
20年ぶりに仏果山に登ったわけですが、
あいまいな記憶とあいまって、すごく風景が変わった、、、
という印象があんまりありませんでした。

漠然と20年もたつと、木々が太くなり、
森がうっそうとしていてもいいかと思ったのですが。

ここの森は、なかなか手入れが行き届いていて、
登りにあった人工林ではきちんと間伐がされていました。

直径20センチぐらいでしょうか。伐採面をデジカメで撮ったので、
拡大して年輪を数えてみました。



20年、、、、。こんだけか。
直径にして、、、3~4センチ太くなったぐらいかな。
あんまり印象が変わらないわけですね。。。

どうも20年ぐらい前は極端に年輪がつまっていて、
そのころに森はうっぺいしたのだと思います。

ざっくり15年は放置だったようで、
間伐して、再び生長がよくなっています。
ここ10年は悪くない生長のようです。

年輪は、その木の歴史が分かるからおもしろいですよね。

そういえば卒論が年輪数えでした。ブナでしたが。
30年生ぐらいのブナの一生(伐っちゃったから、まさに一生…)を、
年輪を数えながら想像したのをなつかしく思い出します。
えーと、やっぱり20年ぐらい前の話ですね。

ミミガタテンナンショウ

2010年04月26日 | 生き物
仏果山で、いっぱいミミガタテンナンショウを見ました。



いつものネタですが、テンナンショウ類の繁殖生態というか、
送粉・受粉システムはなかなかエグイものがあります。



仏炎苞の下に隙間ができています。
これは、、、雄ですね。
キノコバエが、怪しいにおいに誘われて、仏炎苞に入り込み、
花粉を体につけて、ここから出ていきます。

で、今度は雌の花に行くのですが、
そこには隙間はなくて、
上から出ようにも付属体に「ネズミ返し」があって、
出られないのです。

そして、、、



ご臨終されるわけです。
雌の花の中で。
完璧な受粉とともに。

*すみません、、、ちょっと開くつもりが、仏炎苞が割れてしまいました。。。

20年ぶりの山

2010年04月25日 | 
今週末、天気がよかったので、
思い立って東丹沢の仏果山(ぶっかさん)に登ってきました。
標高747メートル、登って降りて3時間。
楽々ハイキングですね。運動不足のリハビリにはちょうどいい山です。

じつはこの山、登るのはおそらく20年ぶりぐらいです。
学生時代、毎月1回はこの山に登っていました。
当時、いろいろあって登らなくちゃいけなかったのですが、
あわせてどれぐらい登ったんだろう。。。

小田急線の本厚木駅からバスに乗って、撚糸組合前で降りて川沿いに山に入る。
人工林を抜け、雑木林を登り、階段をいっきに上って頂上。

20年前の記憶をたどりつつ、
「そうそう、こうだった、こうだった…」と思いつつ、
20年たって木はどれぐらい太ったんだろう?
スギやヒノキなら、植えたばかりの木なら、それなりになっているはずなのですが、
あんまりこう、、、そのあたりの記憶がないというか、
変化が感じられないんですよね。。。
不思議なもので。



頂上近くは芽吹きがきれいで、まだヤマザクラが咲いていました。



途中で発見したシュンラン。きれいというか、不思議な花ですよね。



仏果山頂上の展望から見た丹沢主稜。眼下に宮ヶ瀬湖が見えます。
当時は、まだダムは工事中で、もちろん湖なんてありませんでした。

水って、溜まるもんなんだなあ。。。

ダムの底にほとんど消えてしまった川弟川(かおとがわ)のことを考えて、
ようやく20年の歳月を思いました。

奥多摩山歩き その6 ヒキガエル

2010年04月24日 | 
下山して、林道に降りてきて、どろどろになった登山靴を、
水たまりでばちゃばちゃして洗っていたら、茶色の水の中で動くものあり。

ヒキガエル!



奥多摩では、毎年4月下旬からGWぐらいにヒキガエルのカエル合戦と産卵が見られます。

林道の真ん中の水たまりだったので、「車にひかれるぞ」と、
とりえず脇の水たまりに移動させました。

しばらく、のどをコロコロして、
不満なのかなんなのか、何か訴えかけるような行動をしていました。

林道の水たまりで卵産んでもダメなんだけどなあ。
毎年、産んじゃうんですが。。。

奥多摩山歩き その5 実生

2010年04月23日 | 
雪解けの斜面で実生が発芽していました。





カエデ類でしょうか。いくつも発芽していました。

とても残念な話ですが、この子たちはほぼ100%大きくなることはありません。
もともと大きくなる確率はとても低いのですが、
昨今の奥多摩の現状だと、シカの増加による食害で、
ほぼ低木層は壊滅状態だからです。

50年後、100年後、この森がどうなっているか、だれも分かりません。
このままでは正常な森林の更新は望めないのは明かです。

それも自然といえば、その通りではありますが。。。



奥多摩山歩き その4 ブナ開花のふしぎ

2010年04月22日 | 
「フィ、フィ、フィ…」
ウソが鳴いています(ウソって鳥の名前です)。

ブナの木に集まり、何かを食べに集まっているようです。
ちょうどブナの花が咲いています。
ウソはよく桜の花を食べてしまうことでニュースになりますから、
おそらくブナも花を食べているのでしょう。



枝先にこんもり見えるのが、ヤドリギにも見えますが、
ブナの花が咲いているところです。

15羽ぐらいかなあ。何かに驚いてぱっとウソの群れが飛んでいきました。



花の付いた枝が落ちていました。サルか何かが落としたんだと思います。
下向きに黒ずんで垂れ下がっているのが、ブナの雄花です。

ツキノワグマ好きのわたしとしては、その年のブナの実の「なり」が重要なので、
春の段階で、今年は花がどうかが毎年気になるのです。

ブナは豊作年と凶作があることで有名ですが、
今年はちょっとだけ花が付いて、
最終的には並み作なんだか、凶作一歩手前なんだかになるようです。
少なくも奥多摩では豊作にはならなさそうです。

同行の友人がおもしろいことに気づきました。

「花が咲いている個体だけが先に芽吹いていて、
花が付いていない個体はまだ芽が開いてもいないな…」

おお、おもしろい!
たしかに同じ標高で、隣に生えているのに、
花が付いていないブナはまだ芽が膨らんでもいません。
芽吹いているブナは全部花が咲いています。

そうそう、花が咲くブナは、混芽(こんが)といって、
冬芽がブリッと膨らんでいるので、花が咲くかどうかは芽吹く前に分かるのです。

理由……。

うーん、ブナは風媒花だから、
他の樹木とかが芽吹いて受粉の邪魔になってしまう前に花が咲く習性があるのかな…。

同じブナに対しても、花が付く場合は、早く咲いてさっさと花粉をばらまきたいからかな?
まぁ、そもそもブナの花粉はかなり大きくて、風に舞う…というものではないそうだし…。

うーん、わかりませんね。

ブナは雌先成熟といって、雌花が先に成熟します(雌先成熟と言います)。
人間と同じですね。

同じ枝では、花粉を出す雄花が下について、雌花は上、、、と構造になっていて、
雌先成熟とあわせて自家受粉を避ける仕組みだと考えられています。

ふーむ、例えば花を咲かせて実をつける個体は、
相当のエネルギーを消耗することが予想されるため、
早く芽を開いて花を咲かせ、
その後の葉っぱの光合成によるエネルギー確保の期間を長くしている…。

うーん、説得力に欠けますかね。。。

ま、いつもの妄想です。

奥多摩山歩き その3 ヤドリギ

2010年04月21日 | 
雪の斜面にヤドリギのタネが落ちていました。




自然に落ちたものか、鳥などが落としたものか、いまひとつ分かりません。

ヤドリギは、本体の写真を撮るのを忘れたのですが、
木の枝にこんもりと寄生する植物です。

ヒレンジャクなどの鳥が甘い実を食べ、超粘着成分と共にタネがフンと一緒に排出され、
木の枝にくっついてそこから根を出し、樹木に寄生するそうです。

わたしも、一度実を食べたことがあるのですが、確かに甘くて、
みにょーんと伸びるような粘着性がありました。

で、見つけました。これを。



ナツツバキの樹皮にみにょーんと付いたヤドリギのタネ。
ほぼ垂直の幹にくっついてます。
みにょーんの長さは60~70センチぐらいだったでしょうか?



さすがに、ここでは発芽しないんだろうなあ・・・。

奥多摩山歩き その2 イノシシの痕跡

2010年04月20日 | 
標高1300メートルぐらいの稜線は、積雪10センチほど。



こう見ると、東北のブナ林みたいですよね。

休憩をして、ふとゆるやかな斜面の下を見たら、
雪の下の落ち葉をほっくり返した跡がありました。




これは、、、イノシシですね。落ち葉にまみれたドングリを探していたのだと思います。

なぜ、これがイノシシの痕跡かと断言できるかというと、、、。

①これを作るところを実際に見たことがある。
②足跡がある。



という感じです。

ドングリをあさったのは、雪がやんだであろう、
土曜の夜か、日曜の朝か。。。
日曜の朝って、さっきじゃないか。。。

急な雪でびっくりしただろうなあ、イノシシも。
残念ながら、実物は見られませんでした。

P.S.まさに実物、まじでこれを作ったイノシシを見たい人はここへ!

奥多摩山歩き その1 春の花

2010年04月19日 | 
日曜日、朝から快晴。
林道を車でちょっと行って、そこから登山開始。



林道脇のミツバツツジは満開。

登りはじめると、タチツボスミレ、
エイザンスミレにまじってヒトリシズカがちらほら。




ヒトリシズカの花って、アップにしてみるとちょっと不思議ですよね。



登りはじめると、山はまだまだ早春。



昨日の雪も残って、照り返しがきつい、思わぬ雪山ハイクになりました。


久しぶりの奥多摩へ

2010年04月18日 | 
土曜日、季節はずれの雪のあと、久しぶりに奥多摩に向かう。
天気は急速に回復。

近所の雑木林はすっかり葉っぱが開いて、緑が日々濃くなってきている。

車で、多摩川沿いを上ると、どんどん春に戻っていく。

青梅市の吉野街道に入ると、春爛漫。芽吹きがきれいなころ。

奥多摩駅に近くなると桜もちらほら残っていて、

日原街道に入ると、まだ早春の趣。

山の斜面にはヤマザクラが咲き、薄い緑や赤の淡い芽吹きが始まっていた。



東日原に着くと、満開の桜が迎えてくれた。

秩父盆地

2010年04月14日 | その他
今日は所用で秩父へ。ちょっとした旅ですね。

西武線は乗っていて和みますね。

コナラの芽吹きがきれいな雑木林を眺めつつ、
どんどん山里へ。

山の傾斜がきつくなって、スギやヒノキが増えて、
民家の周りでは、サクラやミツバツツジがきれい。

川もどんどん渓流らしくなり、右へ左へ何度も渡ります。

トンネルを越えて、川の流れる方向が変わってしばらくすると、
ぱーんと開けて秩父盆地。

いきなり団地やセメント工場が広がります。
サクラはまだぎりぎり満開。

秩父は別天地だなあ。。
削りに削られた武甲山は痛々しいけど。。。

マルタウグイの産卵

2010年04月12日 | 生き物


世田谷→自宅ジョギングのその3ですが、
多摩川ですごいものを見ました。

マルタウグイの産卵です。
前から知っていたのですが、はじめてみました。

堰の下でばしゃばしゃやっていて、
最初はコイかと思っていたのですが、マルタウグイでした。
マルタウグイは、降海型のウグイの仲間です。

産卵場所は堰の下の浅瀬で、けっこう遠くて、
デジカメではうまく撮れなくて、なんだかピンぼけです。

脇にある魚道の入り口にもけっこう溜まっていました。
コイも多くいるのですが、30センチぐらいから50センチぐらいのもいます。
ほんのり赤く婚姻色が出いていて、
すごく、ぶっとくてびっくり。上から見て紡錘形で、ハマチかなにかのよう。

マルタウグイの産卵生態はこちら。



堰の脇には魚道があって、
しばらく魚道の出口でマルタウグイの遡上が見られないかと思っていましたが、
残念ながら遡上は見られませんでした。

でも、堰の上でもマルタウグイの群れがすぐ足元で見られました。
ちゃんと上れているんですね。

15分ぐらい見ていたのですが、その間にコイが何匹かと、
おそらく子アユとおぼしき小魚の群れが上ってきました。

いろいろ問題視される魚道ですが、
少なくともこの魚道は、ちゃんと魚が上っているようです。

いやー、河原では、みんな野球をやったり、BBQをしたりしているし、
川辺には網を持った親子連れもいるのに、だれも気づいていないみたいです。
巨大魚(そんなに大きくないけど)の産卵だの、魚たちの遡上だの、
こんな、大スペクタクルが展開しているのに!
やっぱり多摩川はいいなあ!

世田谷→自宅ジョギング

2010年04月11日 | その他
車を車検に出して、帰りは走って家まで。
ま、1/4ぐらいは歩きましたが。。。

まずは環八を渡ると砧公園。



桜は終わりかけでしたが、天気もよく、家族連れやカップルがいっぱい。
みな気持ちよさそうでした。

次は大蔵運動公園でリトルリーグをひやかしつつ、
河岸段丘を下って、ハケ(段丘下のわき水)に沿ってちょっと行ってから、
仙川を渡る。



ショカッサイだの西洋カラシナなぞ、いっぱい咲いていて、
なかなかきれい。

野川を渡って次大夫掘公園に。
世田谷では、今、ザリガニ釣りがはやっているようで(いつでも、どこでもか…)、
段丘下のハケでも、次大夫掘公園でも、みんなスルメをエサにザリガニ釣り。

喜多見のうっそうとした氷川神社の脇を抜け、
狛江市に入って多摩川へ。。。

と、昔住んでいた和泉多摩川の中華料理屋に入って、
焼き肉定食とビールで昼食(重っ!)。
極楽、至福。

漫画を読みながら、付き出しのワカサギの南蛮漬けをつまんでいると、
視界の左側をゆっくりネズミが通過していく。
昼間っから、びっくり!といいつつ、いたって冷静に無視する。

何事もなかったように昼食終了。
お腹も一杯で、ビールも飲んだし、ふらふらと多摩川の河原へ。

(つづく)