日高見製作所 業務日報

「鉄分」欠乏中。。

そりゃあ、効かないでしょうねぇ。。。

2007年01月21日 00時58分17秒 | 日記
え~、「ブレーキの効きが悪い」という車がやってきました。
「古い車だから、お前見ろ」ってことで取りかかりました。

結論。この車のブレーキは効きません。
いや、制動力は十分あるんです。車検を楽々パスできるくらいにたっぷりと。

しかし、ブレーキフィーリングを悪化させる要素が、制動力を上回っていたのです。。

1:絶滅間近の4輪ドラムブレーキ
2:リヤシートのスペースと荷室に積み込まれた大量の鉛バッテリー
3:負圧ホースがつながっていないブレーキ倍力装置


お腹いっぱいです。ごちそうさまでした・・・

これだけ悪条件が重なっていて、効くわけがありません。。
というか、ブレーキライニングとドラムのすき間調整をしたところで、フィーリングが改善するとも思えません。
特に、倍力装置が働いていないのが痛いです。。

では、なぜ倍力装置が働いていないのか。なぜ負圧ホースがつながっていないのか。
それは、この車が「電気自動車」だからです。
元々載っていたエンジンを降ろし、代わりにモーターを載せた改造車なのでした。
ですから、倍力装置はエンジンのインテークマニホールド負圧を利用する前提で作られているのです。
ブレーキペダルを踏む力を補助してくれるインマニ負圧が無い状態で、ブレーキペダルを踏んでも・・・効きませんとも。

さらに、モーターに電力を供給するための大量の鉛バッテリー。
これも相当の重量があるようで、後のサスペンションが沈みっぱなし。
ノーマルスプリングなのに「シャコタン」になっていました。
車重が増えれば、ブレーキの効きも悪く感じられるようになります。

さらに「10年くらい開けてない(ユーザー談)」4つのドラムブレーキ。

えぇ、効きませんとも。
とりあえず、効きの違いを体感したいのなら、ホイールシリンダーとライニングとブレーキドラムを交換するべきです、とユーザー様には伝えました。

あと、試運転でちょっとだけ走ったのですが、ブレーキを掛けるたびに背後で「チャプン」という音が聞こえるのです。
はい、鉛バッテリー(トラック用の大きいサイズが10数個・・・)に封入されている希硫酸の音です。
ブレーキが効かないことよりも、希硫酸のチャプチャプいう音の方が気になって仕方ありませんでした。。
・・・だって万一、事故が起こった時にバッテリーが割れたりしたら・・・ねぇ

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