二銭銅貨

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ニングル/めぐろパーシモンホール(日本オペラ振興会)2024

2024-04-09 | オペラ
ニングル/めぐろパーシモンホール(日本オペラ振興会)2024

作曲:渡辺俊幸
台本:吉田雄生
原作:倉本聰
指揮:田中祐子
演出:岩田達宗
美術:松生紘子
衣裳:下斗米大輔
演奏:東フィル
合唱:日本オペラ協会合唱団
ダンサー:田川ちか、木原丹、西田知代、友部康志
出演:勇太:村松恒矢
   才三:渡辺康
   かつら:光岡暁恵
   ミクリ:相樂和子
   スカンポ:井上華那
   光介:和下田大典
   信次:勝又康介
   民吉:泉良平
   ニングルの長:山田大智
   かや:長島由佳
   信子:佐藤恵利

新作初演。登場人物が多く、冒頭の結婚式の場面で人物関係の紹介があるものの、予習していなかったので各歌手と登場人物との関係が把握しにくかった。父が民吉(BsBr)で、その子が3人居て、かつら(S)、勇太(Br)、ミクリ(S)。かつらの配偶者は出ていなくて、かつらの子がスカンポ(S)。勇太、ミクリの配偶者がそれぞれかや(A:Alto)と才三(T)。かやの弟が光介(Br)。その他、ニングルの長(Br)、信次、信子などがいる。

全体にレチタティーヴォからなるオペラという感じで、コンサートで歌いあげるような感じのいわゆるアリアっぽい部分は少ないが、かつらが歌う部分がややアリアっぽい印象であった。ジャンニスキッキの私のお父さんみたいな感じだろうか。各歌手の特徴はつかみにくかったが後でプログラムを見ながら整理した。光岡が美しい声だったが前より強い感じに変わったかも知れない。松村は強い声と激しい芝居、渡辺はおとなしい感じの声と芝居、井上は高音が良く出ていたように思う。最初は口がきけない役なので、短い高い音を発するだけ。相樂と長島はそれぞれ強いソプラノのようであった。和下田は強い声と深刻な芝居。泉は柔らかい声でおとなしい感じの芝居。山田はまじめな感じのバス・バリトン。合唱は人数が十数人で小規模であったが迫力のある声が聴けた。勝又、佐藤の芝居は印象に残った。

装置は大きな多角形の黒い板の一部を円形にカットしたものを2枚吊り下げて、それを動かして様々な背景を作る仕掛け。奥にプロジェクションやセットを配置して奥行感を出し変化を付けていた。木の葉が絡まったロープが4本降りて来て、それが木を表していて、ダンサーの4人がそれに対応している。

ダンサーは出番が多くかなり目立っていて、この公演の主要登場人物になっていた。田川と木原はダンスとバレエの中間程度の動きで、田川は特に演劇的な表情を出しながらのダンスだった。西田はバレエ的な動きで難しそうな静止の技を披露した。大きな太い木を表現していたらしい友部はダンサーではなく俳優らしいが、しっかりと踊って目立っていた。

演奏はダイナミックでドラマを激しく盛り上げた。

24.02.11 めぐろパーシモンホール


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