マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者数の統計で国別参加者数を公表しなくなった

2012年06月05日 | 参加者数の統計と解説
マレーシアマイセカンドホーム当局は2012年5月下旬になってようやく、プログラム参加の承認者数統計を発表しました。この何ヶ月間マレーシアマイセカンドホームサイトには、承認者数を示さない国別参加者数トップ10だけが掲示してありました。

当ブログではカテゴリー内の”参加者数の統計と解説”という分類で、これまで8つの記事を書いてきました。
そこで今回の記事では、発表されたこの統計数字を基にして分析しコメントします。

当ブログの方針
当ブログでは、翻訳する場合はあくまでも原サイトである英語ページまたはマレーシアマイセカンドホーム当局発行の英語文書を基にして訳し、それに独自の注と解説及び分析を加えて、ここに掲載しています。原サイトの日本語版ページが基準になるわけではないので一切参照及び関知はしません。


【10年間のプログラム新規参加者総数と対前年増減率】

注:%のついた数字は対前年増減率です。
2002年:818人、2003年:1645人、+101%、2004年:1917人、+16.5%、2005年:2615人、+36.4% 
2006年:1729人、-33.9%、2007年:1503人、-13.1%、2008年:1512人、+0.6%、2009年:1578人、+4.4%
2010年:1499人、-5%、2011年:2387人、+59.2%、
 
この統計で一目瞭然のように、2011年は対前年比で6割増という大幅でしかもこれまでに最大の増加率でした。承認された新規参加者数の面では、最多数であった2005年に次ぐ人数ですね。

ただし2005年のこの異常とも言えそうな人数にはある背景がありました。当ブログの以前の記事(2010年1月)でイントラアジアが書いた解説を再録しておきます:
Intraasiaの解説
マレーシアマイセカンドホームプログラムの申請及び承認規則はこれまで数回かなりの幅を持って変更されています。申請条件の敷居を低くしたり、審査を甘くすれば、プログラム本来の目的から外れた人たちの数が増えることは目に見えています。

過去の国別新規参加者数の変移を見るとこのあたりがよく推測できます。例えば2003年から2005年に中国人の新規参加者数が一挙に毎年500人前後にも増えたことがあります。さらに2005年はバングラデシュ人参加者数がなんと 852人もありました。 2009年の中国人参加者数は114人、バングラデシュ人参加者数 86人ですから、その数が異常な多さであることがわかります。 
当局がこの数字を見て、その後なんらかの変更・対策処置を取ったことが推測されます。以上

【急増した2011年終わり頃の傾向は今年も続くのだろうか】

2010年から2011年にかけての場合はどうかを考えてみましょう。

去年の終わりごろの記事で次のように載せました:
2011年における10月までのプログラム新規参加者数 国籍別トップ10: 
日本 306人、中国 281人、イラン 232人、バングラデシュ 221人、英国 118人、
パキスタン 91人、シンガポール 63人、オーストラリア 59人、台湾 48人、韓国 47人、 世界中からの新規参加者総数 1792人。

つまり最後の2ヶ月間で 600人も増加しています。一体全体どういう理由や背景があってこのような大幅増が短期間に起きたのだろう?

マレーシアマイセカンドホーム当局は例によって、参加者数の増減に関して一切分析もコメントも発表しませんので、残念ながらわかりません。そこで推測するしかありません。

マレーシアマイセカンドホーム当局は、今年(2012年)3月までの新規の参加承認者数も発表しています。 世界中からの新規参加者数は887人です。月平均にすると295人です。2011年11月12月の2ヶ月間の新規参加者数は595人でした、つまり月平均にすると297人です。
ちなみに、2012年3ヶ月間の”東アジア”からの新規参加者数が半数近い413人を占めます。東アジアとは恐らく、日本と中国と韓国と台湾を指すのであろう。

この計算結果から、昨年最後の2ヶ月間の大きな増加傾向が今年第一四半期にも引き続いていることがわかります。ということは2011年終わり頃の急増は一時的な現象ではないといえるかもしれませんが、今年はまだ3ヶ月間だけの統計ですから、現時点で判断してしまうのは早すぎます。せめて6ヶ月間の統計数字をみないと”傾向”だとはいえないでしょう。

【国別の参加者数発表を突如止めてしまったマレーシアマイセカンドホーム当局】

こうして昨年終わり頃と今年第一四半期の増加現象はわかった。しかし肝心の日本人の新規参加者数がわかりません。なぜならマレーシアマイセカンドホーム当局が今回(2012年5月下旬)の発表において、国別新規及び累計参加者数の発表を止めてしまったからです。これまた理由はわかりません。

マレーシアマイセカンドホーム当局は1990年代の昔から昨年(2011年)10ヶ月間分を発表した時まで、これまでずっと国別新規参加者数と累計参加者数を統計の主たる部分にしていました。それなのに今回突如として、国別を止めて、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニア、その他という大陸別分類を取り入れました。

さらに下位分類として、アジアは東南アジア 、東アジア 、北アジア 、南アジア 、南西アジア 、西アジア 、中央アジア 、という分類を取り入れました。

2011年の参加者総数2387人の内訳を見ると、アジア 1926人(746人):東南アジア 127人(25人)、東アジア 977人(413人)、北アジア 1人(0人)、南アジア 493人(181人)、南西アジア 0人(0人)、西アジア 327人(127人)、中央アジア 1人(0人)
(カッコ内は2012年第一四半期の新規参加者数です)

ヨーロッパもアメリカもアフリカもそれぞれ下位分類を取り入れています。例えば2011年に全体で26人しか新規参加者がいないアフリカを 7つにも下位分類しています。281人の新規参加者数であったヨーロッパを7つに下位分類した1つ ”南東ヨーロッパ”は2011年はたった1人です(例年も似たような数)。”南東ヨーロッパ”なんていう分類があるだろうか? 例えあるとしても、どの国かを推測できる人が果たしているのか?

アジアの下位分類である”北アジア”ってどの国のことだろう? モンゴル?のことかな。

まあ地学的とか地理分類なら意味はあるかもしれませんが、こんな誰にも馴染みのない細分化した分類は見にくいだけですね。その貿易統計において、1つの大陸を複数に下位分類した統計を発表しているマレーシア通産省でも、これほど細かな分類は用いていません。ましてマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者数を一覧するために発表する統計に、アジアやヨーロッパやアフリカの下位分類など不要であり、同時に無用です。

なぜこんな不可解な変更がなされたのだろう? 国別表示をするとなにか不都合なことでも起こったのだろうか? どこからか国別表示に不満や批判が起きたのであろうか?
わかりません、ただマレーシアマイセカンドホーム当局の外からの要因、つまり何らかの外部要因によって、この不可解な変更が行われたと勘ぐらざるをえませんなあ。

【国別新規参加者数及び累計のトップ10ヶ国】

このため今回(2012年5月下旬)の発表では、国別の新規参加者数と累計参加者数の公表が全くなくなりました。公表されているのは国別新規参加者数及び累計のトップ10カ国の順位だけです。

国別新規参加者数の番付
2006年: 1位 バングラデシュ、2位 中国、3位 英国、4位 日本
2007年:1位 英国、2位 日本、3位 韓国、
2008年:1位 イラン、2位 日本、3位 英国、
2009年:1位 イラン、2位 日本、3位 英国、
2010年:1位 イラン、2位 日本、3位 中国、
2011年:1位 日本、2位 中国、3位 イラン、
2012年3月まで:1位 日本、2位 中国、3位 バングラデシュ

2002年から2012年3月までの国別総参加者数の番付
1位 中国、2位 バングラデシュ、3位 日本、4位 英国、5位 イラン

この5年間日本は一貫してマレーシアマイセカンドホームプログラム新規参加者数でトップ3カ国の1つであり、昨年2011年は初のトップ国となった。今年も第一四半期はその流れを維持している。海外ロングステイに踏み出されるまたは計画、考慮している日本人の間で、マレーシアの人気が高まっていることを確実に感じます。

人数が公表されていないのはまこと人残念なことです。言うまでもなく、マレーシアマイセカンドホーム当局は国別の統計を行っています(だから大陸の下位分類での数字が発表できる)。
マレーシアマイセカンドホーム当局内部の人とコネがあるとか多少親しい関係であれば、国別参加者数を教えてもらうぐらいのことはできることでしょう。なぜなら、つい半年ほど前まで長年明瞭に発表されていた国別参加者数が急に機密扱い事項になったとは到底考えられないからです。

マレーシアマイセカンドホームプログラムを解説する者として、好意的に広報する者として、マレーシアマイセカンドホーム当局が去年までのように、参加者の国別統計を誰にでも見える形で発表してくれることを願っています。

参考:当ブログのこれまでの記事から引用
日本のマレーシアマイセカンドホームプログラム新規参加者数
2002年 49人、2003年 99人、2004年 42人、2005年 87人、2006年 157人、2007年 198人、2008年 210人、 2009年 169人、2010年 195人、2011年10月まで306人
累計 1512人

この傾向を推測して、1512人 + 2011年残り2ヶ月分 + 2012年新規参加者数を合計すると、どうやら今年末には累計2000人台に到達しそうですね。

【6月15日の追記:2011年の日本人新規参加者数】

本日発行の英語紙にマレーシアマイセカンドホームプログラムの記事が載っており、その中で日本人の新規参加者の数字が出ています。
イントラアジアがこのブログ上記で断じた通りです、だからセンター当局はこうした新聞の取材には数字を明らかにしたわけです。センター当局はそのマレーシアマイセカンドホーム公式サイトでなぜ誰にも見える形で統計を発表しないのだろう?

以下は記事の一部:
マレーシアマイセカンドホームセンターが明らかにしたところでは、2011年にマレーシアマイセカンドホームプログラムに参加を申請して承認された人数において、日本人は 423人でした、これは2010年の195人から大きく増えました。国別では2011年は日本が最多国でした、なお2010年はイランが最多国。 2011年の新規参加者数で2番目に多い国は中国で 405人。

マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加を承認された世界各国参加者数は これまでの累計で 2012年3月時点で1万8千人を超えました。

以上

2011年の日本人新規参加者数が400人を超えたというのは、イントラアジアの予想を超える数ですね。長年マレーシアを論じてきた者として、嬉しい驚きといえます。

【簡単な自己紹介】

イントラアジアが発表してきた膨大な記述・発言のほとんどはインターネット上にあり、いつでも容易に検索できますから、どなたでもイントラアジアの過去から現在に至る内容を調べることができます。

イントラアジアは1975年に初めて日本を離れ、その後はヨーロッパなどに打ち込みました。この20数年は東南アジアを専門にマレーシアを本拠地として、様々な情報と主張を発信しています。専門書で知識を得、自分で調べ自分で歩き自分で書く、イントラアジアのあり方はこれに尽きます。

当ブログは、きれいなパンフレットで気を引いているわけでも、美辞麗句と写真で飾っているわけでもありませんし、ロングステイをビジネスにしている会社の宣伝でもありません。さらに何々財団・組織・クラブに関与していることもつながりも全くありません。
マレーシア語のマの字も知らずに、華人と中国人の区別もできずに、マレーシアマイセカンドホームプログラム紹介やビジネス宣伝をしている人たちとは一線を画しています。


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