二銭銅貨

星の数: ☆良い ☆☆すごく良い ☆☆☆激しく良い ☆☆☆☆超激しく良い ☆☆☆☆☆ありえない

コジ・ファン・トゥッテ/芸大2011

2011-10-08 | オペラ
コジ・ファン・トゥッテ/芸大2011

作曲:モーツァルト、演出:直井研二
指揮:高関健、演奏:藝大フィルハーモニア
出演:
フィオルディリージ:竹下裕美、ドラベッラ:加藤のぞみ
フェルランド:金山京介、グリエルモ:杉浦隆大
デスピーナ:平尾悠、アルフォンゾ:萩原潤

淡い色調の6枚の板が前景となって、背景に布張りがあるだけの簡単なセット。照明で様々に色合いが変化する。その板を舞台に出演する群衆の一部が手で押して配置換えをし、場面転換をする。屋外、屋内など様々な場面が創り出される。背景の淡い色調に対して衣裳は彩度の高い鮮やかな色で美しいものだった。白黒の縦縞を多用したモチーフが古風な衣裳に強烈な現代性を感じさせていた。特にデスピーナの鮮やかなグリーンの胴とふっくらとした白のドレスが美しかった。

竹下は強いソプラノで低音も高音も良く出ていた。加藤も高音が良く出ていて、あまりメゾっぽくなかったが、竹下と同じような声質の感じで、そのためか2人の2重奏はとても良く響いて美しかった。金山も強いテノールだったが、低音と高音で声質が変化するようでソロが2重奏のような感じに聞こえた。杉浦は人の良さそうな素直なバリトンで軽快な感じだった。平尾は流れるような歌い方で純情そうなデスピーナ。萩原は安定して落ち着いた素直なアルフォンゾだった。

フィオルディリージの25番ロンドは強く美しく一番良かった。揺れる乙女の苦悩の青白いエネルギーと、オレンジに燃える恋の始まりの紅の色。

11.10.01 芸大奏楽堂


コメントを投稿