二銭銅貨

星の数: ☆良い ☆☆すごく良い ☆☆☆激しく良い ☆☆☆☆超激しく良い ☆☆☆☆☆ありえない

16国立劇場12月/仮名手本忠臣蔵3部/歌舞伎

2017-01-01 | 歌舞伎・文楽
16国立劇場12月/仮名手本忠臣蔵3部/歌舞伎

八段目 道行旅路の嫁入
九段目 山科閑居の場
戸無瀬:魁春、小浪:児太郎、本蔵:幸四郎
由良之助:梅玉、お石:笑也、力弥:錦之助

十段目 天川屋義平内の場
義平:歌六、由良之助:梅玉、お園:高麗蔵
了竹:錦吾、丁稚伊吾:宗之助

十一段目 高家表門討入り、広間、奥庭泉水、
     柴部屋本懐焼香、花水橋引揚げ
由良之助:梅玉、力弥:米吉
平八郎:松緑、半太夫:亀蔵、若狭之助:左團次

白無垢の小浪、赤一色の戸無瀬、白銀の刃、降る雪、
切りかかる戸無瀬、祈る小浪、刻む三味線、流れる尺八、
弦の音は涙、管の音は祈り、永遠に続くためらい。

魁春は小柄で可愛らしく、いくらか直線的にかくかく動く動きが人形振りのようで、すこし六代目歌右衛門を思わせる。児太郎は特に道行きで、若い女子を思わせる軽い動きが良く出ていた。九段目では神妙で可哀そう。幸四郎は貫禄十二分、笑也は切れ味鋭い刃のような芝居。歌六は落ち着いた手堅い貫禄、宗之助のでっちも手堅い喜劇役者。米吉の力弥はめっぽう美しく目を引いて、芝居も良い。平右衛門の最後の引っ込みは大きな木槌を担いだ花道の六法。チラシにその名は無かったが、2部で平右衛門をやった又五郎だと思われた。

梅玉の出だしの酔っ払い振りはなかなかにぐでんぐでんの様子だったが、後は最後まで落ち付きのあるいつもの梅玉で11段目までを勤めた。50周年記念の芝居の最後の部の良之助を、落ち着いていて頼りになるこの梅玉がやった、というのがうれしかった。

16.12.18 国立劇場


コメントを投稿