晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

カマさん2

2008年11月29日 | 
黒目が気になるのです。カマさんの黒目が! こっち見てますよね?
何だろういったいあれは? 複眼だから黒目なんてないのに!?



・・・と思ってネットをみると、わかりやすい回答が。これとか。ま、ざっくり言うと、筒状の複眼の奥がこちら側の角度によって黒く見える…ということだそうです。そりゃ、まっすぐこっち見ているように見えるわけですよね、、、。クリアだけど、やや残念な科学的事実。

『ハダカデバネズミ』その2

2008年11月29日 | 
この本のおもしろいところのひとつは、ハダカデバネズミの生態とは別に、研究者の試行錯誤というか、研究のプロセスがかいま見ることができるところにある。

とくに生き物を飼うことが前提の研究だから、失敗も多い。学生たちとともに右往左往するところがエッセイ調につづられ、なかなか楽しい読み物になっている。

そうそう、この著者はハダカデバネズミの生態を研究しているわけでない。音声コミュニケーションとか脳とか、情報認知学とかそんな感じの研究をしている。

ただ、研究そのものは道半ばの感が強い。

おもしろいのは、脳を研究しようとする学者の想定がけっこう外れているところだ。研究者が、地下で生活するデバの脳が、視覚、聴覚とかが、その生態に合わせた脳の発達があるだろうと考えるのは当然のことだが、意外とふつうのラットと形態上は変わらない脳をしてるのだ。

なんだろう、、、こうやって想定がずれるところに研究の醍醐味があるんだろうなと思う。ここから真の研究がはじまるというわけだ(失礼なコメント)。

ついつい、「なんかいろいろおもしろいことが分かるといいですね…」とまったく余計なことを思う。裏表紙には「……その動物で一旗あげようともくろんだ研究者たちの……」のコピーがあるから、まぁ、そう思ってもいいよね…いう感じだが。

その意味では(どの意味?)、岩波はずいぶんと中途半端な本を出したとも言える。デバの一発キャラ勝負というところか。

とにかく、、、上野動物園にデバを見にいこうっと。


カマさん

2008年11月29日 | 
朝、外の水道のところにカマキリがいた。まだ寒いせいか、ぜんぜん動かない。
西向きの斜面にたった我が家は、当然、朝は後ろから日が当たるのだが、この水道のところが一番先に日が差す。



カマキリってほんとうにかっこいい。近づきすぎると、カッと鎌が動く。
オオカマキリなのか、チョウセンカマキリなのか。識別ポイントは前脚の間が黄色かオレンジ色かっていう、こう、かなり微妙なもの。

写真見てもぜんぜん分からない…。環境的には、チョウセンのほうが町にいるそうで、そっちかも。

明日もいたらちゃんと見ようっと。

『ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係』その1

2008年11月29日 | 
『ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係』(岩波書店/吉田重人・岡ノ谷一夫)を読む。岩波科学ライブラリーの一冊。



表紙の帯のようなところにあるように「裸・出歯・鼠」というネズミの話である。
えーっと。気持ち悪いです、この動物(きっぱり)。なにしろ裸で出歯なネズミで、なんかしわしわで(しかも動きが速いらしい)。

でも、本書によるとすごいおもしろい動物のよう。なにしろほ乳類では、このハダカデバネズミと近縁の1種の計2種しか知られていない数少ない真社会性動物なのだ。

真社会性動物というのは、ハチとかアリとかのあれです。女王だけが子供を産んで、あとは働くのとか、戦うのとかの役割に分かれているやつです。

このハダカデバネズミの場合、女王、王様(?要は繁殖に参加する少数の雄)、兵隊デバ(著者の呼称)、働きデバがいる。ほ乳類でなあ、ということを除けば、真社会性昆虫と同じだ。

ちがうのは「肉ぶとん階級」があることだ。本のサブタイトルには「ふとん係」とあるが著者は明確に「肉ぶとん階級」と呼んでいる(サブタイトルがふとん係になっているのは岩波の大人な事情か)。

生まれた子どものまさに肉ぶとんとしての役割を果たす階級だ。ハダカデバネズミはほとんど変温動物で、気温の安定した地下に棲んでいるので問題がないのだが、さすがに子どもはまずい…ということらしい。で、肉ぶとんたちが子どもを暖めるわけ。なんという、けっさくな!

(つづく)