二銭銅貨

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マダムと女房

2009-12-05 | 邦画
マダムと女房 ☆☆
1931.08.01 松竹、白黒、普通サイズ
監督:五所平之助、脚本:北村小松
出演:渡辺篤、田中絹代、伊達里子

青い空と脳天気な白い雲。
一面の野原にポツポツと建つ住宅。
白い洋館と日本家屋。
純日本的カミさんと隣の洋装の女性。
愉快なジャズと、
軽快なダンス。

洋館にジャズ仲間と居て、
洋風なメークで日本人離れした感じの若い女性は、
井上雪子というらしいけれども、
そのなりやふりは今風だ。

日本家屋の主人は引っ越して来たばかり。
若いかわいいカミさんは田中絹代だけれども2人の子持ち。
怒ったり、すねたり、泣いたり、甘えたり、
すべて見せます。かわいいね。

最後はだんな様役の渡辺篤とデュエット、私の青空。
「夕暮れに、仰ぎ見る、輝く青空、
日暮れて、たどるは、我が家の細道。
狭いながらも楽しい我が家、
愛の灯影(ほかげ)のさすところ、
恋しい家こそ私の青空。・・・」

冒頭で佐藤忠男さんのトークショー有り。今回の松竹蒲田を中心にした日本映画上映の企画に関連して、当時の監督たちのエピソードなどを時間をオーバーして熱心に語った。特に、島津保次郎、五所平之助、清水宏、小津安二郎などの、俳優の動作をきちんと決めて構想どおりの構図やコンティニュイティーで映画を作っていくやり方と、村田実、溝口健二、内田吐夢など、俳優を極限まで追い込んで撮るスタイルの違いの説明は興味深かった。なる程と思った。確かにそういう感じだ。前者がこの松竹蒲田から起こった新しい流れで、後者が映画製作で先行していた日活で活躍した監督たちである。

09.11.21 東劇


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