二銭銅貨

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2010オリンピック女子フリー

2010-03-06 | フィギュア・スケート
2010オリンピック女子フリー

浅田真央:2位
トリプル・アクセルは無事飛べた。アクセルは前向きなジャンプ。他の後ろ向きのジャンプとは違う。ショートでダブルトウとのコンビで1回、フリーの冒頭で1回、引き続きダブルトウとのコンビで1回。完璧。オリンピックでの成功は18年ぶりで、強くて清潔で大きなジャンプだった。

ショートは「仮面舞踏会」で慎重な滑り、フリーは「鐘」でやはり慎重な感じだったし、アクセルに集中している様子が伺えた。ルッツをショートでもフリーでもはずし、サルコーもなし。新聞によると、ルッツ、サルコー、トウループが不得意らしく、それでコンビのセカンドがトウでなくてループなんだそうである。フリーではトウループの踏み切り前に、トウになる足がまだアウト・エッジで残っている段階で、多分エッジが氷面上のトウジャンプの後で出来た穴にひっかかったらしく、バランスを崩してジャンプを飛び損ねた他、フリップからのコンビでもランディングが乱れた。それ以外は完璧。すべてのジャンプを飛び終えた後のステップシーケンス以降は、元気良さが出て来てキレの良いスケーティングになったように感じた。ステップシーケンスは非常に良い。深さと強さと執念を感じた。

安藤美姫:5位
ショートがレクイエム、フリーがクレオパトラ。ショートもフリーもスピードが落ちず、ショートのルッツからのコンビのミス以外はジャンプのミスも無く、良い出来だった。スピードが落ちなかったのが良かった。この人は割りとスピードが落ちる事があるので、その点では本当に良かったと思う。クレオパトラの振り付けが面白く、音楽にもよく乗った表現だった。ジャッジの評価は低かったがステップシーケンスも深くゆったりとした表現で印象的だった。

悠然とまったりとしたスケーティング、宇宙的な感じが安藤の持ち味だけれども、どうもスピード感が無いので、それで随分スコア的に損をしているように感じる。

鈴木明子:8位
ショートではジャンプのミスがあって11位。フリーではサルコーにミスがあったもののほぼノーミスで7位。ステップシーケンスは元気良く、強く明るく楽しかった。ジャッジの評価も高い。フリーの曲は「ウエストサイド・ストーリー」。

キム・ヨナ:1位
高くて大きく、ミスの少ないGOEの高いジャンプで1位。リスクを最低限に抑える構成が特徴で、フリーのコンビ3個のうち2個はダブルアクセルとの組み合わせ。ショートの曲は007。

ジョアニー・ロシェット:3位
試合直前に応援に来ていた母親が亡くなるという小説のような出来事があったにもかかわらす、頑張って試合にのぞみ結果を出した。ジャンプが若干、不安定だが、スピードがあるのでその点が素晴らしい。表現力もスケーティングも良い。

長洲未来(みらい):4位
シンデレラ・ガールだ。順位争いに血まなこのお姉さんがたをよそに、リンクを所せましと駆け回るようなスピードと、キレの良いジャンプは、カルガリーの時の伊藤みどりを思わせる。ショートではすこし硬質で直線的な早い動きが印象的だったし、フリーでのスピードも特に素晴らしかった。スピンも良く軸が出ていて早かった。将来が期待できる、良い未来が開けている気がした。

フリーの曲はカルメン。元気な汚れの無い無邪気なカルメンで楽しかった。ショートの時に、多分スピンかジャンプの時に鼻血を飛び散らせたらしく、鼻の頭に血が付いていたのがおかしかった。

スコア:
合計 ショート(技術, 構成, 減点) フリー(技術, 構成, 減点)
1キム 228.56 78.50(44.70, 33.80, 0) 150.06(78.30, 71.76, 0)
2浅田 205.50 73.78(41.50, 32.28, 0) 131.72(64.68, 67.04, 0)
3ロシ 202.64 71.36(39.20, 32.16, 0) 131.28(62.80, 68.48, 0)
4長洲 190.15 63.76(37.00, 26.76, 0) 126.39(65.83, 60.56, 0)
5安藤 188.86 64.76(34.80, 29.96, 0) 124.10(62.50, 61.60, 0)
8鈴木 181.44 61.02(33.10, 27.92, 0) 120.42(60.98, 59.44, 0)

長洲のフリーの技術点は2位。浅田のジャンプのミスについては、多分8点前後マイナスだと思われるので、ノーミスだった場合のキムとの差は15点前後だったと思われる。

2010.2.26 バンクーバー


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